表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/52

恋人同士が多い

 劇場の入場券を購入する窓口は、未だに混んでいた。

 人気のホラー劇であるらしく、そして、何故か恋人同士のような男女が多い。

 そして、おどろおどろしいお化けのような絵の描かれた入場券を手に入れた私達は、劇場の中へ。


 この劇場は古いため、何処か薄汚れたような雰囲気ではある。

 それでも処何処にともされた魔法の明かりが途切れることはなく、必要な部分の設備は整えられているようだった。

 こういった劇場内の明かりは全て魔法で賄われている。


 私の元いた世界との違いだ。

 この世界には魔法はそこそこ浸透している。

 そうはいっても一つの都市を破壊するような凶悪な魔法を使えるものは早々にいないし、準備にも時間がかかるらしい。


 だからその前に気付かれて、事前にそう言った悲劇は食い止められるという。

 そういった悲劇を食い止めたことも、今の私のご先祖様にはいたらしい。

 こっそりとあれから、ラウルが私に教えてくれた。


 自分の親族の過去くらいは教えて欲しいと思ったのだが、そういった能力があると聞いていて、けれど発言せずに貴方の両親はその昔痛い目に遭ったのですよ、とラウルに言われてしまえばそれ以上は文句は言えない。

 と、そういった話をしながら席に向かうと、やはり周りは男女のカップルばかりのように見える。


「どうして恋人同士でこんな劇を見に来るのかしら」

「恋人同士だからでしょう。私ももし知っていたなら、下心がありますからここを選ぶでしょうね」

「? どういう事かしら」


 分からないでそう問いかけるとラウルは小さく笑い、


「怖がった恋人が抱きついてくれないか、という期待ですよ。当然私にもありますよ、クリスティーヌ」


 楽しそうなラウルに私は、ここを選んだ私は、自分で墓穴を掘ったのでは、という気がしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