ep. 73 OKOU
香りを運ぶ無線『OKOU』を発明した。これで俺も世紀の発明家の仲間入りだ!
香り成分を分解して持ち運び、いつでも遠くにいる相手に届けることができる。
我ながら、いい発明だ。
早速、助手に『OKOU』を見せた。
だが、反応は芳しくない。
「それって香水と何が違うんですか?」
「香水は自分しか持てないだろ? 離れたところから相手と香りを共有できるところがミソなんだ」
「香りの強さを受けて側は調整できるんですか? 音量みたいに」
「それはこれからの課題だな」
助手は理解を示してくれない。やはり、俺のような天才についてこられる者はいないのか……。
「この発明の良さは、君でもわからないのか……」
俺の発言に助手は呆れ顔でこちらを見た。
「そんなでかいもの携帯できないですよね」
むむ。確かに、肩掛けカバン位のサイズではある。
だが、最初の携帯電話はこれくらいの大きさだった。大きさも音量と同じく、これから改良すればいいことだ。
「香りって凶器になるんですよ。匂いで頭痛や吐き気を催すこともありますし。スメハラって言葉、ご存じです?」
それはそうだが、物は使いようだ。ダイナマイトやX線だって、最初は戦争用に発明されたものだが、今は我々の日常生活にも役立っている。
「そもそも、匂いを届ける発明ってもうされてますよね? 商業施設で実用化もされてます」
「マジで?」
「マジで」
俺は黙って『OKOU』を見つめ、おもむろに起動ボタンを押した。
「「くっさ!!!!」」
全ての匂い成分が混ざり、強烈な刺激臭が研究室を覆った。放出される量も尋常じゃない。
「これ、失敗でしょ!」
……そうだな。
Q. お題:4/11は何の日?
A. お香の日、発明の日、世界アマチュア無線の日




