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プロローグ
桜のピンクに若葉の緑色が混ざり始めた四月末、田舎から離れた生活も二年目になって、大学の構内はまだ見慣れない顔の新入生とよくすれ違う。
そんな、まだ高校を出たばかりの若さを放つ後輩たちとは反対の方向、校舎とは少しだけ離れた部室棟へ僕は歩いていた。まだサークルや部活への入部が決まっていない新入生はまだこちらの方面にはまず向かわない。
体育館の横に建てられ日当たりが悪い三階建の部室棟、その二階の端に六部屋ほどの部室を占拠して僕の在籍する『学園祭運営委員』は存在している。
この物語はこの『学園祭運営委員』で起こる様々な事件と人間模様の記録だ。