表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/38

ボトル

本日19時この話を投稿した10分後に参考画像を載せた物を投稿いたします。そちらを参考に登場したお酒等のイメージを掴んで下さい。

 システムのリーズナブルな値段設定でポンっとブランド物のスーツを、まだ仕事も始めていない新人に買えるのか?と言う疑問も、シャンパンの値段設定を見て、また小林恭二さんから具体例を挙げて貰っての説明で、このホストと言う仕事には無限の可能性がある。俺も夢見たイタリアの猛牛のハンドルを手に持つ事も不可能では無いかも知れない。そう感じて全身に震えが走った。


 そうして、将来を夢見ている若手ホストの俺の事を、どこか微笑ましい顔で見つめている小林さんは、俺の興奮が一段落したのを見計らい。次に俺に教えるべき事を話し始めた。


 「それじゃ東堂君、次のお勉強に移ろうね。次はシャンパンに並んでホスト達の売り上げに大きく貢献してくれる【ボトルキープ】についてのお勉強だ。東堂君は居酒屋で働いていたね?その居酒屋にもボトルキープのシステムはあった?」


 と聞かれた俺は。


 「はい。ありました。日本酒や焼酎やウイスキー、ブランデー何かをボトルで頼まれたお客さん相手に、半年間のボトルキープが可能でした。」


 そう答えると。小林さんは「それならシステム自体の意味は理解しているね。」と前置きを言った後に。


 「東堂君は、ウチに置いているボトルキープが出来るお酒や飲み物の種類と値段を覚えるだけで、大丈夫そうだね。後、ついでに【缶もの】【割り物】の値段も教えておくね。それとウチと言うかまぁ、この街にあるホストクラブの殆どでボトルキープの期間は3ヶ月前後のお店が多いから、ウチも3ヶ月だしね。これにもちゃんとした理由があるんだけど、どうかな?東堂君何故ボトルキープが居酒屋さんとかに比べて期間が短いのか分かるかな?」


 そう聞かれた俺は、頭の中で色々と理由を考えたのちに1つの答えに辿り着いた。自信があった訳でも無いので「違うよ」と言われる事も覚悟で、自分なりに考えて出した答えを、小林さんに言ってみた。


 「期間が短いのは、まだ勉強してないですけど……さっきのシャンパンの値段から考えて、ボトルキープ出来る物の値段もそれなりに高額で、姫様に期間が切れる前にお店に来ないと高額を払った事が【損】になると思わせて、お店に来て貰う為?」


 と答えると。小林さんはいきなり手を大きく叩き鳴らしながら。


 「すごいね!東堂君!100点満点の解答だよ。正にその通り!1分の補足も必要の無い解答だよ。」


 そう言って俺の出した答えがほぼ正解だと言ってくれた。そして正解と言われ少しだけ自信を持った俺は、小林さんからの指示で今度はボトルキープの種類と値段の書かれているページへとクリアホルダーを捲った。


 【CLUB EDEN】ボトルキープ種類・価格表


※焼酎

・鏡月 ¥10.000


※ウイスキー

・ローヤル12年 ¥15.000

・山崎12年 ¥20.000


※ブランデー Hennessy(ヘネシー)

・ヘネシーVSOP ¥50.000

・ヘネシーXO ¥300.000

・リシャール ¥3.500.000(飾りボトル)


※ブランデー CAMUS(カミュ)

・CAMUSブック ¥400.000(飾りボトル)

・CAMUSジュビリー ¥1.000.000(飾りボトル)

・CAMUSトラディション ¥1.500.000(飾りボトル)


※ブランデー RemyMartin(レミーマルタン)

・ルイ13世 ¥2.000.000(飾りボトル)


※ブランデー フレンチXO

・ドルフィンデキャンタ ¥300.000(飾りボトル)

・テディデキャンタ ¥300.000(飾りボトル)


※コニャック

・ラーセン ¥300.000(飾りボトル)

・ペルフェクション ¥40.000.000(飾りボトル)


※リキュール

・シンデレラシュー ¥30.000(飾りボトル)


【CLUB EDEN】割り物 缶もの その他価格表

・割り物 ミネラルウォーター(500ml) ¥1.000 

・割り物 (ピッチャー)一律 ¥2.000

・缶もの(ほろよい ビール)一律 ¥2.000

・ソフトドリンク(ピッチャー)一律 ¥2.000


 俺はそのボトルキープの価格を上から下まで食い入るように何度も確認した後に。しばし呆然とした。

あまりに高額な値段が羅列されていたからだ。

1番安い焼酎でさえ、居酒屋の5倍の値段が付けられていた。


 「こ……小林さんこれ……100万とか1番高いの4千万って……」


 そう言って言葉を失っている俺に向けて小林さんは。


 「ウチは他のホストクラブよりも高級志向だから少し値段も高く設定されているね。でも、まぁちょっと高い。ぐらいの事でホストクラブならどこも似たり寄ったりの価格だよ。それに高価なお酒はそれだけ希少価値も高いお酒だから。その1番高い4千万のお酒も世界で確か……1200本ぐらいしか無いはずだよ。まぁウチのお店にその内の3本もあるんだけどね。」


