追跡
こうして初めてのラウルとのデートは終了して、その日は泥のように眠った私。
やはりあの展開も結構堪えたのだと思う。
「うう、婚約破棄を頼んだのは事実だけれどあれはおかしいと思う」
私は布団の中で呻いた。
まさかあのようなお断りの仕方をされていたとは思わなかった。
同時に、それくらいラウルが私の事を……うう。
再び小さく呻いた私。
実際に昨日は沢山の出来事があったのだ。
劇でホラーを選んだ想像以上に怖くて、ラウルが怖がらないどころか私が怖い目に遭ったり、服を見に行ったら件の王子様方に会ったり。
確かにいろいろな出来事が機能はありすぎた。
「それは確かに疲れるわね。よし、今日はゆっくりしよう」
そう私は決めた。
決めてみたものの……何となく変な感じがする。
感覚的には私の穏やかな休日が破られるようなそんな感覚。
どうしようかと考えた私は、真剣考えてみたが、
「どうしようもないわね。そのとき考えましょう。そして朝食を食べてから……ラウルと少しお話ししてみようかな」
家ではあまり話していた記憶が……思い出すとよく出会って、話していたような気もする。
けれど当たり障りのない話ばかりだった。
それならばもう少し、ゆっくりとお話を聞くのもいいかも。
ラウルの仕事ぶりも見てみたいし。
「よし、今日は家の中でラウルの行動を追いかけてみよう! それも気づかれないように!」
こうして私の今日一日の予定が決まる。
そして朝食後、私はラウルの居場所を聞いてから……こっそりと追いかけようとした、はずだった。




