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第10話〜ジミー博士

研究所入り口付近、穴より



¨ボーン¨は予定より数分ほど遅れて穴に飛び込んだ。


垂直な穴を3mほど落下し、着地すると暗闇に目を慣らす。


「遅れてすまない、¨ツチノコ¨。ディスクの内容を記録するのに手間取った。しかしおかげで興味深い…」


しかし穴には¨ツチノコ¨の姿はなく、気絶したままの服を剥ぎ取られた若い男2人しかいない。


「¨ツチノコ¨?」


そっと呼びかけてみるが返事はない。


不振に思った¨ボーン¨は一旦穴から出る。


「(おかしいな、彼が時間に遅れるなんて。もしかして何か問題が?)」


その時、研究所から警報が鳴り響いた。


「(やはり問題が起こったか…!仕方がない、規則には反するが…)」


穴の底に資料を保存した機材ごと荷物を隠し、研究所内に再び侵入する。


そして¨ツチノコ¨が調べていた区画まで歩を進めていった。



研究所内、所長室にて



部屋に飛び込むと、そこには殴り飛ばされた扉の下敷きになっている若い男と、立派な椅子に腰掛けて手元をいじっている少年がいた。


¨ツチノコ¨はその少年の姿を認めると、我を忘れたように突進しながら叫んだ。


「マグヌソンッ!貴様あぁあぁぁぁぁ!!?」


少年は¨ツチノコ¨を一瞥すると笑顔になった。


「ああ、¨ツチノコ¨じゃないか!久しぶ…」


そこで¨ツチノコ¨は少年の目の前に迫り、首を掴んで持ち上げた。


「貴様よくもそんな顔をできるな!!お前が我らにした仕打ち、忘れたとは言わせんぞっ!!」


¨ツチノコ¨は少年の首をギリギリと締めながら噛みつかんばかりに怒鳴りつけた。


対して少年は涼しそうな顔をしている。


「もう、いきなり興奮し過ぎだよ。ボクが何をしたって言うのさ」


その少年の余裕な態度に改めて¨ツチノコ¨は怒りをあらわにする。


「貴様のせいで化け物にされ、人間から迫害されてきた我らに、貴様は何も感じんのかっ!」


「それは君たちが勝手にボクの庭から逃げちゃったからだよ。君たちが逃げたせいで、ボクは周りから怒られたんだからね」


2人の噛み合わない会話は、¨ツチノコ¨の行動によって途切れる。


「黙れえぇぇ!!」


口を大きく開けると、¨ツチノコ¨は少年に液を吐きかける。すると少年の身に付けていた白衣が溶け出し、皮膚から煙があがる。


「お前がいなければ!お前さえいなければ、サムは!トニーは!死なずにすんだっ!!」


¨ツチノコ¨たる所以の強力な酸性の猛毒を吐き出しながら、¨ツチノコ¨は少年の首をへし折る。


それでも毒を吐き出すのは止めず、首も千切らんばかりに締め上げる。


「うわあぁ!!」


扉のところで白衣を着た男が悲鳴をあげている。


どうやら壊されたままの扉の前を通りかかったらしい。


そしてそのまま走り去ると、すぐに警報が鳴り響き始める。


¨ツチノコ¨はやっと頭が冷えたのか、少年の死骸を床に投げ捨てると所長室から出ていこうとする。


すると背後から、


「もう、いきなりひどいよ!この白衣、ボクの背丈に合わせて作らせたオーダーメイドなのにさ」


今さっき¨ツチノコ¨が殺したはずの少年の声がする。


驚いた¨ツチノコ¨が振り返ると、身に付けているもの以外無傷の少年が立っていた。


「ば、ばかな…!確かに今殺したはず…」


うろたえる¨ツチノコ¨の目の前から少年は消え、次の瞬間には¨ツチノコ¨の視界は反転する。


一瞬で¨ツチノコ¨は少年に組み伏せられていた。


「アハハ!今のはアニメで雑魚キャラがよく言うセリフそのまんまだ!¨ツチノコ¨もジャハニーズアニメーションが好きなのかい?ならこれからボクの部屋で語り明かそうよ!ボクのおすすめは…」


「えぇい、離せ!」


少年を力任せに弾き飛ばし、素早く起き上がる。


少年は楽しそうに話を続けているが、¨ツチノコ¨は警戒レベルを最大限まで引き上げる。


そこで背後の扉のところが騒がしくなってきた。


どうやらやっと警備員がやってきたらしい。


¨ツチノコ¨は構わずに少年、いやジミー博士とたいじする。


研究所内、地下二階通路にて


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