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第20話〜¨マリア¨

第十二支部、支部長室にて



秘書の言葉にスヤマギは一瞬呆然とする。


そして言われたことが頭に染み込んでくると、秘書につかみかかった。


「それは本当か!?¨騎士¨が敗れた…?あいつの実力は第一研究所の連中と比べても数段上なのだぞ!」


「ええ、¨騎士¨は¨侍¨に敗れました。そしてこの支部の機能も壊滅的に破壊させていただきました。後はあなたを始末すれば終わりです」


あくまでいつも通りの平坦な声で秘書は答える。


それにスヤマギはまたも呆然とする。


「な、何を言っているんだ?¨侍¨だと!?それに破壊したとはどういうことだ、説明しろ!!」


秘書はスヤマギの言葉を無視し、扉を開けて外の人物を招き入れた。


「なっ!?」


スヤマギは入ってきた人物が抱えていたものに目を奪われる。


「そ、それは¨マリア¨ではないか!!どうしてお前がこれを!?」


スヤマギは激しく動揺すると、入ってきた人物が抱えた金髪の女性を恐れるように後ずさった。


「ああ、あなたはこれが何か知っているようですね。これは思わぬ誤算だ。それではあなたが知っていること全てを話していただけますか?別に話したくないのならば構いません。ただ少し眠っていただきます」


女性を抱えた警備員の服を着た男が一歩踏み出す。


スヤマギは男よりも¨マリア¨の方を恐れているようだ。


秘書がそんなスヤマギを無視して¨マリア¨と呼ばれた女性の額に触れる。


途端に秘書はその場で崩れ落ち、入れ替わりに女性、いや¨怪人¨が瞼を開く。


「ふぅ、それじゃあ話してもらえるかしら?この体の持ち主のことを」



第十二支部、中央エリアにて



¨侍¨は絶命した¨騎士¨から仮面を取ると自らの顔に取り付けた。


そして頭に手をやると、オールバックの髪をくしゃくしゃにして前に下ろした。


目元は隠れ、¨騎士¨と全く同じような顔になる。


さらにボロボロになったスーツを脱ぎ捨てると、¨騎士¨の着ていた白い戦闘服の上着を羽織った。


最後に¨侍¨は¨騎士¨の無事な方のレイピアを抜き出すと、まるで十字架のように死体の前に刺した。



第十二支部、支部長室にて



床に崩れ落ちた秘書は、何故ここにいるのか分からないといった面もちで立ち上がった。


一方スヤマギは動き出した¨怪人¨を見て目がこぼれ落ちんばかりに瞼を見開いている。


それに¨怪人¨が静かに詰め寄っていく。


そして顔を元に戻した¨ドクター¨が逃げれないように出入り口をふさぐ。


「答えなさい、スヤマギ。あなたは私達が脱走したとき第一研究所にいたわね。あなたは研究所の中でも高い地位にいた。それが何故こんな辺境の支部なんかにいるのかしら。もしかして何か知ってはいけないことを知ってしまったのではないかしら?」


¨怪人¨の言葉にもスヤマギは混乱してるのか反応しない。


ただ¨怪人¨を見て何か呟いている。


「¨怪人¨、どうやら直接脳を覗いたほうが早そうだ。後少しで¨侍¨が来るだろうし急ごう。今の¨侍¨はスヤマギの顔を見ただけで殺しそうだ」


¨ドクター¨は秘書を気絶させるとそう提案した。¨怪人¨は頷くとスヤマギの額に手の平を置いた。


気絶したスヤマギに改めて触れると、¨怪人¨はその場に崩れ落ちた。


¨怪人¨、記憶にて


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