承
前回の続きです。
痔が出来る前〜アナルとぼくが悲鳴をあげる手前までです。
新規の案件or既存の修正などの依頼を受ける。
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修正案のラフを送る。
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クライアントとのやり取りの後入稿。
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パーティー
大まかにこんなやり取りをひたすら行う。
そしてパーティーを続けたある日、僕のアナルさんに異変が起こる。
トイレに行き用を足そうとすると何か引っかかる。
最初はこの程度で済む。それも良くない。何せ今、アナルに何がどうなっているのか全く気づけない。
人は一生自分のケツの穴を肉眼で見る事は絶対に出来ない。故に日常的に生活を送っていても事が起こるまでその異変に気付かない。
多分メキシコや中東辺りのギャングだって斬首の刑の後「ほら、これがお前のアナルさんだよ」なんて生首をケツに近づけて見せるような事は無かったはずだ。断言できる。
この時点でもう取り返しのつかない所まで来ている。
それは引き絞られた弓矢のように一方通行で痛みを届けに来るのだ。
初めに訪れる異変。それは挨拶。大き方のトイレの最中にアナルさんの側面から「こんにちは!」って大豆がぴょこんと飛び出して挨拶してくる。こちらとしても「えっ…お、おう…ん?」としかならない。
最初は挨拶程度で済む。そして用が済めばケツを拭く。
この挨拶こそがお豆さんの罠なのだ。
何も感じないし違和感ないから人間は普通にケツを拭く。
この時にウォシュレットのみorダブルロールエンボストイレットペーパーで他人の赤ちゃんの頬を撫でるように優しく拭いたのなら話は違ったかもしれない。
だがアナルは見えない。無知故に普通に拭く。
人は知らず知らずのうちに誰かを傷つけてしまうもの。
お豆さんの正体は傷ついてバイ菌と戦って膨れたアナルの壁であり腸壁。つまりは内臓だ。
ぷっくりこんにちはしたお豆さんは、まだ産まれたてなのでまだ面の皮が薄い。ぷーっと膨らんでいるので皮が薄くなっており傷がつきやすい。
それを僕はあろうことか公衆便所のやっすい硬い紙でガシガシ拭いてしまったのだ。
お豆さんは傷つき、バイ菌から立ち直るために一回り大きく成長し、また大きい用の時に挨拶をしてくる。
何度も何度もトイレのたびに傷つき、またケツの穴に帰って行く。そうやって人間も痔も成長していくのだ。
この頃からお豆さんは1人でお家である穴の中に帰れなくなってくる。お豆さんも人間と同じで自分の痛みには中々気がつけない。時折トイレットペーパー越しに指で押し込まないと行けなくなる。
だが、痛みは無い。お豆さんの心も大きさも限界に近い。
人の心もふとした時に壊れてしまう。限界まで水を注いだコップのように表面張力がキャパシティが限界まで達したら一滴の水滴で溢れてしまう。
ぼくと、痔の、悲鳴は、近い。
誤字等がありましたら教えて頂けますと助かります。
ここまで見てくださった方、心とアナルよりの精一杯の感謝を申し上げます。
汗水血を色々流して書いた甲斐がありました。