第三話 勇者(仮)
長くなってしまったぁー。
もっと簡潔に含みを持たせた文章を考えなければ...
(……っつぅ……頭がいてぇ…ここは…何処だ?)
優夜は辺りを見渡す。床も壁も天井もどこを見ても白い。太く大きな柱が円を書くように並んでおりその円に囲まれる広場のような部屋の中央に自分達はいた。
クラスメートもみんな揃っているようだが、意識を失っているようで起き上がっている者は優夜以外に一人もいない。
「朝希……そうだ、朝希は!?」
余りに突飛な状況に巻き込まれ、一瞬でも大切な弟の安否の確認が遅れた自分を責める…
が、当の弟本人は
「むにゃむにゃ……もぅ~……兄さんってば~……えへへ~…」
優夜の制服の端を掴みながらどんな夢を見て居るのかむにゃむにゃと兄の名前を呼びながら寝ていた。
(……ったく、こんな訳のわかんねぇ状況下でどんな夢を見てるんだか……)
優夜は苦笑しながらも朝希の幸せそうな寝顔を見て一先ず落ち着く。
「んじゃとりあえず…っと……全員を起こすべきか?朝希は別としてみんな寝てる…というか気絶してるみたいだしな。まさかとは思うが、このまま意識が戻らないとかないよな…」
優夜は優しく朝希の手を制服の端から外し、起き上がりながら呟く。
「その心配は御座いませんわ」
「…っっ!」
突然後方から聞こえた声に一瞬身体を強張らせた優夜は、咄嗟に振り向き声の正体を確かめる。
広場の入り口らしき扉がいつの間にか少し開いており、扉の前には同い年くらいの女の子が立っていた。
フリルや装飾などはあまりないが滑らかで質の良さそうな白いドレスを纏い、腰あたりまであるであろうプラチナブロンドの髪の毛を頭の後ろで纏め、頭の上には小さなティアラを被っている。
瞳の色はサファイアのように美しく透き通るようなブルー。身に纏ったドレスが身体のラインにぴったり合うようなデザインだからか、しなやかなくびれと程よく育った胸の膨らみが強調されている。
誰がどう見ても美少女だと言わざるを得ない女の子を前にした優夜。その第一声は
「誰だ、お前」
だった。他のクラスメート達なら間違いなく見蕩れてしまいそうな美少女に、警戒心を隠しもせず質問する優夜。返答が返ってくる間も視線は彼女の些細な行動も見逃すまいと鋭くなっている。
「そんなに警戒なされなくても大丈夫ですよ。申し遅れました、わたくしはエルヴィス王国第一王女フィーニア・S・エルヴィスと申します。」
自身を王女と名乗る少女は、理屈などなくその言葉が本当であると理解させるほど礼儀正しくも優雅にカーテシーをする。
「悪いな。初対面の人間はどんな相手だろうと疑ってかかる性分なんだ」
(どういう事だ?エルヴィス王国なんて聞いた事もないし俺達は学校の教室に居たはずだ。・・・それに見るからに外国の女が流暢な日本語を話しているのもおかしい・・・)
「まあ!それは立派な心がけですね。」
表には出していないが優夜の内心は現状に対して疑問だらけ。正面の王女様はニコニコと笑みを浮かべており何を考えているのかが読みづらい。
(・・・・・・・・・・・・まっ、とりあえず脅して洗いざらい嘘偽り無く現状を説明させるか。)
と、およそ普通の一般人的な考えから逸脱した方法で混乱の解決を図ろうとする優夜。
今までの鋭い目付きをフッと和らげると普段の優夜からは考えられないような笑顔を見せて王女に近づく。知らない女性からすれば思わず見惚れてしまうような美少年の笑顔だが、優夜のことを知る者が見れば余りの不気味さに逃げ出したかもしれない。
