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サカナ部の暇潰し’nシーサイド  作者: カカカ
第二章
19/51

第2話 料理するんだよ!〜こ、これが十六夜家の力か!?〜

 大理石の調理台、よーし。

 コンロの火加減、よーし。

 冷蔵庫の中身確認、よーし。


「うん、さすがだね!」


 本当なら海での料理って、ちょーっと面倒いんだよね。

 だって電気、ガス、水道ないし。


 もちろんやり様によっては何とでもなるよ?

 ライターと乾いた木材があれば火は作れるし、川から汲んでくれば水もあるし、電気はバッテリー持ってくれば事足りるし。

 てか電気はいらないし。


 それでも火と水を用意するのは、かなり負担になっちゃうんだよね。

 それはそれで良い点もあるんだけどさ。

 でも、火に至っては用意した後も消えない様に管理しなきゃいけないし。

 割と大変なんだよ。


「ふっふっふ。ところがどっこい!」


 ここは天下の十六夜家プライベートビーチ。

 備え付けの調理場が!なんと!!

 海の家みたいなノリで普通に設置されてるんだよ!!!


 まさに『THE コテージ』って感じのおしゃれ外観だけど、その中にはプロ御用達のあれこれが盛り沢山!

 業務用冷蔵庫はもちろん電気ガス水道のライフラインも完備。

 お金の無駄遣いがハンパねぇ!!!!


「このスットコドッコイ!」

「なんですの唐突に?」

「いや、改めて『美食バカだな』と思って」

「ふふ、照れますわ」


 しかも、この前に来た時も思ったけど、メッチャ綺麗に整備されてるんですねぇ~。

 シンクはピカピカ、コンロも清潔、壁や床はもちろん、天井にすらホコリひとつない徹底ぶり。

 こんな潮風全開な所だと、いくら屋内とはいえ鉄はもちろんステンレスだって全壊しそうなもんだけど、その辺の対策も万全だし。


「これって誰が整備してるの?」

「不肖、この私が整備しております」


 うやうやしく礼をする花森さん。


「このスットコドッコイ!」

「お褒めにあずかり、光栄に御座います」


 うん、いいね。このスットコドッコイ制度。

 癖になりそう。

 とか言って遊びながら、マイ包丁とマイまな板、そしてマイ中華鍋をリュックから取り出してセッティング。


 テッテレー!

「マイ調理器具ぅ(濁声だみごえで)」


 やっぱドラ◯もんやるなら初代の声のほうが面白いよね!


 さておき、包丁たちとまな板たちはシンクでさっと洗って、洗剤をしっかり流す。

 んで、水気を拭き取って準備完了。


 んで中華鍋はコンロにドーン!からのガス着火で空焼きっ☆


 いやいや、熱殺菌せずにスポンジで洗えよって?

 うん、普通のフライパンとか鍋なら洗剤で洗ってもいいんだよ?

 でも鉄製のこやつは別なのだ!


 んで、ちょろっと煙が出てきたら油をまんべんなくダバー。

 いわゆる……なんだっけ。飛燕斬り?


「油返しですわね」


 そうそれそれ。名称って覚えるの難しいよね。

 てか脳内疑問に対して普通にフォローをされてしまった。

 ショウっち、マジ半端ないっす。


 で、充分に油が馴染んだら別容器に油を移す。

 こうやって油を塗っていい感じにすんのが、中華鍋ちゃんとずっと仲良くする秘訣。

 まな板も包丁も中華鍋も。

 使えば使うほど良い味出してくれるんだよ!


「ふふふ、いつ見ても丁寧に使い込まれたよい器具ですわね。これまでに調理してきた数多の食材、そのエキスがたっぷりと染み込んでいると思うと感極まってしまいますわ」

「イザショウ、よだれ垂れてるよ」


 言ってる間に花森さんが気配もなく、ハンカチでお嬢さんの口元をすすっと乾拭き。

 いつもはお淑やかレディーなのに、食べ物が絡むと直ぐにこうなっちゃうんだよね。素晴らしい!!


 なにはともあれ。

 これにて、魚の受け入れ準備完了。

 トトキちんの所へ駆けつけちゃうんだよ!


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