第17話 冒険者、供に(大物を仕留めましょう)
「あれは君が言ったアスカ国の宝剣フェニックスバードを盗み出した時のことだ。盗みに見事成功した俺は、逃げる途中でアスカ国の放った数多の追っ手を相手に苦戦していた。当然さ。だってアスカの国宝になっていたフェニックスバードを盗むために、宝剣の所有者であるアスカの第一王子を殺しちゃったんだもの。」
宝剣のために一国の王子を手に掛けることすら厭わない。まるでえ物話を語るかのように自分の過去を淡々と悪びれる様子もなく語るグランティダスにかつてのダグとのギャップを覚え、聞いていたファリスは体中から震えが止まらなかった。。
「話を続けるよ。それでいよいよ捕まるかもってところまで来た俺は一つの賭けに出た。逃げる道中にあったとあるダンジョンに飛び込んだのさ。それだけなら国の精鋭が入ってくるだろうって?そりゃ無理な話だ。だって俺が入ったのは「時計迷宮」だったんだからね!!」
「時計迷宮…?」
「アスカの端っこにあるダンジョンの1つだ。ダンジョンの中が時計だらけの変な所さ。確かギルドのダンジョン危険度でも特A級の危険なヤツだったか。なんでもこれまでに挑戦した2000人の冒険者の帰還率が1%を切ったらしい。」
2000人の1%なら…計算にてこずるファリスを待てず、クロノスは20人だと答えた。
「たった20人だけ…!?しかも未満ってそれより少ないってことだろ!?」
「ああ。国との取り決めで帰還率が1%を切ったダンジョンは即閉鎖。何人たりとも進入禁止と国とギルドで通達される。例え王子を殺した下手人を追う国の兵士だったとしてもな。」
「まぁ進入禁止と言っても結界で封印されているわけじゃないから、勝手に入れたんだけどね。追っ手を撒いた俺だけど、そこに棲む手強いモンスターや迷宮の仕掛けで何度も死にかけた。流石は特A級の危険ダンジョン。俺も死を覚悟したね。でも俺には盗んだ宝剣フェニックスバードと、その他にも持ち歩いていた何本もの宝剣があったからなんとか戦い抜くことができた。そして脅威を退けて生活の拠点を作った俺は、外のほとぼりが冷め、俺が死んだと言われるまでそこで生活していたんだ。」
「そりゃご苦労なこって。ちなみにどれくらい暮らしていたんだ?」
途中で話を遮りクロノスが質問した。それに気づいたダグはニコリとほほ笑み。全ての指を開いた右手の掌を見せる。5年と言う意味だろう。その答えを受け止めクロノスは内心驚きを隠せなかった。
「マジかよ…あ、五日とか、五か月とかだったり…」
「五年だよ。そうして暮らしていくうちに俺は時計迷宮が持つ、ある性質に気付いたんだ。そう、ダンジョンの中にいた時間に応じて、肉体が若返っていくと言う性質にね!!」
ダグの衝撃的な告発に、ファリスが半信半疑でクロノスに尋ねるが、クロノスは額に汗を浮かべ頷いた。そのことはS級冒険者としてギルドの様々な情報が閲覧できる権利を持っているクロノスは既に知っていたが、当時は時計にちなんだデマか何かだと思って流していたのだ。しかし目の前の実例を見て当時爆笑しながら指をさして自分が馬鹿にした資料記入者に、心から謝罪した。
「感覚頼りだけど、だいたい1年居たら10年分くらい若返ったかな。いや俺も最初の1年は全く変化に気づかなかったよ。40代と50代では、見た目に大きな変わりもないしね。ヴァロイとデンテンスにもダンジョンの中で会ったのさ。デンテンスは3年目、ヴァロイは4年目に。俺と同じで二人とも追い詰められて逃げ込んだ口でね。俺と違って宝剣の無い彼らはそこまで強くはないから死にかけていたけど、そこを華麗に助けて恩を売り込むのは簡単だったよ。それで時が経って5年目に10代になるまで若返ったところで、いいことを思い付いたんだ。前々からミツユースのとある裏組織の大幹部ファーレンのフーリャンセ一族が代々受け継いでいると言われていた宝剣の中でも裏番長と呼ばれるほどに、表舞台に姿を全くと言っていいほど現さなかった幻の宝剣イノセンティウス。これを手に入れてやろうってね。」
