第17話:Are you ready for the countdown?
遅くなってすみません、最終回直前の話です。
私が能力を手にし、ヒーロー活動を始めてから、様々な出来事があり、様々な敵と戦ってきた。
目の前で誰かが死ぬ所も、逆に自分が死にたくなる程の痛みも、見て、経験してきた。
───そしてこれが、1年目の活躍の最後を締めくくる戦いでもあった。
「───新しく転校してきた"十条現彦"さんです」
担任の先生が、私達に転校生を紹介する。
十条現彦───小学校時代の同級生であり、同じく事故に遭った被害者だ。
「───改めまして、僕の名前は十条現彦と言います。1年だけの交流となってしまいますが、宜しくお願いします」
現彦くんは爽やかな声で自己紹介する。久々に見た彼は見違えるどころか名前を知らなければ別人と思うぐらいのスリムなイケメンになっており、その容姿はアイドル顔負けだろう。
現彦くんの席はなんと私の右隣───久しぶりの級友がここまで変貌している事に激しく動揺した私は、心臓の鼓動を抑え切れずにいた。
彼が近付いてくる度に、心拍数が増える・・・・・・あぁ、もう抑え切れないから来ないで〜!
彼が隣に座り、私の身体からは蒸気が出てくる。ただ、よくよく考えてみると、久々なら私の顔などもう覚えていないのでは?
・・・・・・と思いきや、彼は私の想定に反して、何故か憶えていた。
「あっ、これから宜しくね。現彦くん」
「うん。
久しぶりだね、"ミカちゃん"」
「えっ、憶えているの!?」
「あっ、気持ち悪かったかな?」
「いやいや!? まさか憶えているとは思わなくて・・・・・・」
私の言葉を聴き、彼は微笑む。その表情があまりにもら眩しくて・・・・・・もうまぢ無理。
学校が終わった後、私は橙子と共に帰ろうとする。橙子は現彦くんの話題を私に振るが、もう私は彼の事で頭がいっぱいだった。
「ねぇ、現彦くんイケメンだったよね〜
・・・・・・って、ミカ聞いてる?」
「あっ、えっ、何!?」
「もーっ!! どうしちゃったの?」
「ええと・・・・・・」
「あーっ!! 分かった、ミカもしかして現彦くんに惚れちゃったんでしょ?」
「えっ!?」
「だって、顔に"かいてる"よ」
橙子の言い方的に、この時の私は顔を赤くしていたのだろう。この感情が"恋"だという事を私は自覚したくなかった。
現彦くんが学校に来てから、休みに入り、私は思い出したかのように未来科学センター跡地へ向かった。
ある意味、ここが全ての始まりだと言っていい程の場所であり、事故があって以来、訪れる事は殆どなかった。
センターの機能していない正門にはバリケードテープが伸ばされているものの、警備員が1人も見当たらない・・・・・・というか居なかった。
完全に放置されているようで、守衛室の前には17個のお供物が置いてあった。
お供物は一つずつ違うものが置かれており、死傷者が居なかった筈なのに、誰がこんなに置いているのだろうと思っていた。
私が気になっていると、後ろから声をかけられる。ただ、警備員の声では無い。どう聞いても、私と同年代ぐらいの声だった。
振り返るとそこには、同じ被害者である現彦くんがいた。
「あれ、奇遇だね」
───彼を見た瞬間、私は言葉にならない声を上げた。
「ミカちゃん、面白い声出すね」
「あ、あの・・・・・・」
「えーっ、僕の事まだ思い出せないの!?」
「いや、そうじゃなくて、その・・・・・・」
「もしかして見慣れないとか?」
「う、うん」
私が見慣れない事を指摘されて頷くと、彼は笑った。
「───無理もないね、昔は太ってたんだから。でも安心して、これは病気とかで痩せた訳じゃないから」
病気じゃないんだ・・・・・・と安心する私は警戒を緩ませ、久しぶりの級友とセンターから離れたベンチに座って話を始めた。
ここでひとつ、現彦くんについて話しておかないとね。
彼は十条現彦───十条エンタープライズ社長の御曹司・・・・・・という事であったが、今は別の人に社長の座を渡したとの事だった。
昔は彼自身が言うように肥満体型だったのだが、今に至る間に何があったのか、凄い痩せてイケメンに変わった気がする。
あと、性格も前は内気だったのに、今じゃ眩しいぐらい自信に溢れてるし・・・・・・ほんと、人って変わるものだなぁ。
私が現彦くんと話している途中、彼は衝撃的な事を言い、私を驚かせた。
「───ミカちゃん、僕と"デート"しない?」
「えっ、冗談でしょ?」って思うじゃん?
