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ロールプレイングゲームとシミュレーションロールプレイングゲームにおけるプレイヤー管理情報量と売上関係、それをファンタジー小説に置き換えた場合の作品の善し悪しについて

作者: Takker

筆者は家庭用ゲーム業界に関係する仕事に従事しており、こんな話を聞いたことがある。


ロールプレイングゲーム(以降RPG)とシミュレーションロールプレイングゲーム(以降SRPG)は、どうしてRPGの方がよく売れるのか?まあ、よく耳にするのは「SRPGは難しいから、敷居が高いから」……なんとも漠然としない話だ。


たまたま、ある仕事で開発関係に明るい方からこんな話を聞いた。RPGとSRPGの差、敷居が高く感じる理由はプレイヤー管理情報量の違いだと。


その内容に移る前に簡単に説明させていただく。


日本国内での家庭用ゲームのRPGと言えば、ドラゴンクエスト、ポケットモンスター、ファイナルファンタジーなどが有名で、その売上本数も200万本から500万本と凄まじいものだ。


一方のSRPGとなると、ファイナルファンタジーの名を冠したファイナルファンタジータクティクスが140万本と歴代最高で、他は所謂ミリオン(100万本)を売上げたタイトルは記憶にない。


さて、プレイヤー管理情報量とは何か。

詳細を語っても難しくなるので、できるだけ簡潔に述べさせて貰う。これはゲームをプレイする上で、プレイヤーに記憶、思考、計算などを求めるデータの量である。RPGなどの花形であるモンスターとの戦闘を例に取ってみよう。


ドラゴンクエストなどの最もスタンダードなRPGの戦闘において、プレイヤーが管理すべきデータの元となる要素は以下の通りだ。

『キャラクターのステータス』

『戦闘方法』

『出現している敵キャラクター』

厳密では無いが簡単にまとめるとこんなものである。


これがファイナルファンタジータクティクスなどの、SRPGの中では比較的スタンダードなものの戦闘になると以下の通りになる。

『キャラクターのステータス』

『戦闘方法』

『出現している敵キャラクター』

ここまでは当然同じだが……。

『マップの地形効果、高低差』

『キャラクターと敵キャラクターの行動順番』

『キャラクターと敵キャラクターの方向』

『キャラクターと敵キャラクター行動範囲』

『勝利条件』

この通り恐ろしく情報量が多くなる。


ゲーム性の違いもあるので一概に、これだけで絶対とは言えないがプレイヤー管理情報量にソフト売上本数が反比例していることは間違いなく、少なくとも相応の因果関係は認められる。プレイヤーに大量の情報処理を求めるのは、プレイヤーをふるい(・・・)にかけているのと同様なのだ。


ここで、ファンタジー小説にこの理論を置き換える為には、もう一歩踏み込みが必要となる。実はこのプレイヤー管理情報量の理論はRPGの同ジャンル内においても有効なのだ。


ゲームの戦闘部分だけでなく、ストーリー、マップ、果てはユーザーインターフェースそう言ったそれぞれの要素に、この理論は当てはまる。良く売れているRPGはユーザー管理情報量が少ない傾向にある。ここから先は良いRPGを作る理論になるので割愛する。


それでは、ファンタジー小説のプレイヤー管理情報量とは何か、である。まずプレイヤーは読者、これは当たり前だ。それでは「読者に記憶、思考、計算などを求めるデータの量」とは何か?もうお気づきの方も多いと思うが、筆者が思うに「設定と登場人物」これに尽きると考える。


ファンタジー小説は世界観の設定が重要な要素を占める。そしてそれ(・・)を考えるのが好きな作者も多いと思う。しかし、いくら深く緻密な世界観を構築しようと、それを読者に理解してもらわなれば意味がない。ゲームも同様でいくら開発者が面白いと思っても、プレイヤーがそれを理解できなければなんの意味もない。


では、その情報量が少なければ少なくほど良いのか?それは否だ。ペラペラのザル設定のファンタジー小説が面白い訳がない。ゲームも同様でいくらシンプルにも限度がある。


実は、プレイヤー管理情報量の多さは、ある技術で軽減することができる。それは、チュートリアル(練習)からゲーム進行状況に合わせた「情報量の順次増加」である。つまり、情報を小出しにすることだ。


例えばファンタジー小説で作者が全部で100の設定と100人の登場人物を作ったとする。これがプロローグで50、一話目で30、二話目で20語られ、登場人物がでたらどうだろう?私ならプロローグでブラバ確定だ。


しかし悲しいかな、この小説家になろうのファンタジー小説ではこういった手合を良く見かけてしまう。気持ちは分かる。作者が手塩にかけて作った世界観、それを早く読者に届けたい。

