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祇園精舎の鐘の声

「皇帝陛下、お誕生日おめでとうございます。ご健勝で何よりです。」


「うむ、そなたも元気そうで何よりだ。此度の継承の儀でも、最期まで皇太子としての努めをしっかりとはたせ。」

厳かな雰囲気を身に纏い、他を寄せつけぬ圧力の中に親類に対するわずかな気安さをはらんだ声で答えるのは、唯一無二の皇帝であり、我が父であるフレデリク・フォン・イリアス・ズールである。

皇帝陛下のことを父と呼び、皇太子と呼ばれていることから分かるように、私は陛下の第一子であり第十五代イリアス帝国皇帝の跡目を継承する皇太子としてこの世に生を受けた皇子だ。


 正式には今日父が帝位を継承するためまだ皇太子ではないのだが数年前から先代が体調を壊して、父が実質的な皇帝の役目をこなしてきたため、皇太子として扱われていた。

「もちろんでございます、本日は陛下の威厳を目に焼き付けたく思っております。」

「はっはっ、息子にそこまで言われたら醜態を晒すわけにはいかんな。そうだろうステラゴーよ。」

父上は上機嫌に笑いながら自身の後方に控える宰相ステラゴーに問いかける。


「誠に、アドランド様は齢十五とは思えぬ落ち着きと態度でありますね。」腹に一物も二物もかかえていそうな見た目の宰相が応える。


 この宰相は傑物である、先代までで失ってしまった多大な財源に悩まされながらも、他国との軍事力の差を詰めることができている。特に軍事において我々の虎の子の魔法師団を再編成し、圧倒的な実力集団に仕上げて見せた。


「では、私はこれにて失礼致します。」あまりここに長居をしてもいられないので父上からの許可をいただいて皇帝の間を下がった。 


廊下を歩みながら今日することについて私は物思いにふける。


今、城下では我が国の栄光と発展を願い祭りが開かれている、皇帝の息子であり皇太子になるということは民のために尽くし帝国をこの世で最も強大な国とするために一生を捧げるということだ。民から失った、し

「あにうえー」

小さな子が勢いよく私に飛びこんできた。


「エル、ダメでしょ、それじゃ全然淑女らしくないわよ。ご機嫌ようお兄様」

その言葉を聞いて私に抱きついていたエルが私から離れて辿々しくスカートをつまみ

「ご機嫌ようおにいさま」と可愛らしく挨拶をする。


「ああ、二人とも元気そうだな」

この二人は陛下の二十五の子供の中でも私と同じ母を持つニ人だ、エルは3歳でまだまだ幼いが、背伸びしてお姉さんぶるお年頃だ、対してカレンは8つになるためかお姉さんらしくなり、エルの面倒を良く見ている、二人とも黒髪赤目であり、陛下の金髪碧目とは違い母の形質を継いだ、陛下には十二の男児と十三の女児がいる、つまり私が生まれてからわずか十五年余りで二十四人もの子供を授かった。 


「きょうは、ちちうえさまとおにいさまの、こうていにおなりになるです、おめでとうございますです」


 私の妹はすごいな、とても頭が良いようだ

私は思わずエルを抱き上げ優しく抱きしめた

「おにいさま、しゅくじょをいきなりもちあげたらめっですよ」頬を膨らませ指でバツをつくって私を叱るその姿がまた可愛くてやはり私の妹こそが世界一可愛いのではないかと思える。