でも彼、本気っぽい。
そりゃあ話の区切りを見計らってこんな話されたら返答に困るけど・・・・・・でも、彼がデートしてくれるなら、一度ぐらいは・・・・・・
「・・・・・・ちなみに"本気"で言ってる?」
「君が望むなら」
私は少し考えた後にOKし、ここから私達の交際が始まった。
あの後、会話をしてから最初のデートを始める。最初は散歩に近い感じで一緒に歩いていた。
そして休み明け───私は橙子にデートする事は秘密で化粧の仕方とかを訊いたが・・・・・・嘘が下手過ぎてすぐバレた。
「えーっ!? ミカ、デートし───」
「シーッ・・・・・・声が大きいよ」
「───ご、ごめん。
でも、まさかミカが現彦くんとデートとはね・・・・・・やるじゃん」
「う、うん・・・・・・」
「なーに恥ずかしがってるのよ。
次のデートはいつ?」
「今週の土曜日の昼かな」
「じゃあ、その日の午前ぐらいに化粧ね」
「えっ!?」
「何驚いてるのよ。ささ、女になるのよ」
そこから土曜日になり、私は橙子に化粧をしてもらう。髪のパーマは校則で禁止されている為に無理だが、それを他の所で補った。
服は私の方だと限定されている為、橙子から服を貸してもらった。
幸い、サイズは私と橙子に差異は無いので難なくコーデが進んだ。
そしてデートの待ち合わせ場所に着いた私の前には同時に着いた現彦くんがおり、彼は藍色のスタジャンに、ボタン付きのシャツ、そしてジーンズなど、予想に反した格好だった。
「ミカちゃん、ナイスタイミング。しかも、綺麗だね」
「えっ? あ、ありがとう・・・・・・」
今着ている私の服は、青のショートコートに、黒いシャツ、そして膝まで隠れる純白のスカートと・・・・・・ちょっと恥ずかしいな。
私は現彦くんとデートを始める。話をし、食事をしながら楽しんでいた。
見ている世界が華やかになっていくのが判る───この時の私は甘酸っぱい青春を楽しんでいた。
そしてデートが終わった後、私は家に帰っていく。現彦くんはどうやら駅前のマンションで一人暮らしをしているようだった。
多分、橙子は「もっとグイグイ行け」と言うだろうが、私にはそんな自信がない。
その後、デートは雨が降らない限り毎週の土曜日にしているのだが、ある時I.S.M.A.から連絡が入った。
「───はい、立花です」
『───立花、すまんが今時間あるか?』
「あっ、すみません。
今日、用事がありまして・・・・・・」
『そうか・・・・・・また今度話す』
藤堂さんは何か言いたげに通話を切る。私は普通にデートを楽しみに向かったが・・・・・・今思うと、私にとってこの選択は間違えだったのだろうか?