「なぁ、王女さ――――」
にっこり笑顔のままフィーニアの方へ2、3歩歩き出した所で「うっ・・・」と、どこからかうめき声が聞こえる。共鳴した訳ではないだろうが途端にあちこちでうめき声や「いてて・・・」という声が聞こえ始める。どうやらクラスメート達が起きだしたようだ。
あっさり笑顔をやめ真顔に戻すと優夜は頭をプルプルさせながら起き上がった朝希の元へ向かった。
「よう、お目覚めか?朝希」
「ん、兄さん・・・ここはどこ?」
寝惚けまなこのまま辺りを見渡し、尋ねる朝希。
「ここはエルヴィス王国とかいう国らしい。俺も詳しくは分からんが、ちょうど今、王女様とやらに説明願おうと思ってた所だ」
そう言いつつ視線をフィーニアに向ける優夜。ポーっと顔を赤らめつつ優夜を見ていたフィーニアと優夜の視線がバチッと合った瞬間、一瞬だけ顔を赤く染めた王女様はゴホン!と大きく咳払いをした後、透き通るような声で起きだしたクラスメート達へ呼びかけた。
「異世界から来たれり皆さま。困惑しているかと思いますが、まずはご説明をさせて頂きたく思いますのでわたくしに付いてきては頂けないでしょうか?」
今度は優雅なカーテシーではなく、深々とお辞儀をするフィーニア。
「ねぇねぇ、これってどういう状況?」
いつの間にか起きだしていたらしい美月が優夜に話しかける。隣には陽菜もいて同意の視線を優夜に向けている。
「なぜ俺に聞く。俺もまだいまいち現状を把握してないんだが、どうやらあそこの王女様が説明してくれるから付いてきてくれってさ。いきなり知らない場所に居て、知らない人間に付いてこいって言われても警戒するのが普通だろうが・・・どうする?」
優夜の言うとおり、今まで教室にいたはずがいきなり目覚めたら知らない場所にいて知らない人間がいる。どうやってか連れ去られてきた可能性もあり、付いていった先で何か危険な事が起こるとも限らない。
クラスメート全員が不安に感じているのであろう。フィーニアは頭を下げたまま、クラスメートは騒然しているばかりでその場を動こうとする人はいない。
(って言ってもこのままずっとこの場所に居ても解決するとは思えないんだけどな)
優夜は深いため息を吐き、一度大きく息を吸い込むと歩き出す。騒然としていたクラスメートが静かになり視線は優夜に集まっていく。そんな視線を気にするでもなくスタスタと歩き、頭を下げたまま動かないフィーニアの前で立ち止まる。
「王女さん。とりあえず頭をあげてくれ」
フィーニアは一度ビクッとした後ゆっくりと顔を上げ、優夜を見る。その瞳はクラスメートと同じく不安の色で揺れていた。
「とりあえず、だ。ここにいても何も始まらないし何も分からない。あんたの目を見た限り騙そうとしているような様子もない。この状況を知ってるあんたからするとこの場で糾弾されたり信用してもらえないことを恐れていたようだが…一先ず俺はあんたを信じる。きちんと説明をしてくれるんだろう?」
「・・・っっありがとうございますっ!」
不安げな様子のまま言葉を聞いていたフィーニアは優夜の「あんたを信じる」という台詞を耳にした後、始めに部屋へ現れた時のような王女の笑顔ではなく安堵を浮かべ歳相応の少女のような笑顔を見せた。それはクラスメート内に蔓延っていた負の雰囲気を消し飛ばすようなほど可愛らしく、男女関係無く顔を赤らめ「ほへー」としている。
「まぁとりあえずだ、移動するんだろう?案内してくれ」
「かしこまりました、ではこちらへどうぞ」
入ってきた扉の方へ向きなおし歩き始めるフィーニア。