「ふふ、エルはお兄様よりしっかりとしているわね」カレンが思わず口を緩めて微笑む


やっぱり俺の妹両方かわいい

妹の前では私の語彙力も失われてしまう。


「そんなこと言わないでくれ、私は今日皇太子になるのだからしっかりとしないといけないからな」


「ええ、お兄様。お兄様の皇太子着任嬉しく思いますわ。今日はお兄様とお父様のかっこいい所をしっかりとこの目に焼き付けさせていただきますわ。」




――数時間後

パーパラパーパパパパーパラパー

皇家の楽華隊による演奏を持って皇帝の帝位継承の儀の始まりが知らされた

片膝をつき、敬礼の姿勢を取る父に現フレング教聖王リチャード・デメデロス18世が王冠を授ける

父上はゆっくりと立ち上がり、見るものを圧倒するような覇気をその身に纏い宣誓をする。


「余は3代続いた悪王とは違い国民のために尽くし、身命を賭してこの国を発展させることを誓う、我が父王は残虐のかぎりを尽くし守るべき民を傷つけ、道楽のかぎりを行なった、これは皇家の消えざる罪であり、晴らすべき悪である。――」


父上による宣誓は多くの民衆が惹きつけられてはいるが、民の不安はそう簡単に払えるものではないのだろう。多くは不安気な表情を浮かべ、期待の眼差しを向けるものこそ少数である。


父上が悪王と呼んだ過去3代の皇帝たちは、己が欲望のままに残虐の限りを尽くした。そのような代が三度も連続で位についたために帝国は過去に類を見ない程に疲弊しており、地方では重税と酷い干魃も相待って治安が悪化し、明日の生死すら油断出来ずに生まれた子も育てられないために捨てられる事態も頻出している。故に父上に向けられる視線は懐疑的であり恐れを多く含んでいるのだ。


「……民からしたらわからないものだからな」私は普段からあの人の仕事ぶりも人柄も分かっているから、皇帝にこれ以上ないというほど適していると分かるが。分からないものほど怖いものはない。


「以上が余の誓いである。」力強い言葉で発せられた誓いの言葉


――しかし、それは届かなかったとすぐに我々は知ることになる


「…………である。」

父上の演説が終わり、一時の間の休息に入る。自室に戻るため専属の使用人に声をかける


「チャート戻るぞ」チャートは乳兄弟であり、幼き頃より共にいたため非常に気心の知れた中である


「了解しました、では戻りましょう」チャートは笑顔を浮かべ私の言葉に頷き、私の背後からついてくる。

装飾の伴われた豪奢な赤い絨毯の上を歩んでいると普段宮殿内で見かけることのないものを見つけたため、声をかける


「アゼル、お前が宮殿内にいるのは珍しいな、何か用事があるのか?」

アゼルは庭師の子であり、庭師見習いとして宮殿の庭園を管理してしいるものだ、私と同じ15歳であり、普段は優し気な顔立ちをしているが、庭に植える植物を選んでいる時や手入れをしている時に放つ鋭い眼光はどこか惹きつけるられるものがある、髪は鮮やかな金髪であり、眼の色は鮮やかな紫苑色に染まっているが、普段は土弄りをしているため髪は土をかぶっていて、その輝きはあまりみられない。


「これは殿下、本日もご健勝そうでなりよりです、用事と言いますか、宮殿で働いているものは今日は中に入ってこの後の舞踏会などの準備がありますので今日は使用人の方々の手伝いをしておりました。」

何とも言えぬ気品のようなものを放つアゼルは、とても庭師の息子とは思えないなという感想を抱く。


「そうか、励め。しかし、いつ見てもいい容姿をしているなお前は」


「勿体ないお言葉です。殿下の光沢のある黒髪は他を寄せ付けないほど美しく、言葉では言い尽くせないほどです。個人的な事ですが殿下と同じ色の瞳を持っていることが私の誇りなのです。」 