 と、何事でも無いかの様に笑いながら説明された。


 何度か深呼吸をして気持ちを落ち着けた俺は、小林さんから「何か質問はあるかな?」の問い掛けに。


 「小林さん。この飾りボトルって書いてあるのは何ですか?」


 と疑問をぶつけると。小林さんは。


 「あ〜飾りボトルね。ちょっと待ってて、後東堂君に知っといて欲しい物も一緒に持ってくるから。」


 そう言って席を立ち、カウンターに向かって歩いて行った。俺はそれを見送った後また価格表に目を落とし、知っているお酒の名前もちらほらとあるが、大半のお酒が名前すら知らないお酒だと言う事に気付く。


 「お待たせ東堂君。はいこれが飾りボトル。これはその中で【シンデレラシュー】って名前のお酒。」


 そう言って小林さんは手に1本のお酒の入ったボトルをテーブルの上に置いた。そのボトルは女性がよく履いているハイヒールと呼ばれる靴そっくりの形の容器に入れられたお酒だった。


 「こんな感じでさ、お酒のボトルが普通のビンじゃなく可愛かったりお洒落だったりしているお酒の事を業界用語で【飾りボトル】って言うんだよ。もちろん中身のお酒を飲んだりも出来るけど、メインとしての使い方は、要は【見せびらかし】だね。テーブルの目立つ場所に並べて、他のお客さま達に向け。【私はこれだけ担当にお金を使ってるのよ】と自慢する為の物だね。だから見栄えが良くしてあるんだよ。」


 「後はこの靴だけじゃなく、その価格表に書いてある物でイメージが付きやすい物だと……本の形をしている【ブック】とか、イルカやくまさんの形している【ドルフィン】や【テディ】後は帆船の形してる【ラーセン】何かが知らない人が見ても変わった形のお酒。と認識するだろうね。後の飾りボトルはホストクラブに通い慣れてるお客さまとかしか見て価値は分からないかもね。」


 と説明してくれた。俺はその説明を聞きながら。なるほど「女性は意外と見栄っ張りだったり、競争が好きだったりする面もあったな。」と納得する。そして、もう1つだけボトルの価格等に比べたら些細な事だとは思うが、居酒屋のメニューには載っている、とある物の値段が書かれていない事を小林さんに質問した。


 「小林さん。これ【氷】の値段が載ってませんけど?」


 そう言うと、小林さんは少し「うん?だから?」と言いたげな表情を浮かべた後すぐに。


 「あ〜あ〜氷ね。氷は無料なんだよ。」


 と俺の疑問の答えを教えてくれた。


 そしてボトルキープの価格表とその他の価格が載っている資料をメモに書き写していると小林さんから。


 「東堂君。ちょっとだけ手を止めてくれるかな?多分居酒屋さんでも同じ事してたと思うけど、お客さまが何かお酒をキープされたら、この【キープタグ】にお客さまの名前か愛称と担当しているホストの名前の2つを必ず東堂君が書いて、ボトルに掛けておいてね。」


 とキレイな金メッキされた金属のチェーンのキープタグを指で摘み、俺の前に差し出した。そのキープタグと言う物自体の存在は、居酒屋でも行なっていたので、当然知ってはいたが居酒屋のソレとは違い綺羅びやかで遥かにキラキラと輝く物だった。


 「それじゃ今日のお勉強会はこの辺で、そろそろ外販に行ってる誠君達も帰ってくる時間だし、掃除組じゃ無いホストや他の内勤さん達も出勤してくる時間が近いから。明日は、東堂君にも直接関係してくるお給料の話や、お店に遊びに来たお客さま達のお店での流れ、後は簡単な接客方法なんかを教えるからね。」


 そう言って小林さんは、テーブルの上に置いてある物を手に取り席を立ってカウンターの方へ歩いて行く。俺は慌てて席を立ち。


 「あっ!俺が持ちます。」


 と小林さんに声を掛けると小林さんからは「気にしなくていいよ、これは僕たち内勤の仕事だしね。」と言い。歩いて行った。

ポイント入れてくれると泣いて喜ぶのじゃ。笑

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