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初動

                  ------1日目昼--------


システム:これからプレイヤー全員へ役職を振り分けます。役職を振り分け終わった瞬間プレイヤーはランダムテレポートされ、プレイヤー同士は少なくとも1000m離れるようになっています。


一日目昼に役職振り分けがあり、夜に役職確認がある。

役職は自分のホーム画面に役職表示の欄が追加されているので、そこから見られるようになっている。

あと、役職表示画面は絶対に他の人に見せてはいけない。見せた瞬間、そのひとは失格となり、死んでしまう。


役職は、500種類以上。猛者プレイヤーの俺ですらやったことがない役職もあるので、今回どんな役職になるのか見物である。


システム:テレポートします。


(ここは…、火山地帯?!まじか!)


目の前にはマグマの海が。後ろには大きな火山が勢いよく噴出している。

まさか火山地帯にワープするとは思わず、俺は驚きを隠せなかった。


なぜなら火山地帯にはレベルの高いモンスターがわんさかいる。レベル上げにはうってつけの場所なのだ。


あ、そうそう。ジンローの魅力の一つにモンスター討伐がある。プレイヤーにはステータスが割り振られ、役職によって得意不得意がある。モンスターを倒すことで、レベルが上がりステータスも強くなる。もし自分が人狼ならば、レベルが下の奴なら倒しやすいし、レベル上げで遅れを取るとより一層警戒しなければならない。



システム:役職の振り分けが完了しました。ホーム画面から役職表示をタップして、役職を確認してください。


真人はおそるおそる役職表示のボタンを押す、この役職が俺の生死を分けると言ってよい。できればその場に応じて臨機応変に行動できるバランスタイプの役職がいいな。


「ん、なんだこれ。」


それは見たことがない役職だった。

先行体験版よりも役職が増えたのかもしれない。


「能力は……。え、これやばくないか?」


死ぬリスクも高いが、使い方次第では化ける。それは猛者プレイヤーの彼にぴったりの役職だった。


「おかしいな。人狼に噛まれたら死んでしまうのに胸の高鳴りを感じる。やっぱ最高だわこのゲーム。」


「おっと、わすれていた。まわりに人は…。いないな。」


(早速モンスターを狩るとするか。そういえばこの役職のステータスってどんな感じなんだろう。)


真人はあっと驚く。


バランス型、それもそのすべてが他の役職の平均値よりもはるかに高い。

それだけ使いこなすのが難しいものということだ。下手に出ると死んでしまうから慎重にいかなければいけないな。


システム:今回の構成はこちらです。

人狼陣営:100 村人陣営:800 第三陣営:101 計:1001


「あれ、構成の詳細が出ない。おかしい、普段だったら詳細のボタンが表示されているはずなのに…。」


これも運営の仕業だ。後日ネットを見てみたら、役職がわからないほうが皆の推理力が試されるので見てて面白いとのことだ。いわゆる闇鍋部屋といったところか。あまり好きではないがな。


「あ、マグマの一本角じゃん。」


遠くの火山の麓にマグマの一本角の群れがいた。


「ラッキー、俺いつも食料ないからまじで助かるわ。」


このゲームにはアイテムドロップというものがあり、モンスターを倒すとアイテムがランダムでドロップするのだが、

マグマの一本角は肉を落とすことが多く、これで何人ものプレイヤーを救ってきた。


俺は息を潜めて群れの背後に駆け寄り、素早く剣を振り下ろす。一匹仕留めた。群れのほとんどが俺の存在に気づく。四方八方に逃げようとするがそうはさせない。俺は弓矢に持ち替え一瞬にして群れを壊滅させた。


「この装備があれば猛者プレイヤーの俺なら容易いもんよ。」


普通なら木の剣とつるで作られた脆い弓矢だが、俺が今持っているのは石の剣と、獣の毛皮で作られた防具。これほど楽な初動はないだろう。


肉の数は…15個か悪くない結果だ。引き続きコツコツと集めていこう。


しばらくマグマの一本角を狩り続けていると火山のはるか向こうに影がちらついた。


「あれは…モンスターではなさそうだな。おそらくプレイヤーだろう。」


俺はメニュー画面を開き、現在のレベルを確認する。レベル10、初日にしてはかなりレベルが上った。これもあの初期装備のおかげだ。


(レベル10もあれば、もし夜襲われたとしても返り討ちにできるだろう。人とかかわらないことには始まらないし、行ってみるか。)


近くまでこっそり近づくと、独り言を言っているのが聞こえてきた。


「ん〜。こいつはどうやって倒すんだ?逃げ足がはやすぎてまったく捕まえられない。」


(初心者かな?)


挙動が面白かったので、彼がそのあとどう動くかしばらく見てみることにした。


「あ、わかった。これを使えばいいんだ。」


彼はそういって黒く丸いものを取り出す。鈍足の爆弾だ。使うと半径5メートル以内の生物はダメージを受け、足が遅くなる。その場に応じた冷静な判断、瞬時に戦略をたてる計画性には光るものがあった。


彼は勢いよく投げようとした。だが、


「うあああああ!」


叫び声とともに、全身傷だらけの彼がでてくる。


「あっ、やべっ手が滑ったー!」


(俺の目に狂いはなかった。と言おうとしたが…。前言撤回、まさか手を滑らせて自分の足元に落とすなんて…。)


「どうしよう、結局なにも捕まえられず、自分の体力が減って足が遅くなっただけじゃねえかああああ!終わった…俺はこっからどうすればあああああ!」


(あまりにも見苦しいな、仕方ない。今回は特別に助けに行ってやるか。)


俺は彼から逃げ切って安心している一本角を狙った。気配を察知されないように矢を打つ。矢は鋭くきれいな弧を描いて、どーんという音とともに一本角に直撃した。


「な、なんだ!?何が起こったんだ?」


「おい、お前初心者だろ。」


「そうだけど…。君がこいつを倒したのかい?」


「ああ、そうだ。お前がマグマの一本角の討伐に苦戦していたから、仕方なく助けてやったんだ。」


「へえ。あいつの名前ってマグマの一本角っていうのか。初めて知った。」


彼は本当に何も知らないでこのゲームに来たようだ。これは、厄介なやつを助けてしまったかもしれない。


「お前、このゲームの詳しいことについては知ってるか?」


「いや、何も」


「はあ、めんどくさいな。仕方ない、今回だけは特別に俺がこのゲームについて教えてやる。」


そのとき自分たちの足元に小さな魔法陣が現れた。テレポート魔法。どうやら誰かが全員招集ボタンを押したらしい。


「おっと、会議の時間が来てしまったようだ。この話は会議のあとするから、とりあえず今は会議に参加しよう。」


さて、会議でどんなアクシデントが起こるか楽しみだ。










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