そうだろう。


しかし、作者と読者では大きな隔たりがある。作者は全部知っているし、ほぼ記憶しているだろうし、手元にはキャラクターの設定資料もあるだろう。だが、読者には何もないのだ。全て白紙で一からである。


RPGでも全く同じことが言えて、上の文の作者を開発者、読者をプレイヤーに置き換えていただければ想像に固くないだろう。


つまりはファンタジー小説は世界観、ストーリーも当然良質である前提だが、いくらそれが良くてもプレイヤー管理情報量「読者に対する設定情報の提供の量とタイミング」の設定を間違うと、読まれない小説になってしまうと言える。


私がこのエッセイを書いた理由は、この「情報量の出し方」を失敗しているが為に、損をしているファンタジー小説をよく見かけるからである。多少タイトルと齟齬が発生しているのは容赦願いたい。


さて、思い当たるふしのある作者は、是非とも一度見直して欲しい。世界観、そして登場人物。この二つを「情報量」として考え、ストーリーの流れにそって、読者がしっかりと作者の創造した世界へと旅立てる手助けをしていただきたい。


プロローグでは世界観の基礎をできるだけ簡潔に、そしてオリジナルの固有名詞は極力少なく、馴染みのある覚え易いものにする。話の序盤はできるだけ主役級の人物登場と背景説明に止め、以外に登場人物が必要な場合は、モブキャラで賄うなどにする。

これだけでも、随分改善されると考える。


少なくともゲーム業界では、その理論にそった商品の方がよく売れている。序盤から少しづつプレイヤーをゲームに慣らせて、だんだんとできること(・・・・・)を増やしつつ、引き込んで行くのだ。ファンタジー小説が読まれることも、同様では無いであろうか?


さて、ここまでお読みいただいたファンタジー小説の作者様に一つ提案がある。


あべこべ小説書こうぜ!!

特にファンタジーなら損はしないぜ!!


「おまえ頭おかしいの?」の声が聞こえるようですな。


そう、実はこのタイトルは『ロールプレイングゲームとシミュレーションロールプレイングゲームにおけるプレイヤー管理情報量と売上関係、それをファンタジー小説に置き換えた場合の作品の善し悪しについて、理解できたらあべこべ小説書かない?』という超絶地雷エッセイである。


いや、もちろんメリットは提示する。

聞いて欲しい。


ブクマ、評価、感想、欲しくは無いだろうか?

ならば、聞いてくれ。


※あべこべ小説基本情報

いわゆる男女逆転モノ。最近の主流は貞操観念逆転、男女比率変換(女性が多い)がメインになっている。基本的には主人公(♂)によるハーレム無双の作風が多い。


それでは本題。

今、とにかくあべこべ小説は書き手が少ない。しかし、なろう裏情報での検索ワード「あべこべ」はかなりの上位に位置している。さらに言うと現在連載中で、かつ長期連載停止でない作品は余裕で50作品を切る。


控えめに言っても超がつくブルーオーシャンである。激戦のファンタジー分野で苦戦されている場合は是非ご検討いただきたい。


何故か、それは検索ワードに「あべこべ」があるだけで、実のところ連載初期は週間ユニークが1000~3000はくる。そのくらい検索される。日々あべこべの新着を検索している私が保証する。


さらに、そのユニークのうち3~5%はよほどの酷い内容でなければ問題無用でブクマするユーザーだ。その位に作品枯渇が深刻なジャンルなのだ。さらにその中でもファンタジーあべこべとなれば、もはやメタルスライム扱いである。


ここまで、言えばわかるだろう。


それでは、わかった興味わいた。んで、あべこべ小説ってなんぞ? と言っていただける心優しい作者様がおられたら、まずは筆者のマイペに飛んで、ブクマのあべこべフォルダの作品を読んでみて、どういうものか触れていただきたい。


ついでにラブコメでよければ、筆者もこっそり連載なんかしているのでよろしくどうぞ。感想欄ではいかにあべこべ読者が優しく、そして熱いかも見ていただけると思う。


ようこそ! あべこべの世界へ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 同士よ
[一言] 確かにあべこべは、案外成功率高そうですね。 それに正直主人公武力チート系のファンタジー作品って無双しすぎでドキドキしないかせっかくの武力チートなのにならず者や権力者の陰謀で追い詰められて目を…
[一言] 干將莫邪氏の感想のけるループ論(マンネリ)は同感。  夢野氏の感想はかなり的確な感じがしました。 ◆  個人的には、TSはダメ。ただし、入れ替わり系はアリ。  なんでかというと、TSは生…
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