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■加護なしハズレ闇侯爵の聖女になりまして~ご飯に釣られて皇帝選定会に出ています~  作者: 富士とまと


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手作り化粧品

「……アイサナ村?食料支援……失礼いたしました。でしたら、それこそイザート様にご相談ください」

 そうか。そういう大掛かりなプロジェクト的なものは、上司に確認しないといけないのは当たり前よね。

 部屋に戻ると、この前よりもずいぶんと美しい化粧をしているメイとマーサがいた。

「まぁ、ずいぶん化粧の腕が上がったわね」

 正直な感想と伝えると、二人とも嬉しそうにニコニコと笑った。

「ありがとうございます。リコ様のご指導のおかげです。皆、めきめきと化粧の腕を磨いております。もともと小さな目が、化粧によって2倍にも大きく見えることに泣いてしまった者もいるくらいです」

「泣いたの?」

 びっくりして声を上げた私に、メイが頷いた。

「はい。コンプレックスだったようで。美しい姉がいて、いつも容姿を比較されて辛い思いをしていたようなのです。それが、化粧で別人のように美しくなることができると知って……」

 美しい姉と比較され続けた妹か……。うちはかわいい妹に冴えない姉だったけれど……。

「あなたとは違って天才よ。ピアノの才能があるの!何の才能もない平凡なあなたとは違うのだから、妹のために我慢してちょうだい」

 何度となく言われた言葉。

 ……妹と容姿で比較されて母に何かを言われたことはなかった。コンプレックスにならなかったのはそのおかげなのかもしれない。7歳も離れていたから、学校で何か言われるようなこともなかったから。

「リコ様に教えていただいた技以外に、独自に開発しようとしている子もいるんです。そばかすの上手な隠し方を研究したり、色白に見えるように、わざと青白い血管を額に描く者もいるんですよ」

 ふふふとメイは笑った。ああ、そういえば本で読んだことがあるよ。西洋で、実際に血管を描くメイクがあったとか。

 そばかすは消すには日本だとコンシーラーとか使ったり、カバー力の高いファンデーションを使ったりしたけれど。

 この世界だと、おしろい程度のファンデーションしかないんだよね。他のメイク道具はかなり充実しているのに。

「おしろい……顔の色の粉を油とかアルコールなどに溶いて絵具のように顔に塗ってはどうかしら?」

 手作り化粧水は有名だけれど、手作りファンデーションも作っている人がいると本に書いてあった。色の粉に、無水エタノールと酸化しにくい油を混ぜて作ると書いてあった気がする。エタノールはアルコールだよね。

 リキッドファンデーションは乳化剤が必要だけれど、乳化剤として使われる何とかっていうのは科学式とか出てくるような加工品だったはず。……マヨネーズを乳化させる役割があるのは卵黄らしい。白身洗顔という美容方法もあるし、卵を顔に塗るのは、卵アレルギーが無ければ問題ないはずだ。そういえば、卵の薄皮をアルコールに浸して成分を抽出して化粧水を作る方法もあったはずで。

「えーっと、マヨネーズを作るみたいに、卵黄とオリーブオイルと水を使って作るのもできないかな?」

 卵を使えば日持ちはしないものしかできないだろうけれど。当日使う分には問題ないだろう。

 メイがきょとんとして反応がない。


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