アゼルは頬を赤らめ、目を輝かせながら本心からであろう言葉を私に述べる。本心からの褒め言葉は言われ尽くしていても感じるところは多く嬉しく思う。


「そうか、嬉しいよ、手伝いしっかりと果たしてくれよ、今日はとても大切な日であるからな」


そう言ってその場を私はチャートと共に離れ部屋へともどる。


―――どうやら眠りに落ちていたらしい、まだ終わっていないがとりあえず一つ目が順調に進み、気が抜けてしまったか……

くどい様だが今日はこの国にとって大切な日だ

それは単に新皇帝が誕生するからでも、私が皇太子につくからでもない。

この国が三大大国のひとつとして存続していけるか、つまり国の威厳がかかっている。今日来る二つの大国、リクイ王国とシント連合国の大使にまだ我々は三大大国のひとつであるとわからせなければならない。近年の悪帝の影響で国力は落ち、小競り合いで土地を荒らされ、他国への影響力も下がりつつある今、この時に証明して見せなければならないのだ。その意味では父上の演説は今回の皇帝が愚物ではないと知らしめることができた。

しかし、真に大切なのは私の存在だ、父上が愚物でなくとも私が愚物なら他国からしたら御しやすく、私を狙った策を弄してくるのは自明のことだ。


「……失敗は許されない、私が次期皇帝だ、大丈夫、大丈夫……」声は震える、脈ははやくなる、怖いこんなにも怖いのか国を背負うということは。


焦る気持ちをどうにか鎮めるために部屋に立てかけている剣に手を伸ばし、素振りを始める。

剣を握ると自然と心が落ち着き始める、教養のためにはじめさせられた剣術はいつしか心のよりどころになっていた。


―――


「ふー、あっしまった。汗をかいてしまった。」

心を落ち着けることに無我夢中になって滝のような汗を流してしまった。


「流石に風呂に入らなければならないな、そういえば今、何時であろうか」

寝たり、考えたりして多くの時間を消費してしまっているのはまず間違いない、果たして風呂に入る時間はあるかな?

……ん?気のせいかな?準備を開始しないと間に合わない時間に見える


「……なぜ誰も呼びにこない。」

もしもほんとうにこの時刻ならば従者たちが来て、準備の手伝いに来るはずだ、なのにこない、つまり時計が壊れているということだろう。そういうことにしとこう


いや、本当に誰もこないな。現実逃避を初めても誰も来ない。おかしな話である。


私は扉まで歩いて行き扉に手をかけあげようとする……その時扉が向こうから開いた。


「御命頂戴する。」その言葉とともに甲冑をつけた騎士が剣を振りかぶる、私はあまりの衝撃に反応がうまく出来なかった。反応できた部位は咄嗟にさがる。

「っ、」反応しきれずに右肩を切られる

男は息を整え、こちらを睨みつけている。


「刺客か!どこの手のものだ!」声を荒げ、眼前の男に問う。しかし、男はこちらの問いに答えようともせずに再び剣を振り上げてくる。

避ける、さがる、避ける、上手く避けつつ目的のものがあるところまで逃避する。


「誰かは知らんが剣を向けてきた以上殺される覚悟はあるのだろ」拾った片手剣を正眼に構え、敵を見据える。俺をすぐにうてなかったためだろう、その表情には焦りと苛立ちが見える。


互いに構えをとって、見合う。


「クソが、大人しく死んでくれたらこっちだって楽に仕事ができたのによ!」


その言葉と同時に突っ込んできて、俺の間合いに潜り込んできながら逆袈裟斬りをしかける、咄嗟に剣を縦にして防ぐが……


「ぐっ、重い」

耐えきれずに飛ばされる。立ちあがろうとするとすでに寄せられ、首元に剣を立てられる。


「何者だ、結局何が目的なんだ!俺の首か?それとも……」

突きつけられた剣を掴み、右手を床に突いて、少し身をあげる


「はっ、冥土の土産に教えてやる。

――国だよ。この国を奪いにきた」男は俺の目をしっかりと見つめながら答える


「く、国だと!一体どこの手のものだ。リクイか、シントかはたまたそれ以外か、」男の言葉は予想を超えていた。個人の暗殺が目標ではなく、この国の乗っ取りが目的であるという。

