表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【HIDE LEVELING】転生者は咎人だと言われました〜転生者ってバレたら殺されるらしいので、実力を隠しながらレベルアップしていきます〜  作者: 久遠ノト
1−2 世界把握編──小さき転生者、旅に同行する

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/550

19 皆もご一緒に、ユニークスキルはすごい

 

 木陰でエリルが試行錯誤中の中、ぼくは自分の体を確かめていた。


「ふむ、なるほどなるほど」


 自分の細い腕と短パンから出ている白い足をじろじろと見てみると、よく分かる。

 

「当たり前なんだけど、体小さくなってるよな」


 ぽつりとつぶやいた言葉に、今更!? という顔でエリルが見てきた。集中してたのにごめんなさい。


(走った時に感じたけど、いまいち、体に慣れてない)

 

 感覚を理解するために手を伸ばしたり縮めたり、頬をつねったり。

 世界が違うからそこまで感じてなかったけど、目線も歩幅も全部違う。幼くなってる。

 見た目は子ども、頭脳は大人! って感じ。ほお、あの少年はこんな感じなのかな。

 足をバタバタとして、すっと体前屈をしてみたりする。

 ぺたん。

 

「おぉ、柔らかい……」


 つま先タッチもなんのその。

 靴裏までにぎにぎと触り、隣にいるこれまた驚いているエリルの方に、ついと目線をやる。 


「エリルもやってみて。これ、体前屈。できる?」


 見るからに僕より若そうな見た目をしているエリルに促した。

 

「わたし、いま、集中してるんですけど……」


 ふられたエリルは、少しばかり嫌そうな表情。

 やったことがないですけど、と口を尖らせている。


「はい! じゃあまず、木に背筋をピタってつけて」


「こ、こうですか?」


「そうそう、それでしっかり座ってから、上体はまっすぐで……そうそう。足はくっつけて前に伸ばして。そのまま足のつま先をタッチする感じで」


「んー!!」


 ぐぐぐ。

 カタカタの『ワ』を寝かしたみたいな体勢。

 要するに、膝が丘陵を作り、上体は岩のように動いていない。

 体が硬い人の体前屈あるあるだ。


「膝立たせないで、あくまで足はまっすぐで……」


「これ以上曲がらないです……!! イタタタ……」


 んー! と何度もぐいぐいと上体を寝かせようとする。

 少しは曲がっていたが、曲がってもないと同程度。


「体固いんだね」


 少し息が上がってるエリルに、少し茶化してみた。


「ますたーと会う前はデスクワークとか立ち仕事ばっかりでしたもん」


「デスクワーク……? エリルってもしかして、見た目よりも結構……」 


 言いかけて口を閉じた。

 女性に年齢の話題を出すのはだめだ、めちゃくちゃ怒られてしまう。散々居酒屋で学んだのに、茶化した流れでポロッと出てきそうだった言葉をひっこめた。


「結構……? どうかしましたか?」


「いやっ……なんでも、それよりも……えーと、ユニークスキルとかはなにかできそうなの?」


「あ、はい! 多分、いけるかと思いますよ」


「おぉ」

 

 ぼくがふざけてる間に色々とやってくれてたのか。ありがたい。


「では、体内にお邪魔して、と」


 しゅるっと体内に入っていくエリル。もう何も言うまい。慣れたもんだ。


 ユニークスキルを武器に変える。

 どのように武器にするのだろうか。言語理解とかを物理的に投げつけるという意味ではないのはなんとなく分かる。というか、狼相手に一回試してみたし。

 

(少しますたーの手をお借りしないとなのですが、よろしいでしょうか?)


「ほいよ。なにしたらいい?」


(近くにあるモノをなんでもよろしいので手に持っていただけますか?)


「手に持つ……」


 なんでもいいなら、このクローバーみたいな草でいいかな。


「持ったよー」


(はい、ではそれに向かってステータス開示を念じてみてください)


「ステータス開示を念じてみる? この葉っぱに?」


 エリルの意図が分からないが、言われる通りに念じてみるか……。


 ――ピン。


 ▽名称:シビ草

 ▽効果:特になし


「おお……!!」


 なんということでしょう! 念じてみると、手に持っている草の近くに小さい半透明のモノが現れ、そこに名前と効果が映し出されたではないですか!


「やっぱりできましたね! 『鑑定』!」


 僕が驚いていると、いつの間にか体外にでていたエリルが僕のスキル欄の指をさしていた。

 指している所に目を向けると、そこには先程まで無かったはずのスキル欄に一つ『鑑定』と記されていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