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101 おんぶにだっこ

ブックマークが二桁に行ってました……! 

こんな亀ペースの私ですが、今後ともよろしくお願いします(?)


 不法侵入から居候になったイブとギルドへ向かうと、予定してた時間だというのにあの白髪くせっけ眼鏡がまだ来ていなかった。

 その間にイブがクエストを受けてきてくれて、僕は外で待つことにした。


 外壁に背をもたれ、しゃがみ、地面の石を拾っては投げて、その度に溜息を吐く。

 お昼時のギルドということもあって行きかう沢山の冒険者の視線がチクチクと刺さるのを感じる。だけど、お構いなしに項垂れながら石を投げて、また溜息を吐いた。

 そんなに溜息を付いたら幸せが逃げちゃうよ! という頭に浮かんだ言葉に対して。


「うるせえー……。びっくりしてんだ、こっちは」


 と、誰に当ててるのかも分からない言葉を小さく呟いた。


 ギルドに来る途中に聞いた話。イブは白金等級(プラチナ)認識票(プレート)を持っている中位二階の冒険者なんだと。僕がつい先日、下位四階に上がったばかりだから、それの……えーっと、七つか八つ上のランクにいるってことになる。

 それがどうしたって? どうしたもこうしたもないだろう。おなじ銅等級の子かと思ってたら、まさかの怖い人だったんだぞ。


 僕は今、これまでにしてきた気軽な発言を絶賛後悔してるのだ。

 考えすぎじゃないからな! 白金等級とか、金等級でさえ怖い人が多いんだ! ギルドのスタッフルームの手伝いをしてる時によく見てきたからこそ分かる。僕なんか秒で殺されるような人ばかりだ。

 

「クラディス~、良いクエスト取れたよ~」


 イブが紙をヒラヒラさせながら、とことこと走ってきてくれた。

 本人は気にしなくてもいい、って言ってくれたから気にするのは失礼なんだろうけど……。

 駆けよってきたイブを座ったまま下から見上げ、むぅと顔に皺を寄せた。

 

「クラディス? どうしたの? ブサイクだよ?」


「いや、……少し考え事をしてただけ」


 切り替えよう。本人から発言に対してのお許しがでたのだ。

 はたはたと服についていた土を払うと遠くからすたすたと小走りの白髪の人影。


「お待たせ~ってアレ? 知らない女の子がいる」


「ケトス、遅いよ」


「ちょっと忘れ物しちゃって取りに帰ってたから」


 と、言うケトスの髪の毛はひょこひょこと。

 ケトスの「忘れ物してた」はお婆ちゃんの荷物持ちをしてたくらいに信用度が低いってのを知ってる。

 その証拠に、今日はいつにもましてくせっけの調子がよろしいようじゃないですか。

 どうせ寝坊だと思いながらも、僕の後ろで待機していたイブが見えるように体を動かし。


「ケトスに紹介するよ。こちら、ちょっとの間一緒に行動することになったイブさん。イブ、この白髪の人が来る途中で話してたケトス」


 両の手をパッパッと使って指した。


「ケトスさん初めまして、イブです」


「……どうも? ケトスです」


(あら?)


 驚いた。


 二人の赤い瞳が相手を観察するように動きながらも、その下の笑みは崩れない。まるでお互いの腹を探ってるのかのような時間が流れた。

 冒険者同士だから相手が信用に足る人間か、力はどの程度か見定めようとすることがあるらしい。ちなみに、僕は今まで一度もされたことが無い。

 

 すると、ケトスの眼鏡下の瞳はぴたりとイブの首元で止まった。


「イブさんは白金等級(プラチナ)なんだね。強い人なんだ」


「クラディスと同じ反応……。そんな強くないよー」


 と、言いながらイブもケトスの顔を見て、笑んだ。


(あ、これ、作り笑いだ。こっわ)


 まるで母親が参加する保護者会よろしく、ウチの子をさりげなく自慢して相手方を貶めるようとする母親の笑顔がそこにはあった。


「ケトスさんだって雰囲気あるから同じくらいなんじゃないの?」


「僕……? クラディスからプレートの色って聞いてないの?」


 二人の視線がこちらに集まったから、いやいや、と手を二度ほど横に振った。


「僕が知らないもん。ずっとプレート付けてなかったでしょ」


「あ……そっか。まぁ、今日はつけてきたから」


 ほい、と服で隠れていたプレートゴソゴソと取り出して、出てきたのは真新しい銀等級(シルバー)認識票(プレート)


「「は……?」」と、出てきた色に僕とイブは声を合わせた。


銅等級(まえにもってた)のプレートをいつの間にか無くしちゃって。でも、先日にやっと銀等級(あたらしい)のを貰ったから今日からは手続きがスムーズにできるよ」


「ケトスって……下位の冒険者なの?」


「そうそう、下位二階に上がったばかりの冒険者」


「それは嘘だ」


「うん、絶対に嘘だ」


 二人してケトスに詰め寄ると、ケトスはあははと苦笑い。


「というか、二人が『下位』っていうのが有り得ないと思う。この国のギルドの役員の目って曇ってるんじゃないの?」


「クラディスの方はこの前冒険者になったばかりだしね」


「そうそう、ぴかぴかの新人冒険者だよ」


「ケトスさんは?」


「よくわかんない。クエスト受けてなかったから、なのかなぁ」


「えぇ~……? それにしてもおかしいけどなぁ……」


 むむむっと眉間にしわを寄せてギルドの方を睨んでるイブ。


 ケトスは明らかに銀等級の実力ではない。金等級……白金等級、いやそれ以上かもしれない。

 って待てよ? 白金等級とかって……もしかしてエルシアさんとか、ムロさんと一緒の階級(ランク)じゃないのか?  


 じゃあここにいる僕以外の冒険者って……やばい人たちなのでは。

 実力者の二人に、銅等級の新人冒険者が一人……。

 あぁ、これ、完全におんぶにだっこのパーティー構成じゃないか。

 

追記:三月二十九日に加筆修正しました。

追記:四月五日。イブの登場話を全体的に加筆修正しようと思ってます。

ここらへんだけ、少し話が脱線しているような印象だったので……。


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