勃発!?勧誘戦争!!ー前夜ー
桜吹雪舞う大学のメインストリート、その両脇に白いテントが立ち並び二年生以降の生徒たちが色とりどりの装飾や仮装をして 自分の参加するサークルへの勧誘を行っている。
あるサークルは新入生のまだ垢抜けない少女を勧誘し私物にしようとする下心のため。
あるサークルは部員の減少による、サークル消滅を防ぐためにとにかく入部させるため。
4月の上旬、約一週間に渡る勧誘戦争がメインストリートで勃発することとなる。一つは欲望のため、一つは保身のため。どちらにせよここでの頑張りがこれから一年のモチベーションを左右し、同時にやや強制的に新入生のキャンパスライフを決定付ける。
当然のごとく、我ら『学園祭運営委員』も参加することとなる。
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総勢四六名の委員が立ち並ぶ前で委員長である後藤が勧誘活動に関する説明を始める。
「作戦は簡単だ、俺らはこの学校内でも人数が多い団体だ!!つまり、片っ端からさらえ!!そんでもって新歓コンパの参加名簿に名前と連絡先を記入させろ!!それだけだ!!」
ザックリと単純明快な説明に委員は誰も意見をしない、なぜならここにいる委員のほとんどは去年のこの時期、同じような勧誘にあい参加することになったからだ。
「じゃあ解散!!明日からの勧誘検討を祈る!!」
幹部による注意事項と集合時間についての説明が終わり委員長の号令により本日の活動は終了した。




