4-初めての食事
ルーナ特製スープは、驚くほど美味しかった。
トロトロのクリームスープは野菜と鶏肉のうま味が凝縮されていて、しっかりと味を感じるのに全くしつこくなかった。体に染み渡り、全身が温かく喜んでいると感じる。たしかに、ジャガイモは煮崩れていてほとんど溶けているが、それも計算と思えるほどに、舌触りがいい。まだ口に入っているのに、行儀悪くもっと食べたいと口に運んでしまいそうになる。無言でかきこんでいると、
「・・・はははっ!!よっぽどおなかがすいていたのね!大丈夫よ、3人で食べきれないくらいたっくさんつくったから!おなかがびっくりしないように、ゆっくり食べてね」
とからっとした笑いとともにルーナが言った。その笑顔に見とれつつ、手を止めない自分に、少し恥ずかしくなってしまった。
顔を赤らめながら、こんなに食事を美味しいと感じるのはいつぶりだっただろう。と思う。仕事に追われ、重責に耐えながらなんとか過ごしてきたためか、栄養さえとれればよいと、食事に重きを置いたことがなかった。最高の食材でつくられた食事を食べてきたはずなのに、今食べているスープ以上のものを食べたことがないように感じた。
4回目のおかわりのスープをすくっていると
「ところで、貴方はこれから行く先はあるの?」
そう聞かれた。
「・・・大変図々しいお願いなのですが、ひと月ほどおいていただけないでしょうか。」
本当は、ここまで回復していればすぐに追い出されても何とかなる。優秀な側近たちだ、すでに敵を制圧しこの森の中に入っているだろう。でも、出ていきたくなかった。彼女のそばにいたかった。
「・・・そう。わかったわ。じゃあこの家においてあげる。私は優しいから。」
彼女はまたからっとした笑いとともにそう言った。とてもホッとした自分に笑いそうになりながら、心から感謝を述べた。もちろん自分を置いてくれるといった彼女と、そして出会わせてくれた神にも。