ダグの語った作戦はこうだ。まずダグ達3人はよそから流れてきた浮浪者の子供として、暗黒通りに住み着く。そしてそこの小さなグループだったデビルズに目をつけてデンテンスとヴァロイを送り込み、当時の頭をこっそり殺害した。流石は力が全ての暗黒通り。子供にしては卓越した実力を持つ二人は、それからたちまちデビルズの頭と幹部になれた。ダグは浮浪児になりきりファーレンの動向を見張り、その間デンテンスとヴァロイはデビルズの支配を広げ使える駒を増やした。
「実は作戦は長丁場…軽く数十年はかかると思っていたんだ。相手はあるとは伝わっていたけど、今まで表の歴史に全く姿を見せないイノセンティウスだ。それに長けりゃ長いほど昔の俺たちの事件を世間は忘れてくれるし、どうせ年をとっても、また時計迷宮で暮らせばいい。でも作戦を始めて1年くらいたった時だったかな?突然の幸運が俺たちに舞い込んだんだ。あの時は俺も嬉しかったね。イノセンティウスが俺を選んでくれたんじゃないかって思った。子供のようにはしゃいだもんさ。今は子どもだけどね。」
ダグの冗談に笑えないクロノスとファリスだったが、彼の言う幸運が何かは二人とも心当たりがあった。
「今から2年前…父さんが組織の抗争で命を落としたんだ。」
「正解だよ。ファーレンの訃報…いや、俺たちにとっては朗報だな。それを聞いて、デンテンスがすぐにデビルズを率いてファーレンの屋敷を襲撃した。そんで屋敷の人間を皆殺しにして占拠。それからゆっくり屋敷中のあちこちをひっくり返して探したんだけど、宝剣はどこにもなかった。俺は焦ったね。ファーレンが死んだならイノセンティウスの在処も闇の中だと。でも天は更に我らに味方をしてくれた!!ファリス。ファーレンの部下に助けられて君が生きていると知ったからさ。そして屋敷を放り出されて右も左もわからない頃に俺が声をかけたのを今でも昨日のことのようにはっきりと覚えてる。いや、デビルズにも加担せず真っ当に浮浪児ゴッコをしていた俺を、お前は微塵も疑っていなかった。」
「そうだな。ずっとお前をしつこい臆病な腐れ縁だと思っていたよ。」
「今でもお前とは仲良くできると信じてるんだぜ?さて、そんなんでファリスが宝剣のありかを知っているかと思ったが、お前は一向に何も動きを見せなかった。今まで大幹部の息子としてお坊ちゃまな生活をしてきたから、浮浪児の過酷な生活に耐えられずに、すぐに隠し財産に手を出すかと思っていたのに。信じられるか?こいつ、真面目に泥水を啜ってゴミを漁る生活をし続けたんだぜ?それこそ、普通の浮浪児がドン引きするレベルの暮らしをな!!」
少し前にゴミ捨て場の生ごみに浸かった干し肉をかじっていた時は実に滑稽だったとダグは笑った。
「イノセンティウスのことは父さんから聞いていたが、そこに至るまでには冒険者の術技が必要だと聞かされていたからな。父さんの遺産を狙う輩がいないとも限らなかったし、オレに力が付くまで修行のつもりでやっていた。それに必要以上に盗みをして、堅気を困らせることなど、オレには到底できなかったからな。」