5月のゴールデンウィークが明け、私達は6回目のデートをしていた。
駅前にある人工芝の上に尻を付いて、楽しく話しながら夜空を眺める私達───見慣れた景色なのに、今回ばかりは綺麗に感じていた。
「───綺麗だね」
「うん。
でも、ミカちゃんもこの夜空みたいに綺麗だよ」
「えっ!?」
驚き、彼の横顔を見る私。その瞳には曇りを感じず、ただ無数にある星を眺めていた。
「もーっ、お世辞が上手いんだから・・・・・・」
「お世辞じゃないよ、本当さ」
こちらを振り向く彼の顔は、直視すればする程、感情を不安定にさせてくる。何とか目を背けるが、やっぱり見ちゃうのが、恋、なのかな・・・・・・
「顔の赤い君も可愛いね」
「そんな、恥ずかしいな・・・・・・」
私達の唇が近付く。こういう時、どんな表情をしたらいいのか分からないけど、ここは流れに任せてしまおうと思っていた。
───が、唇が重なる一歩手前で大きな爆発音が聞こえてきた。
とっさに私達はキスを中断し、周囲に目を配る。他の人は爆発音でパニックになっており、私達もひとまずその場から離れる事にした。
落ち着いた場所に離れた後、レディブラストとして現場の人を助けるべく、現彦くんに大事な物を忘れたので取ってくると嘘をつく。
普通なら危ないから駄目と言われるかもしれないが・・・・・・彼は笑顔で私を送り届けた。
「ごめん、私大事な物忘れたから取ってくる」
「危ないけど、大丈夫?」
「うん、平気!」
「───分かった、でも気を付けてね」
「ありがと!」
私は路地裏でコスチュームに着替え、爆発のあった現場へ向かう。
駅前からそう遠くないホテルの一室から爆煙が上がっており、エントランスからは誰かが運ばれていた。
よく目を凝らして担架を見ると───その人物は、藤堂さんだった。
私はすぐ空から降りて、運ばれていく藤堂さんに駆け寄る。藤堂さんは頭から血を出しており、虫の息だった。
「何があったんですか!?」
「離れて、今すぐ搬送しないといけない状態なので」
私は放心状態の中、藤堂さんを乗せた救急車を見送る。何故、彼はホテルから出てきたのか、そして何故重傷を負ったのか───
6回目のデートから次の日、私は本部へ向かい、枢木さんへ話を訊く。
藤堂さんの命に別状は無いが、私には安心できなかった。
枢木さんは自分に責任があると頭を深々謝るが、これは私のせいだ。
もし、あの時話を聴いていれば・・・・・・こんな事にはならなかったかもしれないのに。
私達は会議室に行き、枢木さんから裏でどんな事が起きていたか話を聞いた。
「何故、藤堂さんは1人であのホテルに?」
「それは、このレポートから始まったわ」
私はそのレポートに目を通す。そこには、秋津市の未来科学センターの爆発事故についての調査結果や考察が書かれており、あの爆発事故は"意図的に"仕組まれたものだと書かれていた。
次のレポートには、アメリカや日本にある冬間市など、数々の所で"白いトレンチコートを着た長身の金髪男性"を目撃したとされている。これの何が驚きかというと、その男は同一人物で、尚且つどこの国にもそんな人物は居ないと報告を受けたそうだ。
シェイパーと同じような擬態能力の持ち主か、あるいはエイリアンか・・・・・・目立つような姿をしておいて"誰も顔を覚えていない"という話が気になった。
・・・・・・話が脱線してしまったけど、この白いコートの男は秋津市にも来ていたようで、その際にセンターにも行ったのだろう。レポートの提出主は、この男が限りなく人外に近い人間が発生する事件に関与しているのでは無いか、と記述していた。
「───私達は、白いコートの男を遂に見つけた。
でも、藤堂はエージェントを誰も同伴させず、1人で行ったの」
「どうしてですか?」
「その時、彼は駅前にいたのよ」
「えっ!? どうして・・・・・・」
「彼はデートしてる貴女の邪魔をしたくなかったのよ。
ヒーローとはいえ、まだ学校に通ってる少女───大事な青春を邪魔して頼るのもどうかと、彼は貴女に指示を送る度、悩んでたわ」
