小学生の考えた童話がブッチギリでおかしい
ある小学校のとあるクラスで「短い童話を一つ作りましょう」という宿題が出されました。
子供たちの作ったお話はどれもユニークで発想に飛んでいましたが、一作品だけ別のベクトルにぶっちぎっている作品がありました。
それは普段から少し変わった言動により、小学校中の有名人である鈴木君の作品でした。
担任
「あー、宿題の感想書くの疲れた。今朝は庭から植えた覚えのない葉っぱが生えてくるし、校長先生には意味不明な理由で叱られるし散々だな。さて、次の童話は問題の鈴木君か……。『自信作です』って言ってたけど、果たしてどんな内容なんだろう……」
童話
『可哀想なブロッコリー 作:鈴木 蓮』
担任
「名前が既に不穏だな」
童話
『昔々、あるところに元気なブロッコリーがいました』
担任
「ねえ! 前提条件が全力でおかしいんだけど! 元気なブロッコリーって何!?」
童話
『そのブロッコリーはカリフラワーと呼ばれていました』
担任
「ややこしいな……」
童話
『彼女にはカリフラワーの友達が居ました』
担任
「おっと余計ややこしいのが出てきたぞ」
童話
『そのカリフラワーはブロッコリーと呼ばれていました』
担任
「何その強引な叙述トリックみたいなネーミングセンス!」
童話
『ある日ブロッコリーが死にました』
担任
「何事!? そしてどっち!?」
童話
『カリフラワーはブロッコリーという名のカリフラワーが死んだのを悲しみました』
担任
「どっちなの!? どっちがどっちなの!?」
童話
『ブロッコリーは葬式で彼女の名前を叫びました。「ブロッコリー! ブロッコリー! ぶろ、カリフラワー!!」』
担任
「もう自分でどっちか分からなくなってるじゃねえか!」
童話
『悲しみに暮れたブロフラワーは引きこもりました』
担任
「混ざってる混ざってる! 新種の野菜みたいになってる!!」
童話
『そしてブロッコリーはザリガニを飼い始めました』
担任
「もうブロッコリーが何なのか分からなくなってきた」
童話
『ブロッコリーはザリガニにブロッコリーという名前を付けました』
担任
「どうして君は物語をブロッコリー一色で染め上げようとするんだ!」
童話
『でもブロッコリーは牙を剥く。そう、狼のように』
担任
「狼みたいなブロッコリーって何だよ!?」
童話
『そしてブロッコリーに襲われてブロッコリーは死にました』
担任
「さっきから死人ばっかじゃねえか! こいつらの生えてる畑、どんだけ殺伐としてるんだよ!!?」
童話
『ブロッコリーの葬式でブロッコリーは泣きました』
担任
「もうどのブロッコリーなのか分かんねえよ!」
童話
『そんなブロッコリーを慰めるワイモスンペ』
担任
「ワイモスンペって誰だよ!!」
童話
『教訓:ブロッコリーを信用してはならない』
担任
「絶対途中で面倒くさくなっただろ!!」
童話
『追伸』
担任
「ん?」
童話
『先生の家の庭にブロッコリーを植えたのは僕です』
担任
「お前かあっ!!!」
童話
『今朝、校長先生の頭に植えたのも僕です』
担任
「おい鈴木ぃ!!!」
おわり
お読みいただきありがとうございました。