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身体に異変




=====

 ◆イスカンシア・ナザリンディド・ンティピアット・ナーヴァタラマライテル

 種族:神族 性別:女 年齢:年齢観念無し 職業:旅館の警備と操舵手

 LV:124 HP:14600 MP:13610 SP:13240

 物理攻撃力:2350  物理防御力:2140  敏捷力:1870

 術効力:6740  術抵抗力:8550  幸運:510

 アクティブスキル:屍人招き8、屍人使役8、骸骨騎士召喚8、HP吸収8、腐蝕8、百獄千界ひゃくごくせんかい屍人夜行しびとやぎょう7、死霊門しりょうもん6、冥府からの帰還6、終末の狂声8、這い寄る死8、即死5、死神化、空船浮遊8、空船操舵8

 パッシブスキル:不死10、HP自動回復10、暗視10、念話10、死臭感知8、死期察知8、空域探知8、死術8、痛覚無効、睡眠不要、食事不要、全状態異常無効、夜行性、浮遊

 称号:死神の女王、死者を統べる者、死を振りまく者、捨てられし者、異世界からの帰還者、ドイツの大貴族、大零石を取込みし者

 ※ユラリの二十四守護者の一人:死神

=====

 ◆腐蝕

 手で触れたものを瞬時に腐敗させる死術。

 ◆百獄千界ひゃくごくせんかい屍人夜行しびとやぎょう

 世界中で過去に死んだ様々な種族の屍人や骸骨を呼び出し、MPの続く限り呼び出し続ける事ができる死術。

 ◆死霊門しりょうもん

 死霊を呼び出し使役する事ができる死術。

 ◆冥府からの帰還

 亡骸に宿る記憶を呼び覚まし定着させる。術者の死亡もしくは亡骸が完全消滅しない限り効力は持続する死術。

 ◆終末の狂声

 術抵抗の低い者が聞くと狂乱してしまう声を発する死術。

 ◆這い寄る死

 対象に対し様々な病気を発病させる事ができる死術。

 ◆即死

 スキルレベル一につき十パーセントの確率で対象を即死させる死術

 ◆死神化

 死神本来の姿になる事ができ、全能力値が大幅に上昇する。

 ◆夜行性

 夜の活動時に全能力値が上昇する。

=====


 レベルが百を超えてる。

 普通は【守護者任命】をしてもレベルは上がらない。

 たぶん地球で七百年を過ごすうちにレベルが上がったのかもしれないな。


 そのおかげか能力値が軒並み高い。

 さらに死神らしいスキルも盛りだくさんだ。


 特に【即死】とかいう術もあるな。

 スキルレベル一につき十パーセントの確率で【即死】か。

 つまり今の【即死】のレベルは五だから五十パーセントになる。

 これってレベル十になると百パーセントになるって事だよな。


 なんて恐ろしい術だ。

 戦わずに相手を殺せるなんてチートスキルだ。

 まあ、こういうスキルには決まってデメリットもあるはず。

 後でイナンナに詳しく聞いてみよう。

 イナンナが敵に回らなくて本当に良かったよ。



 骸骨達への説明と指示はイナンナに任せ俺は旅館に戻った。

 後からイナンナも旅館に戻って来るだろう。

 もう少し時間をおいてからこの世界にきた理由を聞いてみよう。


 今日は肉体的にも精神的にも疲れきった一日だったな。

 こういう時は早めにぐっすり眠るに限る。

 俺は旅館のロビーに入るとちょうどペティと居合わせた。


「ご主人様! よかったです。無事に宝探しから戻られたんですね!」


「ああ。いろいろあって疲労困憊だ。まだ早いけどもう自分の部屋に戻って寝る事にするよ」


「わかりました! あっ、ご夕食はどうしますか? お部屋にお運びしますか?」


「いや、今日はいらないよ。ありがとうペティ。いつも俺に尽くしてくれて感謝してる」


「そ、そんな、私もご主人様にはいつも感謝してるんですよ。いつも仕事の相談にのってくれるし、夜も……その……優しくしてくれるし……」


 すでに俺に妻になって日も経ってるっていうのに、ペティは恥ずかしがって顔を赤くしている。

 いつまでも初々しいのはペティの魅力の一つだよな。


「あっ、それと、近いうちに私の昔の知り合いが日乃光の国に用事があって来る事になってて、その用事が済むまでこの旅館に泊まるって手紙が届いたんです」


「ペティの昔の知り合いっていったら孤児院の?」


「はい。十三になるまで孤児院で一緒に育った家族同然の女の子なんです」


「そうか。セルフィナに言って一番良い部屋に泊まれるように手配するよ。もちろん代金はいらないから」


「ええ!? い、いえ、そんな、お気持ちは嬉しいんですけど、私なんかの為にそこまでして頂かなくても……」


「俺がペティの家族の為にしてあげたいんだよ。ペティの旦那がケチな奴だと思われたくないしな」


「ご主人様はケチなんかじゃありません! 都に行った帰りには団子や金平糖や羊羹なんかをお土産にくれるし、全然全くケチなんかじゃありませんよ!」


 お菓子のお土産を喜んでくれているみたいだな。


「ありがとうペティ。だから客室の件は気にするな」


「……はい。本当にありがとうございます。いつも私の事を気遣ってくれて……」


 ペティの目が潤んでいるな。

 ペティの家族同然の人を向かえるんだ、無料で泊まらせるくらいなんて事は無い。

 この旅館へのペティの貢献度に比べればまだ足りないくらいだよ。


 俺は優しくペティの頭を撫でてあげてから彼女を仕事に送り出した。

 それからセルフィナにこの件を伝えるため事務室に入る。

 事務室には経理仕事をしているイチゴしかいなかった。


「イチゴ。セルフィナは?」


「さっき酔っぱらいのお客さんへの苦情が出て、その対応に向かったのよ」


「ああ、たまにそういう客がいるよな」


「そうね。お酒を飲むなとは言わないけど、酔っぱらって他のお客さんに迷惑をかけるのはやめて欲しいわね」


「まったくだ」


 その時突然、胸に堪え難い程の激痛が走った。


「ぐっ! があぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


 俺は胸を抑えながら床にうずくまる。

 イチゴが驚いて飛び上がり、俺の事を心配して駆け寄る。


「ユ、ユラリっ!? どうしたの!?」


 なんだこれっ!

 痛い!

 心臓が握りつぶされれたかのように痛い!!


 鼓動も異常に早い!?

 どうしたんだ俺の身体!?

 どうなるんだ俺!!



「ぐうぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



「い、いまアサハナを呼んでくるわっ!!」


 イチゴは大慌てで事務室から飛び出していった。

 全身の痛みで意識が飛びそうだ。

 視界もぼやけてきた。


 視界はぼやけているのに、はっきりとした輪郭でアウレナのメッセージウインドウが表示される。

 それはいつか見た文字化けしたエラーメッセージだった。

 アウレナの管理AIの無感情で乾いた声が、そのメッセージをノイズ混じりに読み上げる。


『@@,,守護{`+`++約人数lpo@;@八人に達<>?`+{`た。こ*?{*より覚醒第一~=|~P~*+}`}`+`解放シー>+`エンスを開_?*`+{`++す;@』


 俺の身体に光が吸収されるかのように、周囲の空間が歪み暗くなった。

 そのまま身体が宙に浮き、何処からともなく現れた黒い糸が俺に巻き付く。

 その黒い糸は球体を形成し俺の身体は完全に覆われた。

 俺は光りも音も届かない繭の中で意識を失った。


 そして夢を見る。

 何年も昔の夢を。




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