提案
ラウルを追いかけよう、と私が決して朝食を食べた後、予期せぬ訪問者が現れた。
それはお忍びという形で私の屋敷を訪れた、
「ウィリー王子にキャンディまで、何で今日こんな朝早くに?」
「驚かせようと思ったのと、クリスティーヌ、君が知っていたこれから起こることについていくつか調べたところ当たっていたので、その話を君のご両親にお話ししておこうと思ってね。随分と機嫌が悪そうだったから」
そう指摘されて私は小さく呻いた。
確かにアレから両親は不機嫌だ。だが、
「でもそうすると婚約を再びって話になるわよ。それは困るわ。だって……」
「……あー、なるほど、クリスティーヌ嬢の好みは、あのラウルという人物だと」
「ち、ちがうの、そうじゃなくて……」
「大丈夫ですよ隠さなくても。我々の心の内に秘めておきます。もしクリスティーヌ嬢が、ラウルとの件についてもっと……動き出したいのであれば何時でも我々が手を貸しましょう。そうだろう、キャンディ」
「ええ、もちろんですわ」
そう話す王子とキャンディ。
親切なのは嬉しいし両親の問題もあるので私はとても助かる気はするのだけれど、ラウルへの恋心が私の中できちんとあるのか、そしてラウルが私の事を本当に好きでいてくれるのか。
「その辺りは信じてもよさそうよね」
ラウルが私の事を本当に好きだという事は事実の気がする。
では、私はどうなのだろう?
そう悩んでいるとそこで、ウィリーとキャンディにどうしたのと聞かれる。
でもこれは私自身が決めないといけない事なので、何でもないと答えつつ、そこでキャンディに、
「そういえばクリスティーヌは今日、何か予定でも?」
「……実は今日、ラウルが普段どうしているのかをこっそり追いかけようと思ったの」
「あら、面白そう。私達もご一緒してもよろしいですか?」
そうキャンディが楽しそうに提案してきたのだった。




