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サカナ部の暇潰し’nシーサイド  作者: カカカ
第二章
21/51

第4話 料理するんだよ~チヌげっとだぜ!~


 本日一匹目のふぐがデデーン!っと参上してから、もう小一時間くらい経ったかな?


 その間はもう、ずぅーーーーーっとふぐのフィーバー状態!!

 初めの頃は時々アジが釣れてたから、なんとか精神を保っていられたんだけど…。

 でも今はもう、ふぐしか釣れてないっ!さっきからふぐばっかり!ふぐをキャッチ&リリースからの、即座にふぐキャッチ。ふぐの出血大サービス!いつまで経ってもふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐふぐ!!なんでふぐ捌いたらアカンのやーー!!!悔しい!ふぐの毒を食えない存在なのが悔しい!人間のなんと貧弱なことか!!!ヒトを超越したいっ! ふぐを、ふぐを喰わせろぉぉ!


「HUGUUUUUUUUUUUUUUUU!」


 ……まぁ、ディ◯みたいに吸血鬼になったら味覚変わりそうだし、ふぐが美味しくないかもだけど。

 あ、いいこと思い付いた。人間の味覚を極めたら、新たな味覚に挑戦してみるんだよ!

 猛犬が昇天しちゃうドッグフードとか、ライオンがゴロニャンしちゃう猫ご飯とか。

 めちゃくちゃ面白そう!

 鞭は使わず、ご飯で猛獣使いだぜ。


 とか考えてたら、ショウっちがトトキーの所へトコトコ。


 なんだろう?

 釣り中のトトキチに話しかけるなんて珍しい。

 ちょろっとお話してるなー、と思ったらいきなりトトッキーの気配が変わった。


 おお、そういえば普段の雰囲気はこっちだ。

 さっきまでは、何か注意力が散らかった感じだったね。

 こうして比べれば気付けるけど、ぱっと見て分かるのは素直に凄いと思うんだよ。

 本当に一番美味しい料理を出すためには、人を知る観察力はチョー大事!

 そこに関しては、よいしょっちに負けてるから少し悔しいかな。


 さてさて。

 トトキっちの集中力がバリバリに高まってるし、そろそろメインディシュであるチヌさんのお出ましかな?

 今の時刻はもう18時。

 もうお腹が空きすぎて、何でも美味しくなっちゃうんだよ!


 そういえば。空腹は最高のスパイスってよく言うっしょ?

 ……じゃあ、極限までお腹空いたらもう完璧なんじゃないか!?って思ったから、数年前に試したことがあったんだけど、これがもう本当にヤバかった!!

 3日くらい何も食べずに我慢してみたんだけど、その時点で料理作る元気も無くなっちゃった。大誤算!

 お父さんとお母さんが、結婚記念日の旅行で家を空けてるタイミングを見計らって、こっそり試したから誰かに何か料理を作ってもらう訳にもいかなかったんだよ。

 仕方ないから死力を振り絞って、炊飯器で白ご飯炊いてそのまま食べたんだけど、もう死ぬほど美味い!!!

 白ご飯、甘ぁぁあああっ!旨味がたっぷりぃ!身体中すべての細胞が、ずぉわぁぁあ!ってなって、頭おかしくなるかと思ったよ!

 ていうか、もはや口に入れる前からヤバかった。ご飯が炊ける香りだけでも殺人的だったし!炊飯器の蓋を開けて、炊き上がる前の芯が残りまくりでゴリゴリしたご飯を食べてしまおうと、何回思ったことかっ! 54回だよ!!


 いやぁ、凄く良い経験だった訳なんだけど、そうなってくると料理の完成度とか関係ないんだよね。むしろザ・燃料な感じの白ご飯とか食パンとかが最強。


 残念だけど、私が求めてるのはそれじゃない!

 てか真逆の方向かな?お腹いっぱいでも食べずにはいられない!みたいな美味しさが、わたしの狙うところなんだよ。


 さてさて、そんなこと言ってる間にトトッチの目がキュイーン!ってなってるんだよ。

 ガチの魔眼解放モードだね!

 てか魔眼って何なんでしょね?

 まぁ、魔眼だろうが違うものだろうが、釣れるから何でもいいね!



 竿があちこちに暴れて、糸がビンッ!ってなって。それでも乾坤一擲、全身全霊で釣りを続けるトトキっち。


 いつ見てもカッケェ!!!


「くぅぅぅ!」


 心臓にビンビンくる!!刻むぜビート、燃えるほどヒート!!!

 絶対に負けたくない背中が、あそこで頑張ってるっ!

 クラスの女子より全然大きくない、むしろ小さいくらいの身体。それを余すことなく、まるっと使っての大奮闘!

 珍しく叫び声まで上げて、何もかも出し尽くして。

 そういう勢いみたいなのが、釣り糸の先にいる巨大な獲物へと、全て注ぎ込まれる!


「いけっ、トトッキー!!!」



ーーーザバァーン!



 巨大な水飛沫が跳ね上がって、太陽の光がキラキラ反射して。

 その中に、メチャクチャ重そうなチヌが放り出される。

 まるで空を泳いでるみたいだな。

 って、思った。


 なんとなく、ほんの一瞬だったけど、トトっちと同じものが見えたんじゃないかなって……。

 ……そう思いました、まる。




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