「まぁそれでも俺たちの目を欺くには十分だった。2年が経って最近になって、お前と腐れ縁の関係を続けるのをいよいよ諦めて、ミツユースの外に他の宝剣でも探しに行くかと思い始めていたときだ。俺に賭けをさせるだけのカードが提示されたんだ。」
「それが警備隊によるデビルズの一斉逮捕か…」
「そうさ。驚くことにデビルズは短期間で急速な勢力の拡大を続けていて、とても無視できない物になっていた。元は小規模とはいえかなり暴力的なグループだったみたいだし、送り込んだデンテンスとヴァロイにそういう才能があったのかもな。言っておくけどあいつらの犯罪に俺は加担していないぜ?怪しまれないようにあいつらとはミツユースにバラバラに入った2年前から、今まで全く会っていなかったからな。あいつらとは今日久しぶりに顔を合わせるつもりだったんだ。最も、それは無理になったみたいだけどな。」
笑顔で語りを続けるダグだったが、そこで無表情になり血まみれで倒れるデンテンスを見て、それからクロノスを見た。その表情にクロノスは「飼い犬を殺されたが、まあ所詮獣だ。」と思っているように見えた。
「だいぶ話がそれてしまったが、戻すとしよう。警備隊から漏れた情報を得た俺は考えた。せっかく育てたデビルズだが、捕まってしまえば台無しだ。だったら最後にはじけてもらおうってな。こっそりこいつらに一斉逮捕の話を、念のため持っていた通話の魔道具を使ってリークして今回の作戦を説明した。一斉逮捕の日に、下っ端をとにかく裏町中で暴れ回らせろってな。もちろん屋敷にいたやつらも含めて、全員だ。そしたら後は知るとおり。デビルズの目が無いと誤解したファリスは、こうして俺たちを宝の元へ導いてくれたわけだ。はい長話終了。」
「つまり浮浪児共を捨て駒にしたわけか?」
「別にいいだろ?あんなゴミ共どうなったって。むしろ今まで飢えることもなくいろいろ楽しめたんだ。感謝してほしいくらいさ。薬もくれてやったから派手に暴れてくれたならそれで僥倖。さて…」
話は終わりだとばかりに、ダグはイノセンティウスを構えクロノスとファリスに抜刀の体制を取る。
「こうして宝剣イノセンティウスは無事ゲットできたし、全部話し終わって後は俺を知るお前達と幹部を皆殺しにしてミツユースからサヨナラするだけだ。ついでだから次の宝剣探しの資金に、財宝もできるだけもらっていくよ。さぁ、お前たちで早速イノセンティウスの切れ味を試すとするか。」
「できるとでも?イノセンティウスが宝剣なら、お前は使いこなせないんじゃないか?」
ダグの言葉を聞いてクロノスは挑発した。宝剣は持ち主を選ぶ。そのことは剣士の間では有名な話であり、それは与太話ではなく、宝剣を得た時から生活や性格が変わってしまい宝剣がその人の元を去ったという話を、クロノスはいくつも知っていた。だからこの男はどうだろうか?今までの集めた宝剣もただ自己満足で集めただけで、鞘から抜くことすら叶わなかったのではないかと。
「できるさ。俺は生まれつき宝剣に好かれやすい人間なんだ。知ってるか?宝剣は剣の才能に優れた持ち主を自ら選ぶ。初めて宝剣を手にしてから、俺の手に合わない宝剣は一本たりともなかった。いつだって剣に眠る力を100%、元の持ち主よりも引き出してきた。当然これも同じだ。」
そう言ってダグはイノセンティウスを勢いよく鞘から引き抜いた。イノセンティウスの刀身は真っ赤に輝いており、暗い地下の大部屋を隅々まで照らす。刀身そのものが光っているかと思えば、どうやらファリスが天井に放ったトーチングの魔術の、今は消えかけたわずかな光を吸収から増幅させて反射させているようだった。
