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B章1話 謎の老人

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

今回からB章に入ります。

「召還するならjkが良い!」タイトルは仮名です。

現在C章を書いていますが、少しずつ書きなれてきました。

まだ拙い文章ですが、どんどんと上手くなっていってると思いますので、温かい目で見ていただければと思います。

3000文字

「あれ… ここはどこだ?」


さっきまで教室で生物の授業を受けていたはずなのに、気がついたら見知らぬ場所にいた。

俺は起き上がって、辺りを見渡す。


何もない、空虚な空間。

ただひたすらに無が、どこまでも続いている。


世界中が真っ白に染まり、俺はその中心(?)でふわふわと漂っていた。



「ほっほ、ようやく目が覚めたか」


背後から聞こえてきたのは、ご年配の老人の声。

振り向くと、先ほどまで誰もいなかったはずなのに、いつの間にか老人がそこにいた。



「ふふ、そんなに怯えることはない。おぬしに一つ頼みがあるんじゃ」

老人はそういって、俺に語りかける。



「えっと、どちら様?」


当然の疑問だ。ここはどこ?あなたは誰?何でこんな場所にいるの?

疑問を挙げればきりがない。

とりあえず思いついたことから聞くことにする。

そもそも初対面の俺に対して名乗ることもせず、いきなり頼みがあるなんて言われて、ハイと二つ返事で了承するとでも思ったのだろうか?



「神…ということにでもしておくかの。その証拠と言ってはなんだが、ほれ」


そういって自称神は右手から火を出し、左手から氷を出した。

いやいや、どんなトリックか知らないけど、そんなドヤ顔されましても…

神とか言って手品を始める。この老人痛すぎるでしょ。

確実にボケ入ってるやん!


「ふむ…。なにやらとても失礼なことを言われておるの。まあよい。話だけでも聞いてくれ」


おいおい、この老人、心でも読めるのか?

俺の考えてることがバレてる気がする。


「その程度のこと、造作も無いわい。誰がここにおぬしを連れて来たと思っておる」


あー。

これ俺の心読まれちゃってますわー。

完全に心読まれちゃってますわー。

プライバシーもクソもないね。

ていうか、そんなこと可能なら俺にいちいち聞くことなくね?

もはや俺に拒否権とかないでしょ。

拒否権あるならさっさと物理の授業に戻してくれよ。

そうでないなら早いとこ本題話してくれよ。


「全く、近頃の若いもんは礼儀というものを知らんの。

そしたらまず一つ、教えてやろう。

もうおぬしは授業に戻ることは出来ん。

なぜなら、おぬしはもう死んでしまっているからな。

その際、ワシはおぬしの魂をここにつれてきて、そして今に至るわけじゃ」


うん?

どうやらこの自称神いわく、俺はもう死んでしまったらしい。

全く心当たりが無さ過ぎて、言われてもピンとこない。

第一、それが本当だとしてなぜ俺がここに連れてこられたのかが分からない。


「うむ、ピンと来ないのは仕方ない。

即死だったからの。

痛みも何も感じる間もなく、死んでしまったのじゃ」


うーむ、確かになんか体の重さを一切感じない。

魂だけになっているといわれれば、確かにそんな気がする。

この感覚だけでこの老人の言うことを信じるのはシャクだが、どっちにしろ今の俺には何も出来そうにない。

百歩譲ってこの老人の言うことを信じて、話を聞いてみよう。

だが、一体なんで俺は死んでしまったんだろう。

心当たりが無さ過ぎる。

隕石でも落下したか?


「ワシが殺しちゃった。まじめんご」

「おいいいいいいい!!!!!」


思わず声に出して突っ込んでしまった。

しかもこの老人、てへぺろしてやがる。

めちゃめちゃぶん殴ってやりたい。

身の程をわきまえろ。


「ま、まあ話だけでも聞いておくれ。

異世界転生、というものを知っておるかな?

おぬしにはこれから別世界で転生してもらう。

今度の世界は剣と魔法のファンタジー世界じゃ!」


おお!

その話が本当だとしたら、あながち悪い話でもなさそうだ!