優夜を先頭にぞろぞろと朝希や美月、陽菜たちクラスメートがついていく。
未だ気絶したままの四鳳希望を残して。
優夜たちはフィーニアの案内の元、見るからに城!といった建物の中を歩いていた。いつかテレビ番組や映画の中で見た西洋の城そのものだ。
歩いているとプレートアーマーを着て腰に剣を差し騎士のような格好をした人と何度もすれ違う。すれ違う度に膝を着きフィーニアに向かって頭を下げる事で優夜以外のクラスメートも「本当に王女なんだな~」と改めて実感しているようで、優雅に歩くフィーニアや城内の装飾、騎士たちに向けて視線はキョロキョロと忙しない。
そうこうしているうちに「皆さん。着きましたこちらへどうぞ」と大きな扉の前で立ち止まり、番兵に扉を開けるよう指示するフィーニア。部屋の中は太い柱と赤に金の刺繍が入った絨毯が入り口から部屋の奥まで続いていて等間隔で戦斧や槍、剣などを装備した兵士たちが配置されている。広い部屋の先を見ると玉座があり一人の男が座っている。
フィーニアに続きクラスメートの大半が微動だにしない兵士達の間を恐々としながら歩いていく。そして玉座の前の段差の前まで来ると
「お父様。連れて参りました」
とフィーニアが立ち止まり一度お辞儀をすると、言葉を受けた男が立ち上がり声をあげた。
「よく来てくれた。我はエルヴィス王国14代目国王 イスタス・D・エルヴィス。そなた達には頼みがあってここへ来てもらった。が、まずそなた達を巻き込んでしまった事に謝罪をしたい……
……すまぬことをした。」
そういって頭を下げるイスタス。フィーニアもイスタスの隣に並び一緒に頭を下げる。クラスメート達の反応はやはり困惑といったもので謝罪に対して明確に反応の出来る者はいなかった。
「あー、とりあえず頭を上げてもらっていいか?俺達は何かに巻き込まれていて、巻き込んだそっちはこの事に対して申し訳なく思ってるっていうのは一先ず分かったから話を先に進ませてもらいたい。」
先ほどのように頭を下げたまま膠着状態になるのが目に見えた優夜は一先ず皆に代わって話を進めることにした。
「疑問に思っていることは沢山あるが、まず大きく分けて俺の聞きたい事は4つ。異世界とはどういう事なのか、どうやって俺達を呼んだのか、どうして俺達を呼んだのか、それと帰れるのか。頼みというのはここに含まれているんだろうが、まずは話を全て聞いてからにしたい」
クラスメートの全員が思っているであろう疑問を投げかける。
「ありがとう。勇者の青年よ。まずは順を追って説明していく事にしよう。ここエルヴィス王国はガラムという広大な大地にある人族の国の一つ。ガラムには様々な人だけではなく様々な種族が国家を作っていて絶えず戦争が行われている。信仰や思想の違い、単純な支配欲など理由も様々だがな。種族は大きく分けて大きく分けて人族、亜人族、魔族だが今人族は魔族に大規模な侵略を受けている。ここエルヴィス王国は魔族の領土と隣接していて真っ先に魔族の軍が押し寄せた。2年前の進行はなんとか退けたが優秀な兵士や冒険者が幾人も命を落とした。今は我が国は国力を全盛期の半分ほどにまで落とし、次の大規模な進行には耐えられないだろう。それは人族の他国とて同じこと…親交の深い国家もあるが助力は期待出来ない。そこでだ。過去の文献にもあったが初代国王と王妃は別の世界から人を召喚する魔法陣の研究を行い異世界人を呼ぶことに成功し、力を合わせこの地を平定し、国を築いたという。召喚された異世界人は特殊な力を持ち一人で魔族の軍勢を滅ぼしたとされる。召喚の魔法の効果の向き先はこの世界の人間を対象としていない為、ここはそなたらがいた世界とは別の世界と言えるだろう。これで異世界という意味合いと、どうやってという質問には応えたつもりだが、どうだろうか」
