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主人公の憂鬱
ないものねだりは人の性。
気付いた、時間が盗まれていると。
時計が進んでるわけじゃない。一日は二十四時間のままだ。
なんとも言えない感覚。頭と体の少しのずれというのだろうか、そんな感覚。
誰も気づいていないみたいで、いや、他に気づいていそうなのは二人。
おかしなことを言ってるやつら、正義だとかなんだとか、理解できないけれど。
……もしかしたら、あいつらなら、この可笑しな感覚の原因を知っているのかもしれない。
だからといって、尋ねようなんて思わない。だって、そういうのって、巻こまれそうじゃないか。
変な現象に巻き込まれてるだけで、既にフラグ立ってるようなもんだし、これ以上はいらない。
普通に生きていたいだけだからね。
それなりの学園生活送って、それなりの大人になって、家族とか作って幸せになりたいだけだよ。
全く、平凡が羨ましいよ。描かれてしまう集団の一人としてはね。
……また、非日常が始まるのか。
No.5250672
読んでいただきありがとうございます。