「ち、父上は!兄弟たちをどうした!」これまでにないほど声を荒げ男を睨みつける。


「死んだよ、ほとんどな。生き残った残りもじきに殺されるさ、すでにこの王都は我々に包囲されている。ネズミ一匹逃しはしないさ。」


男は不敵な笑みを浮かべ、剣を握る手に力を入れ、押し込む


「ぐっ、うっ、あぁああ、だ誰の手によるもだぁぁ」腹部に剣を刺される痛みにこたえながらも問う。


「それを知って何になる。お前はここで死に我らが君が王となる。お前ら皇族は、地方がどれほどの犠牲を出しているのか考えたこともないだろ、見ているのは手元に入ってくる数字だけ、だが、あの方は我々一人一人に寄り添い悪政に苦しむ我らを御救いくださった。お前らは民の怒りをその身に刻んで死ね」

男の剣を握る力がさらに増していく。


「……っく」


目の前の男が凍りついていき、僅か一瞬の間で氷が全身を覆った。氷を解かれる前に素早く立ち上がって敵に斬りつける。

簡単なトリックだが、相手に魔法を発動させたことを悟られないように歯向かうために身体を起こしたフリをして床に手をつく、相手の意識を私との会話に集中させて床を通して氷魔法を発動させて、準備を整わせてなるべく相手から情報を引き出して凍らせる。


「はぁはぁ、治癒のポーションどこだ?」

私は立ち上がって刺された箇所を抑えながらポーションを探す。確か、ベット脇の棚に閉まられていたはずだ。

……あった、それを一息に飲むと苦みが口全体に広がる、苦味に耐え腹部を見ると傷が塞がっている。

適当なものを皮袋に詰め、剣を腰に下げるとドアの前に立ち、少し開いて様子をうかがう。目の前には血に染められた床と幾人かの使用人の死体が転がっていた――



「酷いな……」眼前に広がる死体、逃げようとしたためか背中を切られているもの、立ち向かおうとしたのか胸部を斜めに切られているもの、多種多様な死が蔓延っていた。

死体の他には何もなく、あの男が一人でやったと思われる。

「宮殿にはどれだけ侵入されているんだ、生き残りはいるのか、敵の規模は。」

ぼやいたところで答えてくれる相手もいない。あの男の口ぶりでは単独による侵入とは思えなかった。

おそらくは軍程度の人数を率いて帝都を包囲し、精鋭でもって宮殿を襲撃したと考えるのが妥当か……


タッタッタッタッ

「っ、」階段をかけ登ってくる音が聞こえる。咄嗟に向かいの部屋に入り、息を殺す。


「うわー、ひっどいなぁ。アルマークさーんどこですかー。流石にやりすぎですよ。皇族以外はなるべく手を出すなって言われたじゃないですかー」


廊下を歩きながら誰かを探して声を出している、アルマークというのはさっきの男の名だろうか。この状況は非常にまずいな…アルマークとやらが殺されているのに気づけば人が呼ばれるだろう。


ガチャッ

扉を開く音が部屋中に響く、

「うおっ、たおれてらぁ。アルマークさーん死んだフリいらないっすよ。」


今しか無い。あの軽薄そうな言動をしている男がアルマークの死体に気を取られている間に――

すぐさま扉を開け、飛び出す。しかし、待ち受けていたのは長い廊下ではなく声の主だった。


「なっ!」想定外の出来事に思わず声が漏れる。


「バレバレっすよ、ところであんたがあの人やっちゃったんすか?身なりからして王太子殿下かな。まあ、今誰でもいいんすけどあの人殺したんだ、絶対に許さねぇ」

軽薄そうな言動から語尾の強さがまし、高圧的な言葉を発する


「革命なんてどうでもいいけど、あの人をやりやがったことだけは見逃せない」

男は剣を抜くと同時に剣に火を纏わせる、振りかぶって俺の頭を狙ってくるが、こちらは、剣にに水を纏わせて防ぎ、剣を弾く、相手は飛びのいて下がる。

………………こない、二手目を打ってこようという意思が見られない、ならばこちらから!

