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2人だけの秘密

作者: レモン
掲載日:2026/07/28

 私は、今日子、20才の大学2年生。

 今日は、大学のサークル同士のコンパが控えている。今日子にとって、久しぶりのコンパだったので、とても楽しみだった。

 午後5時半、コンパ会場に向かった。庶民的な居酒屋だった。今日子のサークルは、女子5人で行った。相手のサークルは、男子5人だった。男子は、時間より早く来て、待っていた。

 一通り、自己紹介をして、じゃんけんで、席決めをした。

 今日子の隣に座ったのは、ヨット部キャプテンの国明だった。身長180センチくらいで、色黒で、精悍な顔つきをしていた。

他の女子4人も、国明のことを、カッコいいと、思っていた。

 国明は、今日子と、話をしていて、とても楽しかった。今日子は、お嬢様風な感じで、性格は、明るかった。国明は、今日子狙いだった。

 男性陣は、話もそこそこに、何やら、打ち合わせを、始めていた。女性選びは、キャプテンから、好きな人を選んでいく決まりになっていた。なので、したっぱの1年生は、残りの女性しか、あてがわれないのだ。なんとも、理不尽な話だったが、そうなっていた。

 当然、国明は、今日子を、指名した。今日子は、ヨット部の1年生の史郎の事を、いいな、と、思っていたが、史郎を選ぶことは許されなかった。しかも、史郎は、キャプテンの、女には、手を出せないことになっていたのだ。

 居酒屋での1次会が終わり、そのお店を出た。10人は、それぞれにカップルになり、それぞれに、別行動になっていた。

 当然、今日子は、国明と行くはめになった。今日子は、国明のことは、それほど、意識はしていなかったが、悪くは、思っていなかった。国明は、夜の公園の方に、誘導していた。

ベンチに、2人で座り、しばらく、話したあと、国明は、今日子に、キスを迫ってきた。今日子は、それをようやく、かわした。今日子は、女子高校で、今まで、男性とは、付き合ったことがなかったのだ。

 歩きながら、2人は、国明のアパートに、着いた。国明は、自分の部屋に、誘導した。今日子は、無防備なまま、国明の部屋に入った。すぐに、今日子は、国明に、抱きしめられた。そして、国明は、その先に進もうとしていた。それも、今日は、ようやっとの思いで、さえぎった。

 国明は、付き合おう、とは、言わなかった。

今日子は、肉体関係だけを、求められているようで、嫌だった。その日は、それで別れた。

 大学内でも、国明は、評判のモテ男だった。

今日子は、他のきれいな女子達が、国明のことを、素敵だ、と、話しているのを聞いた。それから、国明のことが、とても気になるようになっていった。

 国明から、地元のお祭りに一緒に行かないか、と、誘いを受けた。その頃には、国明の事が気になりだしていたので、誘いにのった。国明と一緒にいたくなっていたのだ。

 国明と並んで歩いて、いろいろと、話した。

その中で、国明は、2人の関係は、秘密にしてほしい、と、話してきた。今日子は、生粋のお嬢様で、疑うことを知らなかった。なんとも思わずに、いいよ、2人だけの秘密だね、と、言って笑った。それが、後に、どんなことになるかも知らず…

 国明は、大学4年生だった。就職を控えていた。都会ではなく、地元に帰って、就職することを決めていた。

 今日子は、もうすぐ、別れがやってくるかもしれないと、思って、悲しかった。離れても、つながっていられるだろうか、と、不安に思っていた。

 ある日、コンパに一緒に行った仲間の1人、今日子の親友、智子が言った。「噂で聞いたんだけど、国明さんて、同じサークルに、彼女がいるみたいよ。」と。

 今日子は、「まさか。」と、言った。

 国明を、信じたい気持ちと疑う気持ちとが、交錯していた。頭が、パニックになった。

 今日子は、国明を、呼び出して、聞いてみた。「彼女がいるって、本当なの?」国明の返事は、冷たかった。「ああ、いるよ。」今日子は、言った。「なら、なんで、コンパなんかにきたの?」国明は、返事をしなかった。

 今さらながらに、今日子は、自分のバカさ加減に気づかされたのだった。だから、あの時、2人だけの秘密、って、言ったんだ。今日子は、悔しくて、涙も出なかった。あまりにも、ひどすぎると、思った。

 しかも、コンパに来た、男性陣は、みんなそれを知っていて、隠していたのだ。

 あとで聞いたが、国明は、付き合っている彼女と、卒業したら、結婚するらしいと。

 あまりの結末に、今日子は、悲しみを通り越して、自分にも、国明にも、怒りがこみ上げていた。

 2人だけの秘密というのを、今日子は、いいように解釈してしまった自分がみじめだった。

自分が、いかに甘ちゃんだったのかを、わかりすぎるくらい理解した。悲しかった…

 そんな時、今日子の所属しているサークルに、史郎が、今日子に、話しがある、と、尋ねてきたのだ。

 近くのカフェに行き、2人で話し始めた。史郎は、コンパの日のことを、話し始めた。「あの日、俺が、いいな、と思ったのは、今日子さんだよ。国明先輩がいたから、言い出せなかったけど。」と言ったのだ。今日子も、「私も、あの日、最初にいいな、と思ったのは、あなただったのよ。」そう言った。

 史郎は、言った。「俺は、大学1年で、年下だけど、良かったら、付き合ってください。」

今日子は、「こちらこそ、よろしくお願いします。」と言った。

今日子は、自分は、世間知らずで、騙されやすいけど、世の中、悪いことばかりではないのだな、と思っていた。

そして、今度は、史郎と、本当の意味での、2人だけの秘密を持てたらいいな、と思った。

 


 

 

 

 


 



 

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