「おお…これがイノセンティウスの刀身に使われていると言う、魔鉱石アーカネイトの輝きか!!ファリスの魔法のわずかな灯火でもこれだけの光を生み出すとは…!!」
イノセンティウスを抜剣したダグは、刀身が生み出す幻想的な輝きに強く感動しているようだった。掲げたイノセンティウスの角度をいろいろと変え、宝剣の隅々までを見渡す。
「アーカネイトは魔術の媒体としても最適な素材と聞くが、魔術の使えない俺には無意味な要素でしかないな。さて、後は切れ味を試すだけ…」
宝剣の輝きに酔いしれるように目を虚ろにしながら、ファリスに近づくダグ。逃げようと体を捩じらせるが縛られて動けないファリスだったが、すぐに体が自由になるのを感じた。見れば自分を縛るロープの紐は既に斬られていた。おそらくクロノスが斬ってくれたのだろう。
「ダグ。一つ聞かせろ。お前はなんで大金を集めていたんだ?デビルズを直接指揮していなかったのなら、金とは縁がないだろう。」
苦痛に喘ぐ体を抑え、ファリスはグランティダスに質問する。それは彼がダグの時代にしていた謎の行動。そこに最後の良心があったのではないかと推測していたからだ。
「ああ、それね!!単純に飽きちゃったんだよ。浮浪児と言う設定にさ。」
「なに?」
ファリスの質問にダグとして答えた彼の言葉は、絶望的なものだった。
「いやさ、子供に戻ったときは酒も煙草も薬も女も、ぜーんぶ楽しめなくなったんだけど、最近になって体が成長したら、また欲しくなってきちゃって。そんで楽しんでたら金なんかすぐに無くなっちゃうじゃない?浮浪児を演じる生活のストレスで、どんどん使い込んでまた盗んで…ホントそれだけなんだよ。心配させてごめんね!!」
真実を笑顔で答えるダグに、ファリスは怒りをとうに越してもはや呆れを覚えていた。実はファリスはダグが大金を集める理由を噂で聞いていたのだ。曰く田舎から身売りして娼婦になった少女に一目惚れし、彼女を見受けするためだとか。いないと思っていた自分の母親が実は生きていて、病気になった彼女の治療のためだとか。
「噂は所詮噂と言うことか。オレが勝手に勘違いして、お前に期待していただけなんだ。」
「そろそろいいかな?いい加減に斬るからね。」
「待てよ。」
クロノスの声にダグが振り返ると、そこには鞘から抜き、刀身をあらわにした剣を手にしたクロノスがいた。どうやらダグと戦うつもりらしい。今まで鞘を抜いていなかったことから見ても、クロノスの本気が見て取れた。
「ファリスを斬ると言うなら、まず俺が相手になるぜ。」
「終止符打ちが剣を抜くなんて、これは俺と宝剣イノセンティウスへの敬意と受け取っておこうかな。でも100%の力を発揮した宝剣に、その辺で売ってるようなごくごく普通の剣が敵うとはとても思えないね。」
「なら試してみるといいさ。」
クロノスの言葉を最後に、二人は真剣な面持ちで得物を構える。1分の時が経ったころだろうか。堪えきれず駆け出したのはクロノスの方だった。そして二人の影が交差し、ファリスが目視できない速度で何撃か斬り合っていたが、ついに互いに背中を向けて立ち止る打ち合いは刹那の内に終わった。果たして勝者は…
「クッ…!!」
膝をついたのはクロノスだった。膝をつくと同時に彼の剣が砕け散る。宝剣との打ち合いに耐えきれなかったらしい。勝ったのはダグの方だったか…
「宝剣に勝てるわけないだろ。さて、止めだ。ああ、イノセンティウスに最初に吸わせる血があの終止符打ちとは、今日はなんて最高の日なんだ!!」
勝利の美酒に酔いしれるかのように光悦した表情のダグは、膝をつくクロノスに止めを刺すべく彼に斬りかかった!!