水を纏わせ、横凪に振るう。弾かれる、上段から振るう、弾かれる、弾かれるたびに水が飛び散る、何度も何度も繰り返す、一撃も返せずに体力だけが奪われる。


「弱い、弱すぎるよ。あの人を倒すためにどんな卑怯な手を使った、魔法の使い方も剣の熟練度もあまりに稚拙だ。君なんかが本当にアルマークさんをやったの?」

男は興味を失ったかのように目から光が消え、機械的に動き出した。


強い、強すぎる!!帝国最強の近衛騎士よりも遥かに強い、まるで歯が立たない。

魔法の操作と剣の操作を一切のラグなく、スムーズに行う、ここまでの精度をもったやつははじめてだ。

剣速がはやすぎて防ぐこともままならず剣の動きに合わせて放たれる魔法は対処のしようがない、身をよじり、体制を崩しながら、避ける、崩れたところを逃さずに詰めてくる。

避けきれなかった傷が身体中にどんどん刻まれていく。

だめだ、相手にすらならない。それにこれ以上時間をかけたら、敵が集まってしまう……

一瞬でも動きを止めないと。

アイデアを求めて周囲の状況を窺う、

死体の群れと飛び散った水と血に染まった絨毯がある。これしか無いか、策を考え実行する機会を狙う、なかなか隙が生まれない――

一か八か振り下される剣に合わせて、思いっきり振り上げる。相手の体制が崩れる、

「――凍れ!」彼の周りにある血と飛び散った水を凍らせ足を凍らせ、走り出す、おそらくすぐに壊される。

「こんなんで、足止めできると思わないでほしいっす」男は火の魔法を足元に打ち込み氷を溶かし追いかける仕草をみせる。 


――パリーン


風魔法の補助で勢いをつけて窓から飛びだす。5階からの決死のジャンプ、着地の瞬間に風を起こして減速するが、背中から落ちる。

「いって、強すぎるだろほんとに」痛みに耐えながら、起き上がって走り出す。

……服をどうにかする必要があるな、今は皇族としてそれなりのものを着ている。故に敵にばれやすい。

すぐに宮殿の庭のある場所に向かって駆け出す。


――すぐにそこについた、そこは小屋のような小さな建物であり、我が家の庭師の住み込み用の家である。家の前に立って、聞き耳を立て中に人がいないか確認する。


…………何も聞こえないな、おそらく中に誰もいないのだろう。


ガチャリ

ドアを開け中に入る、クローゼットからアゼルの服を取り出し、着替える

「同じぐらいの背格好で助かった、この恩はいつかかえそう。」本人はいないがそう誓いを立てる。


ともあれ、革命の規模も家族の安否もわからない今、どう行動を取るのが正解だろうか、あまり手間取っていると先ほどのような手練れが差し向けられないとも言えない。ここは一度ここを出て、帝都に潜るとするか……

問題はどうやって宮殿から逃げるかだが……非常事態のために用意されている通路があるにはある、しかし全て宮殿内で庭には一つもない、今更戻るのは危険すぎる。困ったものだ 

……よし!正面から出るか!!

さっきの男(軽薄野郎)も皇族以外には手を出すなと言われているようだったし、ここは一つ芝居でも打ってみようか


――門の前

「おい、貴様止まれ!何者だ!」鎧を纏った男が叫ぶ


「わ、わたしは使用人見習いをしておりましたシェフリアンと言います。あなたがたのお味方と思われる男性から、皇族に暴力を振るわれているタイミングで助けていただいて逃がしていただきました。」

声を震わせ、救いの神を見るかのような眼差しを門の前に立つ男にむける。


「そうか、それは辛かったな……と言いたいがその君を助けてくれた男はどんな男だ?答えて貰おうか」疑い深い視線をむけられる、これは想定の範囲内であるためあらかじめ用意しておいた軽薄男の特徴を告げる、すると相手は頷き、私の頭を撫で辛かったなと微笑みかけ門を通してくれる。

私はありがとうございますと告げ、城下に向けて走り出した。


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