8話 終業式の日
7月20日、この日は待ちに待った終業式。
校長先生のありがたーいお話しをいただき、いざ夏休みへ!!!!
と思っていた時期が俺にもあった。
「お願いします!!」
俺は今男子生徒3人に声をかけられている。
遡ること数時間前....
「えっ?お前今なんて言った?」
修斗は俺をありえないものを見るような目で凝視していた。
「いやだから、昨日で夏休みの課題全部終わらせたって言ったんだよ。」
「いやいや、そんな馬鹿な話があるかよ。うちの学校はこれでもこの辺では1番頭のいい学校だぞ?宿題もそれなりに多い、にも関わらずもう終わっただと?」
「うん、だからそう言ってるだろ?」
「証拠!」
「え?」
「証拠を出せと言っているんだ分からないか?」
「あ〜、はい」
俺はバッグの中から全ての課題をまとめたファイルお取り出し修斗に見せた。
「こっ、これは!!」
「だから言っただろう?終わらせたと。」
「あぁ確かに終わっている。」
「まぁ分かったら返せよ。」
そう。俺は配られてからやっても間に合わないような課題たちを異世界に持っていき、1人黙々とやっていたのだ。休日はずっと向こうにいた。だってこっちでは1日しかない休みだけど向こうなら12日間あることになる。
つまり!!!!俺は天才だァァァ!!!!
そして放課後
《修斗目線》
俺は部活をしながらなぜ剣士が課題を終わらせられた理由を考えていた。
(寝なければいけるか?いや、無理だあいつは絶対寝る確信がある。なぜならこの前家に行った時、あいつ1日中寝てたもん。だから一切寝てないというのは絶対に無理がある。クソ!全然わからん!)
そのとき部活の仲間である裕貴から声をかけられた。
「お前が悩み事とか珍しいね?なんかあったん?」
「いや剣士がさぁ、もう夏休みの課題終わったって言っててさぁどうしたら終わるのか考えてた」
「あ〜ね、でもまぁ何とかなるんじゃね?俺ももう結構終わっとるんよ。あと作文だけぇ。まぁ君たちとは格が違うからね。」
「お前に聞いた俺が馬鹿だったよ。何故お前は毎回俺より点数がいいんだ?おかしいだろ理科以外100点とか、頭おかしいわ。お前家で何やってんだよ!!」
「それ聞くの何回目だよ、いっつもPCいじってるってゆーてるやん。」
「クソ!」
「おい聞いたか?」
「おう!バッチリ聞いたぜ。」
「俺も。」
「2組の伊達もう課題終わったんだってな。」
「って言ってたな。」
「となるとやることは1つ!」
「行くか。」
《剣士目線》
(さーて夏休みだ。帰るか。)
俺は教室をでて下駄箱に向かった。
(うん、なんか入ってる。)
俺は下駄箱の中に入っていた1枚の手紙を広げた。すると、
{放課後話があるので校舎裏に来てください。}
と、女の子の書くような文字で綴書かれていた。
(ふっ、そんな面倒なこと行きたいわけがない。モテ期がきたか知らんが俺に女は必要ない!!!!)
と思っていたが、一応行った。だってそれでも一生彼女なしは嫌だもん。可愛ければ付き合う。
そして意気揚々とスキップして行った先に待っていたのは男が3人。そして3人同時に頭を下げたかと思うと、
「お願いします!!」
そして今に至る。
「いやお願いしますと言われてもね。何をお願いされてるのか俺にはさっぱりなんだが....」
「そんなのひとつしかないでしょ。課題を見せろぉぉ、1年2組、伊達剣士〜。」
「断る!」
「何故だぁぁああ!」
「いや、俺はねここに告白されると思って楽しみに来たんだ。それをお前らは踏みにじったァァ!!!!分かるかこの気持ち、お前らは俺の気持ちを踏みにじったんだ。そんな奴らに答えを見せる訳には........いかないんだぁぁぁあああ!!!!」
「クソ!お前の作戦失敗じゃねーかよ。」
「みんなごめん。まさかK・Y作戦が失敗するとは思っていなかった。」
「K・Y作戦?」
(なんだそれ?)
「あぁ、お前に渡した手紙にK・Yと書いてあっただろ?あれはうちのクラスの金子悠平の....
イニシャルだァァ!!!!」
「金子悠平って、男じゃねぇかバカ!」
「フッフッフッ、貴様は何もわかっていないようだな。それがいいのではないか!!!!」
「良くねーよ!俺の気持ち返して!」
「何を言っている。気持ちは返せるものではないぞ?バカなのか貴様は?」
「クソ!しゃーねぇな。このままだと拉致があかねぇ、課題見せてやるよ。明日うちに来い。」
「サンキュー」
「助かるぜ、伊達。なんせ俺らはいつも宿題を出さずに亀田先生から何かと怒られるからな。」
「亀田先生ってお前らの担任だっけ?あのやたらと怒鳴る体育の先生だろ?」
「あぁ、確かに怒鳴るがいい先生だぞ。なぁ亀山。」
「おう!確かに亀田先生はいい人だぞ!あの人が担任でよかったと思ってる。それはここにいる3人とも同じだ。」
(こいつら、良い奴ではあるんだな。)
「ごめん、とりあえず名前知らんから教えて。」
「あぁ、このメガネが本体のオタクが熊井戸で俺が亀山だ。テンパだから分かるだろ?」
(なるほど)
「熊井戸に亀山な了解。」
「えつ?酷くね俺も仲間に入れてよ。」
「誰お前?」
「あれ?こんなヤツいたっけ?」
熊井戸と亀山は残りの1人をいじっている。(いやこいつは俺も知ってるぞ。学校中に噂が流れているからな。こいつは....)
「西村か?」
俺は聞いた。
「すげぇなんで分かったの?」
「いや、俺のクラスでも悪評がね...」
「あっ....。」
「まぁとりあえず2人とも明日うちにおいで、LIKEの連絡先交換しようぜ。」
「「おう!」」
俺は家に帰り、マーキュリーに行くことにした。
「準備完了!さぁラッシャン帝国探索の続きだ」
俺は勢い良く異世界へのゲートに飛び込んだ!
今回はマーキュリーではなく学校側でのお話でした。いや〜キャラの名前考えるの大変。