ふむ…と手を顎にあてて考え込む優夜。一先ずこの世界の事と召喚されたという事実は掴んだ。が、話の流れを読めば馬鹿でも分かるが理由についてはロクな未来が見えない。
「それでは国王様。僕達を召喚した理由を聞かせて頂けますか?」
思案顔のまま黙りこくった優夜の代わりに朝希が言葉を繋ぐ。
「そうだな…もう先程の青年も君も理由に付いては察してはいると思うが、我ら人族に協力して魔族を討ち滅ぼしてほしい。魔族も全てが全て邪悪な存在という訳ではない。が、総じて快楽主義者や破壊や殺戮を好む性格のものがほとんどだ。それは魔族が信仰する神にも関する事なのだが、いま魔族の王として君臨してる魔王は人族、亜人族を根絶やしにして魔族だけの世界を作るつもりだ。どうか魔王を討つ力を我らに貸してほしい…」
そういって頭を再度下げる国王。
優夜だけではなく、これには美月や陽菜たちもどうしたものかと考え込む。国王やフィーニアの様子を見るに本当に窮地に立たされているというのは分かる。困ってる人を見て「何か出来る事はないか」という気持ちも確かに浮かぶが、話のスケールが大きすぎるという事もあり未だ現実味が沸かない。それにこんな場所にいるが自分たちは戦争などとは縁もない日本の一般人。学生なのだ。果たして自分たち如きで何が出来るのか…
これは自分たちの手に余る…誰もが国王や王女の表情を見ると心苦しいが、諦めて貰おう。そう思っていた時…
「魔王討伐テンプレきたぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」
閉じていた謁見の間の扉が勢いよく開け放たれ、今の今まで存在を消されていた四鳳希望がテンションぶち上げで乱入してきた。
「優夜!異世界転移だぞ!勇者召喚で召喚されて困っている人々の為に剣を振るう…遂に本当の本当に勇者になる日が来たんだぁぁぁぁあああ!!!!!」
それはもう感無量!といった表情で喜びを顕にする。
実は日本三大財閥の一つ、四鳳家の長男としてこの世に生まれ、小さい頃から勉強、スポーツ、様々な習い事で非凡な才能をみせ、ルックスも紛うことなきイケメンで幼少期からモテていた四鳳希望。しかしそんな完璧超人だった四鳳は小学校の読書の時間、たまたまクラスメートが持ってきていたライトノベルを読んで彼は変わってしまった……
そう、自称勇者へと!!
小学生男子が勇者の真似事をして遊ぶのは何も不思議なことではないだろう。
しかし、彼はそんな時に出会ってしまった…和泉優夜に。
当時から無愛想ながら何故か人を惹きつける魅力でたくさんの人に囲まれていた優夜。そして勉強もスポーツも努力しているようには見えないのに全てにおいて自分の上をいく。
いつからかライバル心は優夜を乗り超えるべき障害として認識し、自称勇者の最大の障害は魔王に位置付けられた。
そして今、ここ異世界の地で劣等感を抱えていた四鳳希望は自身のなりたかったものになれる光を見つけた。
「国王陛下、王女殿下、この俺!四鳳希望がこの世界を救ってみせましょう!!!」
片膝をつき胸に右手の拳をあてて、従属する騎士のような格好をとりキリッとした表情で宣言する。
「おぉ、やってくれるか、ノゾム殿と申したな。ぜひよろしく頼みたい!!
