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【HIDE LEVELING】転生者は咎人だと言われました〜転生者ってバレたら殺されるらしいので、実力を隠しながらレベルアップしていきます〜  作者: 久遠ノト
1-1 世界把握編──小さき転生者、冒険者に興味を持つ

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11 じゃじゃーん

「なんですかそれ!! なんですかそれぇっ!! 酷いですよ! ますたーは頑張ってたっていうのに……地球ですね!? 第一創造神か、第一創造神にちょっと話をしてきます! では――」


「ちょっーーーっと待って!! 神様を敵に回したくないから、やめて! 確かに文句の一つや二つは言いたいけど……でもだからって神様に言うのは……」


「ますたーが言いづらいのなら私が言いますよ! 創造神だけじゃダメですか!? その上にも文句を言ってやってもいいんですよ!! 私ならできます! いや、してみますとも! ちょっと行ってきますねっ」


「まって!! ほんと、まって! 神様もびっくりしちゃうだろうから!!」


 エリルとあってから何時間が経っただろうか。

 お互いに話すことはたくさんあり、本当にいろんなことを話していった。僕の家族のこと、元々いた世界の話。向こうの世界の名称がたまに伝わらずに、一から説明するのはなかなか新鮮な気持ちになれた。

 その際に木の枝を用いて、地面に絵を書いて説明したりもした。


 エリルの話を聞く限り、この世界は地球にあったファンタジーのRPGロールプレイングゲームを元に作られたらしい、以上。

 以上だ。これ以降の話はそんなに聞けてない。

 途中で僕の家族とバイト生活になった経緯とかを話したら、それを聞いたエリルが物凄く憤慨してしまい、それを(なだ)める為に話がストップしてしまったのだ。そのまま今に至る。


 まぁ、でも、話はあんまり聞けなかったけどサポート役として来てくれたのがエリルでよかったと思った。どんな世界でも何とかこの人……存在? 可愛い少女とならやっていけそうな気がする。


「頑張ろうね~、エリル~」


「??? 頑張りますよますた~、って何がですか?」


「第二の人生がんばろーって……」


「あ!!」


「思って……ってどうしたの?」


「よ~く見ててください! ビックリさせます!」


 まるで先生の問題に答えたいと手を上げる快活な生徒だ。ぴょんぴょんと跳ねる姿を見て、自然と頬が緩んだ。

 なんだろうこれ……幸せそうな人を見るだけで、こっちも幸せになる現象ってやつなのかな。


「散々びっくりすること味わっているから今更びっくりしないと思うけど……うん、見とくよ」


「では、行きます!」


 タタタッと僕から距離をとってこちらを振り返るとダンっと強く足踏みをし、手を斜め上に上げてニヤリと笑い。


「へーーーんしん!」


 くるっと上げた手を回し、自身の胸の前で手を突き出すと――エリルは目の前から忽然と消えた。


「えっ、突然すぎる!!」


 驚かないとか言っていたハズなのに、驚きすぎて突っ込んでしまった。

 漫画のコマ落ちのような感覚だ。本当に一瞬でそこにあったエリルの体はなくなったのだ。

 

「そんな戦隊ヒーローが戦闘服に着替えるようなポーズの後で消えるの!? エリル? エリルー??」


 あたりをキョロキョロと見回すがエリルらしい人影もない。そもそもが平原であるこの場所で消えることなど物理的に不可能だ。


「どこ行ったの、それ変身って言わないよ――」


「ばぁぁッ!」


「うわっ!!!!」


 真後ろから声が聞こえ、振り返ってみるがエリルの姿はそこにない。


「ええっ?? エリル、どこなの?」


(へへーん。意地悪しちゃいました)


 一瞬思考が止まった。

 頭の中にエリルの声が響いたからだ。


「頭の中から声が聞こえるってことは、もしかして……」


(はい! ますたーの体の中にいます! 私とますたーがリンクしてるからできるびっくり技です!)


「びっくりわざぁ……」


 なんでもありか?

 頭の中から声が聞こえるという体験はもちろん初めてなのだが、不思議と体が受け入れてるのに驚いてしまう。

 転生してからというもの、なんだか夢を見ているような感覚だ。地球にいた時にこんなことをされたら理解するのに何時間もかけるだろう。


(リンクしたことで魔素共有、精神同調ができるんです! 私がずっと隣にいたらますたーも好きに動けないと思ったので!)


「そう……。いや、別に困ったりはしないと思うけど」


(ほんとですかぁ? 多分困ると思いますよ!)


「わかったよ。……そうだ、ちなみに、また出てくることは出来るの?」


(できますよ! みててください!)


 僕の胸あたりから光の球体が体の外に出ていき、一瞬でエリルの姿にかわった。


「じゃーん!!」


「うぉお、すごいな……」


「ふっふーーん! もっと褒めてくれてもいいんですよ!」


 そう言って再び球体になり、体内に入っていった。


(はい! ここからはもうますたーの自由にしていいですよ! ちゅーとりあるは終わりです!)


「はは、本当にゲームみたい。でも、自由にしていいって言われてもなぁ」


 歩いてきた道を振り返る。

 こんな草原なところに放り出されて「どこに行ってもいいですよ」って中々厳しいものがあると思うのだけど。


「……まぁいっか」


 頭をかいて、来た道を背にして来た道に続くように歩いて行った。



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