「そんな・・・・・・頼ってるのは私もなのに・・・・・・」
「そんな中、白いコートの男をオペレーターが発見して、彼は追跡の最中、ホテルに入る所を見るわ」
「よく部屋番号分かりましたね」
「私達もこちらでホテルの監視カメラから覗いてたからね。
そこからかな・・・・・・藤堂が銃を取り出してその部屋に入ろうと扉を開いた瞬間───大きな爆発音と煙がね・・・・・・」
私は枢木さんの話を聴いて歯を食いしばる。もしその男が色々な事件に関わった元凶だというなら、私はそいつが何故こんな事をしたのか問い詰めたかった。
その次のレポートには、十条家の事について書かれており、爆発事故の何日か後、十条家は現彦くんも含めて全員行方不明となっており、それから5年後に現彦くんがアメリカで目撃された。
訳の分からない話だが、レポートには白いコートの男が何かしらの手を加えて現彦くんをアメリカで解放したのではないかと考察を立てており、最後のレポートにはたった一文だけ、ある事が書かれていた。
『十条現彦には気を付けろ』
レポートを読み終えた私は、混乱している頭の中を整理しようと必死になる。
───現彦くんが行方不明になっていた事など、今まで知らなかったのだから。
「こ、これ・・・・・・ニュースとかで言ってましたか?」
「いえ・・・・・・残念だけどこれは現彦くんの親戚のご意向で公には出さなかったわ」
「よく徹底できましたね・・・・・・」
「I.S.M.A.も絡んでいたからね。
この話は完全に隠蔽され、世間がこの事実を知る事は無かった───筈だった。」
「やっぱり、現彦くんの存在が?」
「そう。
でも彼がアメリカに現れたのは想定外で、すぐに保護され、事情聴取もされたわ」
「そんな・・・・・・彼が侵略者だと言うのですか?」
「別に拷問をしていた訳じゃないから安心して。
まぁ、検査しても異常は見られなかったから、すぐ帰されたけど」
「その後は?」
「その後はアメリカにいる親戚の所で暮らし、そして現在に至ると」
「その間については何も分からないんですか?」
「そうね・・・・・・間についての情報は何もないわ、このレポート以外は」
枢木さんは唯一の手がかりと強調するようにレポートを示した。
「そのレポート、いつ頃にまとめられたものなんですか?」
「これは、現彦くんが帰された後に1人のエージェントがまとめたもので、私達がここに臨時本部を設ける事になった理由もレポートにある」
「なら、そのエージェントは?」
「───行方不明。自宅から忽然と姿を消していたわ」
「誰かに拐われた・・・・・・のかな」
「恐らくその線が大きいけど───」
知る限りの情報を話した枢木さんは、私にある命令を下す。
それは、この時の私にとって重く、苦しい任務だった。
十条現彦を監視して欲しい。
───I.S.M.A.では干渉できない所にいるからこそ私に頼んだのだろう。
学校でも、彼に目を配らなくてはならない日々・・・・・・いつも通りを装うが、いつこの本心を見抜かれるか判らない日々。
ある時、私はトイレで空吐きをしていた。
吐けないのに、吐きそうになる。
今までのデートがもし、好意では無く別の意図で行われていたものだったらどうしよう。
私は涙を堪えて鏡に映る自分と目を合わせる。どっちに転んでも、これは正義の為───私は現彦くんが白である事を信じて、彼を監視する事にした。
監視してから10日ぐらい経った───監視には負い目を感じる事もあってか異様なぐらい疲労が溜まり、デートとヒーロー活動は休む事にした。
───そして休み明けの事、ある事態が発生した。
現彦くんの欠席───それは一度に限らず、連続で学校に来ておらず、不登校になったと様々な噂が教室内に広まっていた。
「現彦くん、どうしたんだろう・・・・・・」
「だね・・・・・・」
私の心の中は異様な程の不安に駆られていた。
ある日の事───学校が早く終わった私は現彦くんの住むマンションに赴く。デートの最中に家の住所を聞いていたから道に迷う事無く向かう事ができた。