………が、大丈夫なのだろうか?」
最初は嬉しさで弾んでいた声も後半にいくほどに少し怪しくなっていく。
国王たるイスタスの人を見る目は確かだ。一見頼もしそうに見える四鳳に不安を覚えたイスタスの勘は間違っていない。
優夜はずっとこの先の事をどうすべきか考え込んでいたが、張り切り過ぎて暴走気味な四鳳を見てげんなりすると一つの疑問を投げかけた
「あのな四鳳。俺たちはロクな力もないただの学生だぞ?世界を救うだの本当に出来ると思ってるのか?戦争に介入するんだぞ?状況に酔っているんだろうがもう少し現実を見た方がいいんじゃないか?」
正しく正論な優夜の言葉に「うっ…」と言葉を詰まらせすぐさま反論の出なかった四鳳。うーん…と諦めきれない様子で唸る四鳳を見て代わりにフィーニアがこれに答える。
「一部例外的な人もいるかとは思いますが、確かにそちらの世界で皆さんは一般的の方だったのでしょう。ですが今の皆さんはこちらの世界に転移された時に神からの恩恵として能力と天職を授かっているはずなのです。正しく先程ノゾム様が仰っていた″勇者″といったような呼び名もそうです。皆さんにはきっと世界を変えられるだけの力があります。まずはそれを確かめてみるのは如何でしょうか?」
フィーニアは期待や希望を宿した瞳でクラス全員の顔を見る。神からの恩恵で何か能力などを貰えていると言われれば皆一様に気にならない訳はない。
もちろん真っ先にこの言葉に飛びつくのもこの男で……
「はいはいはいはい!ぜひ見させて下さい!!!」
若干口調が変わるほどキラキラした瞳で喜ぶ四鳳。どうやって調べるのかは不明だが、自身が勇者と称えられる姿を脳内で想像しているのだろう。
フィーニアは全員の否定的な雰囲気がないことを確かめてから、端に控えていた従者の女に幾つか指示を出すと長方形の金属の板を複数持って来させた。
「これはステータスプレートといって、皆さんの魔力に反応し能力や恩恵、レベル、その他様々な情報を表示させる事の出来る魔道具です」
そう説明しながら従者にプレートを全員に配らせる。
「なぁ、王女さん。俺ら魔法なんて使ったことないんだが魔力に反応させるってどうやるんだ?」
プレートを受け取った優夜が最もな質問をする。
「それでしたら一度目を瞑り心を落ち着かせ、自身の身体の中心に意識を向ければ、元居た世界では感じる事のなかった力のうねりを感じるはずです。そしてそれを身体の中心から腕、手の先、そしてプレートへと流れるようなイメージをしてみて下さい」
フィーニアの言葉を聞いたあと、皆一斉に目を瞑り、感覚を掴もうと集中しだす。
「お、こうか?」
「あ、こういう感じかな?」
「んー、あ、出来たかも!」
「あ、わたしも!出来たと思います」
優夜、朝希、美月、陽菜は早くも感覚を掴んだようでプレートが淡く光っている。
その言葉を目を閉じながら聞いていた四鳳は「ぐぬぬぬ」と力みながらも先を越された悔しさを心の奥底に押し込みながらなんとかプレートに魔力を通す。
「それではまずプレートに魔力を通せた皆さん、天職と書いてある部分があると思います。そこに文字が浮かびあがると思うのですがなんて書いてあるのか教えて頂けますか?」
フィーニアは皆さんと言いつつも期待した眼差しで優夜をガン見している。
「…………………勇者」
「「「「「 え? 」」」」」
「だから、勇者だって言ってんだよ!!」
優夜は心底嫌そうな顔を手で隠し宙を仰ぐ…魔王扱いされていた優夜は勇者にジョブチェンジしたらしい。
「兄さんが勇者かー……
ってあっ!!勇者!?僕も勇者だよ!お揃いだよ兄さん!」
勇者になった兄を見て微笑んでいた朝希は自身のステータスプレートを見て、まさかの自分も勇者になっていた事で子供のように大喜びしている。
「あたしは魔術師だったわ!それにしても二人して勇者って……」
「わ、私はテイマーでした!勇者が二人…なんだか凄いことのような気がしますけど……」
「えぇ!とっても凄い事ですよ!まさか勇者様が二人も召喚されるなんて!!!」
フィーニアは興奮の絶頂!といった様子で瞳を輝かせている。
四鳳は和泉兄弟の「勇者」という言葉を聞いて、徐々に浮かび上がるプレートの天職欄を食い入るように見つめていた。
そして浮かび上がった文字…
(勇者!勇者!勇者!勇者!頼む勇者であってくれぇぇええええ)
……
……………
「…………………んだ」
謁見の間にぽつりと声が響く。
優夜も朝希も美月も陽菜もイスタスもフィーニアも、その他クラスメートの皆も「ん?」と何か様子のおかしい四鳳を見る。
「なんで………なんでなんだ!!
なんで勇者(仮)なんだぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!!!!」
この日、四鳳は“自称”勇者から勇者(仮)にジョブチェンジした。
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