それが本当なら、百歩譲って俺を殺したことは許してやってもいいかもしれない。


「ほう!それは良かった。

なぜおぬしをワシが殺したか、じゃがな。

おぬしには勇者の才能があってな。

この世界に絶対に必要な才能なのじゃ!」


おおお!

まじかよ!

異世界転生して、しかも俺が勇者!

これはムネアツだろ!

ていうか、俺のことを狙って殺したんだなこいつ。

『殺しちゃった』とか言うから事故だと思ったよ。



「まじめんご」


やべえ、殺意わくなこの謝罪。



「さて、異世界転生するにあたって、転生特典をやろう。

ただでさえ勇者、その上特典つきときたもんじゃ!

もちろん何でも出来るというわけではないが、可能な限り善処する」


はー、うざいことを除けばこの老人は俺にとって悪い存在ではないのかもしれない。

うざいことを除けば。


さて、転生特典か…。

どんなのが良いんだろうか。


普通にテンプレで言えば『俺の聖剣!』とかで無双するのがテンプレだろう。

だがそれはあまりにもったいない気がする。


「あ、勇者だから聖剣ならデフォルトで用意してあるぞい」


やべー。俺のチート確定。

勇者で聖剣持ちで、しかも転生者特典とか、チート以外の何者でもねえ。

この老人、話が分かる。


じゃなくて、元々聖剣なんかお願いするつもりは無かったけど、何のチート特典にするかだな。

出来る範囲でって言ってたし、常識的な範囲じゃないとダメなはずだ。

まあたくさん聞いてそこから選ぶとしよう。


えーとまずは…



「あ」


そうだな、不老不死とかどうなんだろう?

これがセーフかアウトかで大体のラインが見えてくるんじゃないか?



「すまん。おぬしの転生特典は『念話』になってもうた。いやー、うっかりうっかり。ははは」


ん?

え?

はあああああああああ!?

なんだそれ!?

うっかりってレベルじゃねえぞ!?

いや、まじで?

うわ、どうしてくれんのこれ!

地味すぎるでしょ!それ完全にモブの役割でしょ!


「いや、おぬしの思考を今読んでるのはな、念話をおぬしに付随させてるからなのじゃ。

ちょっと驚かせようと思って、な。

いやだって驚くじゃろ!?自分の考えてることが相手に伝わってたら!

じゃからつけたのじゃが、気付いたら転生特典枠を使っておったわい」


ええええ!?

俺の思考読んでたのってそういうことなの!?

そもそもたったそれだけのために転生特典枠潰されたの!?


「あ、安心せい。自分の意思で相手に念話を通じないようにすれば、自分の考えてること垂れ流しじゃなくて、ちゃんとシャットアウト出来るわい。

それに転生特典として全員に漏れなく自動翻訳をつけておくから、言語が通じないということもないじゃろ」


いや、クソほどもどうでもいい情報ありがとう!

めちゃくちゃ今さらだよ!

いや、大事だけどね?そこ確かに大事だけどね?


対人戦で戦ってる相手に自分の思考モロバレとか始まる前から終わるし。

そうならないだけマシ…

って全然マシでもなんでもないわ!

一瞬だまされかけたけど!


でも自動翻訳はありがたい。

言語から覚えなおしなのは辛いし、どこの国に行っても言葉が通じるのはかなり便利だ。


「お、おほん。それではおぬし。新しい世界に向けて旅立つのじゃぞ!

新しく生まれ変わって、これから異世界をスタートするのじゃ!

おぬしの魂にあった体のもとに、自然と魂が引き寄せられるであろう!」


ちょっと待ったー!!

この体のままじゃないんかーい!

赤ちゃんからやり直し!?


「あ、ちなみにワシ、実はおぬし以外にもちょろっと殺してしまったのじゃ。

ちょーっと威力を間違えてしもうて、な…。

実はおぬしのクラスメイトは全員こっちに転生させておる。

謝罪も込めて、それなりの転生特典をみなに付与してな。

仲良くやると良いのじゃ!!

まじめんご」


しかも、ええええ!?

クラスメイト全滅!?

全然ちょろっとじゃねえよ!

大量虐殺だよそれ!



「勇者よ! さあ行くのじゃーーーー!!!」


おいぃぃぃぃ!!

まだ話は終わってなーーー…………

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