本日のデート終了
こうして私は、ラウルの束縛を感じ取った。
そこまで私が好きなのかと思いつつも、
「もう少し自由にさせてくれてもいいと思うのに」
「現在我慢をしてデートをしている私には、少し酷いのでは?」
「でも他の男が寄ってこないようにといった内容や、他の男と組み合わせるのが嫌と言うのはやりすぎじゃない?」
「……クリスティーヌは魅力的なので、誰かに奪われてしまうのではといつも私は気が気ではないのです」
「私、そこまで殿方にモテたかしら」
ラウルの言葉に私は疑問が浮かぶ。
今まで私は舞踏会に出たりしていたがそこまで男性型から引っ張りだこだっただろうか?
むしろ友人たちの方が人気があった気がする。
そういえば風邪をひいてしばらく会っていないが、彼女達はどうしているだろうか?
彼女達に聞けばもしかしたならその理由は分かるだろうか? と私が考えていると……ラウルに、苦笑された。
「クリスティーヌ、貴方は何時、あのウィリー王子と婚約したのか覚えていませんか?」
「婚約……婚約……そういえば結構遅かったわね。確か王家の方でちょっとしたごたごたがあって、決まらなかったはず」
「ええ、そして決まった婚約。そんなクリスティーヌ相手に声をかけて一緒に踊ろうとする者は、いないでしょうね。気を使っていますから」
そう言われてしまった私は小さく呻く。
確かにそういった状況だから私に手出しをしてくる人達がいなかったのだろう。
そして婚約破棄されたならば、機会があると考える男性も出てくるかもしれない、と。
私は頭が痛くなりつつも、こうして、色々な意味でラウルを知った本日のデートは終了したのだった。




