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マヨネーズ不足

「ナフキンを使って涙を拭いているのだから、ハンカチを準備してお渡しする、それから新しいナフキンを準備する。どれくらい泣くのか、泣いている間他の方がどのような様子なのか。食事が止まりそうならそれを料理長に伝える。火の通り具合を調整しなければならないこともあるから。次の料理が冷めたり悪くなったりしない物であれば、廊下にスタンバイしていつでも準備できるようにする。それから、もう泣いている人がこの後食事をとれないような状態になることもあるから、休憩室に案内できる準備を。その際冷やしたタオルや、気持ちが落ち着くように香りのよいお茶などを出せるようにしておくこと!」

 パチパチパチ。

 思わず、あまりのすばらしさに拍手をしてしまった。

 ミミリアが今度は恥ずかしさに顔を真っ赤にして私の顔を見た。

「ありがとう。勉強になるわ。ふふ、じゃぁ、食事を再開しましょう。あ、マヨネーズ美味しいでしょ?でもお代わりはないわよ、イザート」

「は?お代わりがない?なぜだ?これほど美味しければ、俺がお代わりしそうだと料理長も分かると思うが」

 ちょうどいい。このまま話を続けさせてもらおう。

「材料がないの」

「材料?」

 イザートが器に残ったマヨネーズを名残惜しそうに野菜スティックでこそげ落とすようにつけながら口を開いた。

「生クリームか?酸味があるのは何かのフルーツ?いや、何が使ってあるんだ?」

 生クリームか。確かに少し泡立てた生クリームのようなとろみといえば近いけれど。生クリームも油成分多いからそこも近いといえば近いけれど。

「油よ」

 私の言葉に、セスが納得したように頷いた。

「なるほど、油が材料の一つですか。それならば、たくさんは作れませんよね。油は貴重ですから。調理場にもたくさんは置いてないでしょう」

 セスは物の値段もしっかり把握しているようだ。

「そうなの。イザート、聞きたかったことの一つなんだけれど、闇侯爵領では油を購入できるだけの豊かさはある?購入といっても、お金ではなく、食料と交換はできる?」

 イザートが首を傾げた。

「どういうことだ?」


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