「〔十条現彦には気を付けろ、か・・・・・・〕」
あの事故に遭ったのに、能力の発現が無いのはおかしい所があり、私は何故今まで訊く機会はあった筈なのに、なんで訊こうとしなかったのだろうと自分を責めた。
マンションに着いた私は建物を見上げる。高級そうな所で、他の人も住んでいる。別に怪しい雰囲気は無いのだが・・・・・・やはり、中に入ってみない事には何も始まらなかった。
エントランスに入り、現彦くんが住んでいる部屋番号のベルを押す。
すると、その部屋が訪問を許可したようなランプが点灯した。
私はエレベーターでその階層へと向かう。そして、部屋扉の前に着いた後、深呼吸してそこのインターホンを鳴らした。
しかし、応答はない───試しに扉を開こうとノブを引くが、普通に開いた。
まるで私が来るのを知っていたような感じだ・・・・・・開いた先から冷気を感じるが、これは私が恐怖で鳥肌を立たせている証拠だろう。
部屋に入るが、真っ暗───玄関の電気は勝手に点くようだ。
「おじゃましまーす・・・・・・」
私は靴を脱いで先に向かう。
何だか嫌な予感がする・・・・・・私にとって、不安ながらもリビングに入るが、そこも普通・・・・・・カーテンが閉まっている事以外は。
風呂場も見て、最後に現彦くんの自室───私は部屋に入るが真っ暗で何も見えない。そして照明を点けると───
「な、何これ・・・・・・」
私が見たのは、一室全てに貼ってある写真だった。どこもかしこも写真。びっしりと貼ってある写真は、赤く照らされている事も相まってか悪寒を感じる程だった。
しかも、その写真をよく見るとそこには"私"が写っていた。
学校に通う私、武雄くんと話している私、レディブラストとして活動を始めた頃の私、ヴィランと戦っている時の私───今まで監視されていたのは私だった。
呼吸が荒くなり、視界が揺らぎそうになる。背中が冷たい、怖い。
そんな中、パソコンが勝手に開く。スリープ状態だったのか、画面には一文だけ書かれていた。
『この屋上で待ってるよ』
私は、もうバレていると思って制服からコスチュームに着替える。信じたくなかったけど、こんな光景を見たら、信じられなくなる・・・・・・
私は屋上まで向かう。そこには案の定というべきか、現彦くんが立っているが、彼の服装は見覚えがある格好だった。
黒いマントに甲冑のようなアーマー・・・・・・それは、"クロウナイト"と名乗った黒い騎士の人物と酷似していた。
「会えて嬉しいよ、レディブラストさん。
───いや、"立花未香矢"さん」
「───貴方なの?
貴方が今までの事件を裏から操っていたの?」
「ミカちゃんの言う事がどこまでか分からないけど・・・・・・君を襲った暗殺者達や復讐の使者、吸血鬼以外には関わってるよ」
「どうして・・・・・・?」
「うーん・・・・・・まぁ、君の能力を試したいから、かな。
だからテクノマイトの情報もハインド・シンジケートに伝えたし、社会や世間に不満を持ってる人達に力も与えた。
ほんとひどいよねー。僕がお金持ちだとしても、それは昔の話なのにさ。
資金のやりくりに困ったよ」
「そんな・・・・・・」
私は膝を落とし、今までの事は仕組まれていたものだと悟った。
「それなら、私への好意も・・・・・・」
「ミカちゃん、それは───」
「嘘だと言って、お願いだから・・・・・・」
地面に涙を落とす私に、彼は溜め息を吐きながら謝った。
「ごめんね・・・・・・僕の気持ちは本当。
デートは凄い楽しかったし、君の事は本当に好き。だから───」
現彦くんは、大きな直方体状の機械の隣に置いてあるパソコンをカタカタと打った。
「私の正体をバラすの・・・・・・?」
「ううん、君が好きだから、君を傷つけようとする人達を黙らせるだけさ」
現彦くんが最後のキーを叩いた瞬間、直方体状の機械が開く。そして、そこから小型の飛行機が空へと飛んだ後、そのまま地上へと急降下していき、各所で爆発を起こした。
───殺戮は、執行された。
次で最終回です。




