デカい頭
これは私が小学6年生の時の話です
住んでいる土地の歴史を知ると言う課外授業があり私達のグループは学校の近所の山の上にある神社の云われを調べる事になりました。
6月のある晴れた日に午後の授業が振り替えで課外授業の時間に変わり、教師1人クラスメイト4人そして自分を合わせて6人で山の上にある学校から山伝いでその神社へ行くことになりました。
学校を出発して10分程歩くと木々が生い茂る山の中にコンクリートで舗装された遊歩道に辿り着きました
晴れた6月の午後ということもあり太陽は強く照りつけていましたが、山の中は木々で直射日光が当たることは無く少しじめじめする程度でそれほど不快感も無くクラスメイト達と喋りながら遊歩道を歩いていました
ある程度舗装されている遊歩道というだけあり数分毎にウォーキング嗜んでいるおじ様おば様とすれ違うことがあるのでその度に小学生らしくみんなで元気よく挨拶をしていました
神社は遊歩道を20分ほど歩けば辿り着くのでその間すれ違う方々と挨拶を交わして歩みを進めていたところ…
それまでうるさかったクラスメイト達や葉が風で擦れる音が急にスンッっと音が静まり、そして視界が少し薄暗く感じたのです。
少し歩き疲れてた私は最後尾で地面を見ながら歩いてたので、急に音が消える妙な異変に気が付いて目を地面から離し前を見てみると、静かではありますがクラスメイトも先生も変わらず歩いていました。
不思議な感覚に包まれながらも皆の事を見ていたら奥の方からスーツ姿の男性が歩いてくるのが見えて
(あぁ挨拶しなきゃな…けど疲れたから挨拶面倒くさいなぁ)
などと頭の中で考えてたのですが、何かおかしい?歩いて来る人の頭と身体のバランスが変、身体が小さい?いや頭が異様に大きいのです
そして顔が暗く(もしくは黒い?)ので表情が見えなかったのです、これまですれ違った方々の顔はしっかり見えていて笑顔で挨拶していたはずなのですが、その頭のデカい人は逆光でも指しているかの様に暗く見えたのです
だんだんと近付いて来ると更に頭のデカい異様さが際立ち、人間ではあり得ないほどの大きな頭を認識することが出来ました、頭だけで畳で半畳程の大きさ約1m四方のデカさでした。
背広は着ていない白いYシャツ姿でネクタイを締めていてズボンも革靴も普通に履いている…頭の大きさ抜きにして身体だけ見れば普通の格好に見えるスーツ姿なのですが、今いる遊歩道には似つかわしく無く山の中の景色に異物感が混じっている気持ち悪さを感じました
そんな風に感じている内にそろそろすれ違うタイミングが来たので何も考えずにこれまで通り挨拶をしなきゃいけないと思い、息を吸い込んだ時に異変を覚えそのまま息を止め歩き続けました…そう…少し先を歩いてるはずのクラスメイトや先生が挨拶をしていなかったのです…
もしかして先生やクラスメイトには頭のデカい人が見えていないのだろうか?…それどころか意識はあるのだろうか?みんな歩き続けているけど背中越しに感情が見えない…ただ黙々と歩き続けている…
そうこうしてる内に私の横をソレが通り過ぎる時が来たのですが……何も起きない……ただ通り過ぎただけでした…
息をプフゥと吐き視線をクラスメイト達に向けると何事も無かった様にワイワイと喋りながら歩いているのが見えました
今のなんだったんだろうか?先生に聞かなきゃと思い先生に「今の人すんごい頭でかかった!」と聞いたところ
「んん?今誰かとすれ違ったっけ?」と振り返ったので一緒に振り返ったのですが誰も居ない…真っ直ぐな道なので後ろ姿が見えないとおかしい…
おかしな子供に思われたくなかったので勘違いって事にし、その後は何事も無く神社にたどり着き課外授業もつつがなく終わりました
実はこの話には後日談があります。
頭デカイ人に会ったと親戚の叔父さんに伝えると
「あぁ!俺の同僚もあそこで頭デカイ人見たって言ってたなぁ!多分あれは神様的な存在なんかじゃないかなぁ?だって神社も近いし怖い感じもしないって聞いたよ」
なぁんだぁと胸を撫で下ろし安堵していたら後ろから母が
「けどあそこの山って首吊り自殺が何回かあったわよね?頭がデカいってそういう事じゃないのぉ?」
頭が異常に大きい…首吊り…鬱血し赤黒くなって表情が見えない顔…山に似つかわしくないスーツ姿…
神様だとしたらスーツ姿でしょうか?
私は母の考えの方が正しいのかなと思っています…
読んでくれてありがとう…
供養出来たよ…




