第2話 依頼達成
「傭兵か状況はどうなってる?」
通信を依頼人に繋げ、暫くすれば依頼人である『スカベンジャーズ』がそう切り出した。
スカベンジャーズとは、廃品や廃棄された武器や人型を回収する奴等の総称でこの糞みたいな世界には欠かせない存在だ。
「……基地周辺の腐れ者は全て片付いた」
「そうか、ご苦労傭兵…今迎えが向かっている報酬は到着時に」
「待て、報酬金額は提示額の二倍だ」
スカベンジャーズの言葉が止まった、そして張り詰めた空気がコックピット内を支配した、交渉の時間だ。
「……提示額に不満か?依頼内容に相応の金額だぞ?」
「依頼に相応だ?馬鹿言え、てめぇらの情報屋が言った情報に無い大型が10体も居やがった、そして二人も殺された!」
「……言っては何だが其れは傭兵の技量不足じゃないのか?」
「余り傭兵を見くびるなよ?大体はてめぇらの適当な仕事のせいで起きた事だ!」
そう言えばスカベンジャーズは黙り、暫くして重々しく言葉を吐き出した。
「………了解だ、報酬は二倍だ………薄汚い傭兵め」
スカベンジャーズは罵り通信を切断した、交渉は無事に成功し安堵かシートに深くもたれこみ、迎えの輸送ヘリが来るのを待つ。
「……紅茶製造機でも付ければ良かった」
其から数十分後、護衛の武装ヘリ、脚が丸々スラスターになっている空戦型人型兵器を付けた輸送ヘリがアタシの機体を牽引し、アタシ達の街『エリアR42』に向け飛び立った。
「此れが報酬だ、確認しろ」
エリアR42にあるスカベンジャーズ専用ヘリポートに輸送ヘリが着陸する、機体は既に人型を収納する専用のガレージに搬入されている。
外には待機していたスーツ姿の男がそう言い、アタシに報酬が入ったアタッシュケースを渡され、その中に入っている金が全て本物か調べ終え。
その事を伝えれば、彼は又頼むとだけ言いスカベンジャーズの施設に歩いていった。
「……帰ってビールでも飲むか」
そう呟きパイロットスーツのまま自宅に向かって歩く。
相変わらず空は鉛色だった。