5 少女ともふもふとオーダー
一応もふもふ回かな?
書類の整理がようやく終わって会議室でゆったりしていると、先程の少女、14番目の大戦の戦犯が俺の隣に座った。うん、落ち着かないし、気まずい。原因は明らかに分かっているが、ここでさっきのことを掘り返さないで欲しいだろうし、席を離そうにも、席は指定されているのでそれは出来ない。しかも、俺たちの周りに誰もいない。1番、ロスラエルは14番から一つ離れた席に座っているし、12番はまだ気絶中でいないし、他にも何人かいるが、空気の悪さを感じてか、だれも近寄ろうとしない。仕方がないので、ルルを呼び出す。
「ヤッホー、ランド!ルルだよー!」
「あ、ごめん。今は小声で、後狼の姿がいい。」
俺がそう言うとルルは、
「分かった!」
と返事をし、そして、光った。光が収まると同時に狼の姿をしたルルが俺に飛びついて来た。うん、これだ、ルルの毛はとてもフワフワして気持ちいい。そんなふうにルルとじゃれてると、14番が、
「いいな、私ももふもふしたい。」
とボソッと言った。次の瞬間、少女は頬を赤らめさせ、
「やっぱ今のなし!」
と、慌てて言った。そんな少女に、ルルはもふもふな尻尾を少女に少し触らせ、すぐに離した。だが、彼女にとってその一瞬が気持ちよかった様で、
「フワ〜。」
と、緩みきった声で言った。そしてまた、再び慌てて何か言おうとするが、ルルに視線で確認を採り、
「正直になるなら、触ってもいいよだって。」
と言った。次の瞬間、少女はルルに飛びついた。
「ーーーっ、ふわふわしてて気持ちいいよ〜。」
と言いながら、五分ぐらい抱きついて、ずっと触ってた。ちなみに、その五分の間にようやく大体の戦犯が集まってきた。もちろん、メテオもしっかり復活しているようで、俺の横に座って、それは興味深そうにルルを見ていた。彼女の場合、なんかロクでもないことを考えていることが多いと、ロスラエルが言っていたが。しかし、まだ何人かが来てなかったので、会議が始まらなかった。そういえば、
「15番目の戦争終わったのか?」
結局、どうなったんだ?と思い、聞いてみた。すると、
「まあ、話はするが、まず一言、そこの遊んでいる2人?1人と1匹を止めろ。」
と、ロスラエルから言われたので、止めに入ろうとしたが、
「おーい、一旦やめてくれ、えーと。」
「あ、そういえば自己紹介がまだだったね。私は、ヘルム・アスタ、一応魔界の王族に当たるかな?よろしくね。」
そういや、自己紹介なしに遊ばせていたのか。相変わらずルルは誰とでも仲良くなるなぁ〜。って、そういうことじゃなかった。てか、
「王族って、結構いるんだな。」
「いや、そうじゃなくてな。」
「あれ?皆さんもう揃ったんですか?」
そう言われるとまだなんだよなぁと思いつつ、
「そういや、まだ来てない奴は?」
そう聞くと、
「えーと、今いねぇのは……2番、は欠席すると聞いたから、あとは、6、7、8番の4人がいねえな。あと、15番を迎えに行っている4番だな。」
「あ、そういや、4番と14番は知り合いか?」
「あ、えーと、14番って私かな?いや、てか、こんな集まり?みたいなの自体知らなかったし。」
まあ、だよなぁ。にしては、4番の名前とたまたま同じなんて、不思議だよなぁ。
「……命令遂行完了した。そして、ランド、考えてることが筒抜けなのはいいのですが、私と同じ名前とは?説明を要求する。」
「うわっ!」
「相変わらずだな、4番、タナトス。あと、ご苦労様と言ってやりたいが、帰還したなら、まず、ただいまとか、なんか言え。」
「配慮する必要性の説明を要求する。」
「…もういい。よし、これ以上遅れる奴は知らん。さっさと始めるぞ。」
なお、許可無く触るとぶっ飛ばされます。