季節は桜の頃
久しぶりの投稿 ^ ^
産みの苦しみを体験しました!
そこは西東京市に近い横浜の町。
ある尋常小学校。
今年は新1年生が 37名入学した。
校庭の桜の木の下に、教室から持ち出した椅子と木のみかん箱を用いて作った写真撮影用の台座。
入学式の日から数日たった今日、天気も良く桜の花びらも程よく開いたので、記念撮影が行われた。
児童たちの顔も入学式の日と比べると、幾分緊張がほどけている。
カメラの中には、新1年生37名と、前列の真ん中に クラスの担任、そして校長先生。後列の左端にはマユが収まっている。中二つの列には ちらほら女子児童も混じるが、男子児童の方が圧倒的に多い。
彼らのいで立ちは、着物に草履、下駄がほとんどだが、中には Yシャツに半ズボン、ワンピース姿の女の子もいる。
男の先生は、みんな白のYシャツに濃紺のズボン姿だ。行事のある時はネクタイをし、背広を着る。女の先生はまだ和服がほとんだ。
明治維新を経て、大正のこの時代、西洋の文化が日本に入ってきて、世の中には自由民権運動が広まり、思想、着る物、音楽など どんどん新しい物を取り入れようとする上向きの風が吹いている。
尋常小学校は、義務教育と定められ、男の子も女の子も 数えで7歳になる年に尋常小学校に入学し6年間通うことが法律で決まり 施行されたのであった。
この学校は各学年1クラスづつあり、学校全部で6クラスある。
マユは2年前からこの学校で体操の教師として働いている。当時この学校で 体操の先生を探すにあたり、何がどうしてどうなってマユに白羽の矢が当たったのか、本人もよく分からなかった。ただ、請われてこの学校で体操の授業を中心に教えることになった。また、他の先生が休んだ際の代理の授業などもマユは受け持っている。
マユの他に女性の職員というと、今年前任者が出産で辞した為 新しく採用された裁縫の先生と、音楽の先生、保健室担当の先生、事務の補佐をしている女性になる。
「では、みなさん 笑って! にっこり、そう そのまま・・・じっとしていて・・・まだ まだ まだ・・・」と、髭を生やした写真屋。
「ぷーーーっ!」
「くすっ!」「ブハッ!」
「はい、イイですよ、お疲れさま!」
「誰だー プーーーっと言ったのは!」と担任の山田先生が真っ赤になって叫んだ。
「キャーー」とみんなは校庭に散らばって行った。
「いいじゃないですか⁉ 場が明るくなって」とマユ。
「規律を乱す者は もっての他だ!」と口でいいつつ山田先生の眉毛は八の字になっていた。