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1・金属女子高校生……学校に遅刻寸前


○ 金属生命体の銀ノ星、通学路(朝)


  制服姿の女子高校生。

  軟質金属のバターを塗った、柔らかい金属パンを口に咥えて。

  通学路を超高速で走っていく女性高校生『ヨシツネ』


ヨシツネ「深夜アニメを続けて観て、寝坊したぁ」


○ 走る速度を上げるヨシツネ。

 後方に衝撃波が発生して、さまざまなモノが吹っ飛ぶ、


○ 前方にロボット研究所のような学校の校舎、自動で閉まりはじめる。校門の鉄柵。チャイムの音。


ヨシツネ「まだ、閉めないでぇ! 生徒が一人、校外にいまーす!」


  ヨシツネ、そのまま校舎を貫通して走り抜ける。

  崩れた校舎の下から。

 同じ形の校舎がタケノコかキノコのように、ニョキニョキと生えてきて元通りになる。


   ✕ ✕ ✕


○ 学校のお昼休み、中庭でお弁当を食べようとしている、ヨシツネとヨシツネの友だち。


  ヨシツネのランチパックの中身、ネジやボルトやナットやスプリングが。

  混ぜご飯やオカズのように入っている。

  ヨシツネの男友だち『ヨシナカ』エンジンオイルをコーラのように飲みながら。

  電球コードがヤキソバのように、メカニックなパンに挟まったモノを食べる(ヨシツネの友だちも人の皮をかぶっている)


ヨシナカ「とりあえず、ヨシツネはパワーのセーブを覚えろよ……今月に入って3回目だぞ、校舎が地面から生えてきたのは」


  ヨシナカの隣に並んで座っている女子生徒の『トモエ』

  ランチボックスから、乾電池のようなオカズを箸で摘んで口に運ぶ。


トモエ「ヨシツネが町内の平和を守ってくれるのは嬉しいけれど、破壊する建造物も多すぎ」


  その時、三人のスマートフォンに鳴り響くアラーム音とバイブ。


アラーム音声「巨大金属生物襲来です、安全な場所に避難して野外には出ないでください」


  立ち上がったヨシツネが眺める遠方、爪足で四足歩行のダニのような巨大金属生命体が。

  こちらに向って進行してくるのが見える。

  巨大生物の足元では、次々と建物が破壊されている。

  地面に引かれた区分の線を越えて、ヨシツネが住む町内区分線に銀色に輝く巨大金属生物が侵入してくると、やっとヨシツネは重い腰を上げた。


ヨシツネ「この町内商店街は、あたしが守る……飛んで来い来い、『ベンケイ』」


  ヨシツネの言葉に、エプロン姿の巨大ロボット金属生命体『ベンケイ』が薙刀(なぎなた)を手に飛んできた。

ベンケイ「呼んだ? ヨシツネ」


ヨシツネ「うん、呼んだ……ご町内商店街の安全を守るために」

ベンケイ「他の地域の商店街は?」


ヨシツネ「知ったこっちゃない」

ベンケイ「相変わらずの、自分の町内だけガーディアンの性格で」


  ヨシツネの人皮膚とオプション化している、金属繊維の制服が戦闘用のレオタードに変わる。

  跳躍してベンケイのコックピットに駆け上がるヨシツネ。

  ベンケイが薙刀(なぎなた)を風車のように回転させて、近づいてくる巨大金属生命体を威嚇する。


  遊んでもらえるかと思った金属生命体は、尻尾を振って逆に走ってきた。

  薙刀を地面に突き刺すベンケイ、地中の水道管が切断されて、地上に噴出された噴水が虹を生み出す。


  金属生命体に抱きつかれて、倒されるベンケイ。

  尻尾を振る金属生命体は、ベンケイの顔をペロペロとナメた。

ヨシツネ&ベンケイ「よし、よし、よし」


  巨大金属生命体は、地球で言うところの勝手に学校の敷地内に入ってきた、犬のような存在だった。

  こうして今日も、町内の平和は守られた。

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