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トランク一つで、異世界転移  作者: ユーリ・バリスキー
<第六章 旅は道連れ、情けは不要?>
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#06-15 変身魔法をどうにか使えないか頑張ってみた




 うーん、でもなんかちょっと残念だ。あ、変身魔法についてね。できれば私も使ってみたかったんだけど。


 何故って、面白そうだからね!


 っていうか誰にだって、小さい頃に見たアニメとか漫画とかで主人公が変身するのに憧れたことがあるでしょ? 全然無い? 本当に? いやいや、そんなはずは……。


 ――ま、幼き日の私の憧れが一般的なものだったかはさておき。誰にだって猫や鳥なんかの動物に変身してみたいとか、大人や子供に姿を変えたいとか、そんなことを一度や二度思ったことはあるはず。


 これは全くの余談だけど、特撮ヒーローって戦闘用のコスチュームというか、パワードスーツみたいなのに装備をチェンジするだけでも「変身!」って言うでしょ? ずっと前からコレって“変身”って言っていいのかな? って思ってたんだよね。


 だって別に本人そのものに変化はないでしょ。敢えて言うならむしろ変装に近い。


 で、更に考えてみると、日曜の朝に長らくやってるシリーズとか魔法少女ものとかの、女の子が変身して戦うアニメでも、コスチュームとか化粧とか髪形とかは変わるけど、本人の身体に変化はない。まあこっちは本人がそう明言はしてないけど、見ている側は“変身”だと思っていることに気が付いた。


 これはつまりどういう事なのか?


 恐らく私たちは、魔法とか超科学による物質転送とか、そういう超常の力を使って瞬時に外見が変わることを“変身”と認識しているんだろう。もちろん本来的な語意ではなくて、アニメ・特撮的な用語の話ね。


 だからヒーロー・ヒロインが自分で装備を身に付けてしまったら、それはきっと変身とは思えない――はず。っていうか、それはただの着替えだよね(汗)。


 なお“変身”に伴う能力の変化も重要なファクターだけど、こっちは必須ではない――っぽい? 戦隊ものとかだと生身で普通に怪人と戦うこともあるし、普段着のままで魔法を使ってる魔法少女もいるからね。この辺はまだ要検証かな。


 なにぶん私はそこまでアニメや特撮に詳しいわけじゃあないから、サンプルが少ないんだよね。一度久利栖とちゃんと議論してみるべきか……。


 ただね~、久利栖とこの手の議論をすると熱くなりすぎるからな~。あ、私じゃなくて久利栖が、ね。うん、やっぱりやめておこう。議論に熱くなるならまだしも、蘊蓄語りに脱線しがちだからね。


 おっと、私も脱線し過ぎちゃったね。話を変身魔法に戻そう。


 どうにか変身魔法を使う方法は無いのかな? カーバンクルによるとドラゴンの魔力が重要らしい。


 竜酔蘭の蜜をがぶ飲みするとか――


 テシテシテシッ!


 ちょっ、なになに、どうしたの? え? ああ、そんな飲み方はもったいないと。まあ確かに。で、ちゃんと味わって飲むからもっとくれと。それは話が別。


 まあがぶ飲みはしないよ。っていうか出来ない。甘いものは好きだけど、シロップだけをがぶがぶは無理だから。某女医さんでもあるまいし(笑)。


 となると、他の方法は……。あ、もしかしたらドラゴンの魔力を取り込んだ直後だったらいける?


 カーバンクルが変身魔法を使う時の魔力の動きをよく覚えておいて、竜酔蘭の蜜を飲んで、ドラゴンの魔力を意識的に使って発動。うん、手順はそんな感じ。


 検証中…… 検証中……


 ――検証の結果。できました。ただし制限付きで。


 ある程度の範囲で、外見年齢を変化させることが出来る。下は幼稚園児くらいで、上は大学生よりは上――三〇歳前後(アラサー)くらいかな? ちなみに記憶や思考は今のまま変わらない。つまり見た目は子ど……ゲフンゲフン、これは止めておきましょう(笑)。


 ちなみに年齢を上限まで上げても、身長はあんまり伸びなかった。スタイルは大人っぽくなってた(自画自賛)のになぁ……。ちょっと残念。


 逆を言えば、その範囲でしか変身できない。背中に翼を生やすとか、動物の姿になるとか、街の壁を破壊して進撃してきそうな巨人になるとか、そこまでの自由度は無い。


 あと制限時間がある。魔法の起動に使ったドラゴンの魔力の量で時間は増減するんだけど、だいたい半日程度で元に戻っちゃうんだよね。タイムリミットは感覚的に分かるから、その点は安心。小さい体に合わせた服を着てる時にいきなり戻ったら――なんて考えると、ちょっと恐ろしい。ブルルッ。


 で、何度か使ってみて分かったのは、結局完全には変身魔法を習得できないってこと。


 ドラゴンの魔力に関しては、神代言語を使って魔力を変換することで対応できなくはないんだけど、物理的に肉体が変身魔法に対応しきれないんだと思う。魔物限定で使える魔法って感じがする。


 まあ私は魔法少女じゃあないし、戦闘の度に変身する必要があるわけでもないから、特に問題は無い。まあちょっと残念だけど。猫に変身とか、一度くらいはやってみたいよね?




 ――でも何かで使う機会があるかもしれないから、今ある分の竜酔蘭の蜜(ドラゴンの魔力入り)は一応別にして取っておくことにしよう。ドッキリとか、遊びにも使えるしね。








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