「…た。」
「クロノス!!」
ファリスはクロノスを守ろうと駆け出すが間に合わない。そして宝剣の刃がクロノスに触れようとしたその時、宝剣の刀身が爆散した!!
「なっ、宝剣が…砕けた!?」
「腹減った。流石に宝剣相手に普通の剣じゃ相討ちが限界か。」
宝剣が破壊された事実を受け止められず、斬り込んだ体制のまま硬直するダグ。クロノスはダグの方へ振り替えると、コートの裏に隠し持っていた、宝物庫に落ちていた短めの剣を抜いてダグの心臓。その一点を貫いた。
「ッア…!!」
あまりの激痛に声を出したいダグだが、ヒュウと息が吐きだされるのみで声は出ない。やがて膝をつき、その場に倒れ込んだ。
「…どう…し、て…宝…勝てな…?ひゃく…出せ、るの…に…」
激痛を抑え込みながら、渾身の力で声を振り絞るダグ。彼が何を言いたいのかは、クロノスと戦いを見ていたファリスは理解できた。自分はどんな宝剣の力も100%引き出せる。それなのにどうして普通の剣を持つクロノスに勝てなかったのか?と。
屑だが最後には正々堂々と戦った男だ。謎が理解できないままでは死んでも死にきれないだろう。未練を抱えたままアンデットになられても困るし、せめてもの情けに教えてやろうとクロノスは答えを教えた。
「お前の宝剣の力を100%出す才能は見事だけどな。世の中にはお前よりもちょっとだけ強い、その剣の1000%の力を引き出すことができる人間もいる。お前は今までそういった手合いに会わなかっただけの事。ま、覚えておいて来世では上手く活かすんだな。」
つまり剣の性能ではなく単純に実力で負けたのだ。答えを聞いて満足したのかダグは青白くなった顔でニコリと笑い、そのまま息絶えたのだった。
「ダグ…」
ファリスはダグの元へ向かい腰を降ろすと、目を開けたまま死んだダグの瞼を閉じた。
「お前にはすっかり借りができてしまったな。何か返したいが、あいにく浮浪児のオレではな。そうだ。ここの財宝好きに持って行けよ。」
ファリスはサムズアップした手で後ろにある財宝の数々を指さした。
「いいのか?これだけあれば浮浪児の生活からはさよならできるかもだぜ?」
「ああ。元々オレはこの…宝剣イノセンティウスを守るためだけに生き延びてきたからな。それがない今、もうどうだっていい。」
「俺も別にいらないんだが…どうせ幾らにもならんだろうし。」
「?」
頭に?を浮かべるファリスに、クロノスは近づいてそのまま「彼女」を抱きしめた。
「…!!なっなにを…!?」
「言っただろう?俺が欲しいのは君だって。お前が手に入るなら、こんな財宝誰かにくれてやる。暗黒通りの門番ファリスは今日で終わりにして、なんでもないただの女の子リリファに戻れよ。舐められまいと男のふりをするのは辛かっただろう?」
「だから、その名で、呼ぶなっ!!」
クロノスに抱きしめられたまま彼をガンガンと殴りつけるファリスだったが、傷だらけの体の痛みと、抱きしめられた苦しさからか。やがて拳を降ろした。
「まぁそれが恩返しになるというのなら、足抜けでも冒険者でも何でもやってやるさ。」
「やりぃ。これからよろしくな、リリファ!!安心しろ。猫の手よりは役に立つ女にしてやるさ。」
「…どうでもいいが、そのダサイのはどうにかならないのか?もはやその名前を呼ばれることよりも気になって仕方がない。」
呆れたままのリリファは、自分よりも背の高いクロノスに顔をうずめ、抱きしめ返した。クロノスはそれをお返しとばかりに、いつのまに拾ったのかファリスのマフラーを彼女に大事に巻いてやるのだった。