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第一話 対極な二人

初投稿です。いやー、文章を書くのって楽しいですけど難しいですね・・・


「ほら、兄さん早く!遅刻するよ~~!」


そう急かしながらもどこか楽しそうな明るく元気な朝希の声


「あー、はいはい。てか別にちょっと遅刻したって良いだろ?誰に文句言われる訳でもないんだし」


玄関でローファーを履きながら朝希の元気さに少し困ったようにして言う優夜。

普通の学生ならば遅刻をすれば両親なり、学校の教師なりに注意を受けるだろう。

地元にあり徒歩で片道20分ほどの場所にある二人の通う高校も、校則が緩いという訳ではないのだがこの二人がちょっとだけ特別なのだ。


「まぁ確かに先生たちも遅刻したからと言って何も言ってはこないけど・・・でもだからと言って遅刻して良い理由にはならないでしょう?」


「ん、んーーーー・・・(相変わらず真面目な)・・・・・・」


困った顔を更に困らせる優夜。まず二人は根本的に考え方が違う。

優夜はメリットやデメリット、効率的なのか非効率なのかで物事を判断している。

今回の遅刻の件も、遅刻したからと言ってデメリットは特にないからよくね?という発言であるが

朝希の場合はデメリットうんぬんではなく、大した労力でもないんだから学生としての立ち振る舞いをちゃんとしましょう!

という意見である。二人の考えや意見は基本的に交わる事なく平行線でいつも弟に(だけ)甘い優夜が困った顔になり折れる。


二人は他愛ない会話をしながら朝の住宅街を並んで歩き、学校を目指す。


朝希の頑張りによって遅刻は回避できるであろう時間に出発した二人の目にはチラホラ同じ学校の生徒達が目に入りだしていた。


その生徒達・・・特に女子生徒達のほとんどがチラチラと二人を見ながら何か囁きあっている。


(ん、なんだ?あ~・・・またか。)


優夜は普段から晒されている視線に気付き少し憂鬱になる。


「ふふっ、相変わらず兄さんは凄い人気だね~」


朝希は嬉しそうな表情を隠しもせず優夜に笑いかける


「いやいや、それはこっちのセリフだっての。ほら、今もこっち見てるあの先輩。完全に目線は俺じゃなくて朝希だぞ。」


「えー、またまたぁ・・・僕なんて兄さんのように男らしい訳でもないし、たまに女の子に間違われるし、女の子にモテっこないよ」


「そうか?整った顔立ちしてるんだから普通にモテるだろ」


「兄さん、それ完全にブーメラン(笑)僕たち顔立ちに関しては瓜二つなんだから」


「うっ・・・まぁ・・・確かにそうか」


「とうとう兄さんナルシストになっちゃった・・・?」


「うっせ!いいから前見て歩け!ニヤニヤすんな!」


「あはは」


歳相応の幼さの残るあどけない笑顔で笑いながら歩く二人。

誰がどう見ても仲の良いこの二人の兄弟は性格や考え方は根本的に違うが、さすが双子というべきか顔つきがとてもよく似ている。



優夜は目つきが鋭く、朝希はたれ目で柔らかい。それ以外に輪郭や顔のパーツを含め違いがほぼない。これはもう間違い探しをするようなものだ。

ただ優夜は元々の黒髪を染髪して髪色をブラウンにしていて朝希は地毛のまま髪を染めた事は一度もなく黒髪。それ以外では体つきは朝希の方が華奢だが175センチという身長も一緒である。元々優夜が髪を染める前でも二人の性格が出ているのか纏う雰囲気が全く異なるので間違えられたりはしないようだが・・・


そんなじゃれ合う二人を見ている女子生徒たちのひそひそ話とは・・・


「キャーー、相変わらず優夜くんカッコいいーーー!!」


「やーーん、相変わらず朝希くんカワイイーーーー!!」


と、いったものである。優夜と朝希は学校の女子生徒を二分する勢いで人気がある。


目付きが鋭く、無愛想で全体的にどこか冷たく人を寄せ付けないような雰囲気とどこか危険な香りと色気を放っている優夜はスポーツや武道まで万能。


いつでも人懐っこい笑みを浮かべ、まるで小動物のような愛くるしさと愛嬌の朝希は、基本的に礼儀正しく学年トップの成績を誇る。


しかし二人でいる時はその性格が少々異なって見えるようだ。どうやら女生徒曰く



「朝希くんといる時だけに見せる優夜くんの無防備な笑顔・・・最っ高!」


「優夜くんといる時だけに見せる朝希くんのイタズラっぽい表情・・・たまらない!!」


と、いうことらしい。


元々リードされたいような女の子は優夜に惹かれる傾向があり、守ってあげたいという母性の強い女の子は朝希に惹かれる傾向があったがこのギャップが人気に拍車をかけたらしい。


余りの人気に学校の裏で非公式ファンクラブなる物が出来上がり、二人に近づく女性を影からブロックしている為、小さい頃は別にしてモテた記憶が二人にない。


モテすぎる為にモテない・・・なんという悲しい運命か。


そうこうしている内に学校の正門まで辿り着いた二人。

おのずと学校の生徒が増える為、ひそひそ話と視線もまたグッと増える。


「お、和泉兄弟の登校だぞ」

「相変わらずどこか存在感あるよなぁ~」


と、どこかのクラスの男子生徒が感嘆の声をあげていたり


「あぁ・・・優夜先輩・・・あの鋭い目付きに見下ろされながら罵られたいッッ!!!!」


と、どこかのクラスのM属性が恍惚な表情を浮かべながら自分の願望を叫んでいたり


「朝希くん可愛い朝希くん可愛い朝希くん可愛い食べちゃいたい食べちゃいたい食べ・・・」


と、どこかのクラスの女子生徒が獲物を狩るような目付きで呟いていたり・・・


春休み明け久しぶりの学校で久しぶりに感じる居心地の悪い視線と声に


(あぁ・・・遅刻してくれば良かった・・・)


と、深いため息を着く優夜だった。

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