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GUARDIAN DEITY (ガーディアン デイティ)  作者: ミカオト
青き鬼・ジョウカ戦
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第二の鬼ジョウカ

楓と別れた俺達はレリルの息子フパルを仲間にするためにヘルプタウンへと向かった。


「フパルって強いのかな?レリルは相当強かったから多分めっちゃ強いんだろうな。刹那はどう思う?」


「あったことないから知らん」


「そうだった笑」


地図を見ながら道なき道を突き進み3時間……


「あと10分ぐらいで着くぞ!疲れたぁー!」


「ふんっ。俺は全然大丈夫だ!」

刹那が強がった。


歩いて行くと次第に道が整備されていき、やっとヘルプタウンを見下ろせる展望台へ来た。

溢れる達成感を噛み締めながら覗きこむように街を見た。


「すっっっっっげぇぇぇぇぇぇ!!!!!」


ヘルプタウンは海に囲まれていて今まで見たことも無いような大都会だった。

500メートルは軽く超える高層ビルがたくさん立ち並んでいた。

だが、息苦しくなく爽やかな雰囲気を感じる。


(こんな所にフパルはいるのかぁー。フックスっていう人はお金持ちなんだろうな)


「早速行こうぜ!」


「ああ!」


ヘルプタウンへ俺らは駆け抜けていった。


とはいっても顔も家も知らないからどうやって探したらいいか分からないなぁ。

幸い、フックスとフパルという名前は知ってるから、とりあえず人に聞いてみよう!


ーー1人目


驚いた事に1人目で家が分かった。

とても立派な建物だった。

インターホンを押してみると中から人の良さそうな白髪のお爺さんが出てきた。


「こぉれは、これは、元気な若者がわしに何か用かな?」

爺さんの声は高く、優しそうだ。


「フックスさんですよね?僕はレリルの友達の大翔っていいます。フパルに用が」


「レリルか。しばらく会ってないのぉ。フパルか、分かったぞぉい。おーい!フパルー!お前にお客さんじゃー!」


ーーダダダッ!

階段を駆け下りてくる音が聞こえてきた。


フパルがお爺さんの後ろからそぉっと顔を出した。

俺は驚いた。フパルは幼く、顔はレリルによく似ているがレリルの様な人を圧倒させる覇気が全く無い。

むしろ弱々しく、戦闘経験が皆無のような子だった。


「ぼ、僕に何のようですか……?」

ぎりぎり聞こえるような、かすれてナヨナヨして怯えている声だ。


「フパル。俺達はレリルに言われてここまで来た!」


「お父さんに言われて……?お父さんは無事なんですか?」


「ああ、無事だ。ただ街が壊滅的に破壊されてな。復興するまでに時間がかかるんだ。それまで俺達でお前を強くするよう頼まれたんだ。一緒にきてくれるか?」


「レリルがそんなことを言うようになったのか、わしもフパルに強い子になってもらいたい。わしからもよろしく頼む」

フックス爺が言う。


「ぼ、僕には無理だよ!実は僕、学校でいじめられてるだ。理由は気弱で女みたいで気持ち悪いからだって……僕も自分が弱いってことに気付いてるよ!悔しいよ!でも怖い!こんな僕何かが強くなんて……なれないよ……」

フパルが意外な言葉を口にした。


ここで今まで黙っていた刹那が口を開く。

「誰一人として同じ人間なんかいない。だから自分を変える必要はねぇ。ただ、悔しいんだろ?そいつらを見返すような努力はしたのか?何もしてねぇーのにそんなことほざいてんじゃねーぞ!」


「刹那……」


「う、ぅぅうるせぇぇぇぇぇボケェぇぇぇぇぇ!!!」

フパルが泣き叫び刹那になぐりかかった。


ーーバゴッ!


刹那は抵抗せずパンチを顔に受けた。

「心を傷付けられたら相手が強い奴だろうと動き出す。うん、その気持ちがあればお前は強くなれる」


「すぃませぇぇん。そして、ぁりがとぅござぃまぁぁぁす!!!」

フパルはその場に座り込み泣いた。


ーー次の日


朝早く、刹那はフパルを連れて広場へやってきた。(大翔はフックスハウスで寝ている)


「俺はお前を強くする。ただ、強くなれるかそうで無いかはお前次第だ、俺は手助けをするだけ。準備はいいか?」


「はい。出来ています」


ーーバゴォン!ドゴォン!


「うぅ……苦しい……でも!俺は強くなるだァァァ!」


ーーパシュ!パシュ!


「……!(倒れても立ち上がるその姿勢、父さんみたいに強くなりたくて必死になってた俺のガキの頃みたいだ……)」


しばらく修行しているとフパルの体から透明なオーラが出ているような気がしたが気のせいだった。


「刹那さん!ありがとうございました!僕、強くなったような気がします!」


「一回で全ては変わらない。継続する事でさらなる高みを目指すことができる。ただ、一歩を踏み出せたのならお前は確実に強くなっている」


ーーフックスハウスで……


「刹那さん!じいちゃん!大翔さん!行ってきまぁーす!」

フパルは学校へ行った。


「フパルがあんなに元気なの初めて見たわい。刹那ありがとう。。。」


「俺は手助けをしただけさ」


「(刹那はフパルの事気に入ったんだな!)」


ーー小学校で……


「みんな!おはよー!(挨拶したの初めてだぁー……)」

扉を開け教室でフパルが大きな声で言った。


ザワザワ……

教室がザワザワしはじめた。


あいつどうしたの?w

気持ち悪いんだけどw

吐き気してきたわーw

いろいろな悪口がひそひそ声で行きかう。


すると、デブで背の高いガキ大将がフパルに歩み寄る。


「今日どうしたのぉ?いつもキモいけど今日は特にキモいねぇ」

フパルに思い切り腹パンした。


「う……!(刹那さん、やっぱり僕は弱いです。こういう時にやり返せばいいのだけど痛みと恐怖で体が動きません。やっぱり僕は……僕は……)」

いつもの様な学校生活だった。


ーー放課後……


「おいフパル!(つら)貸せよ!」

ガキ大将と他8人のチンピラが言った。


「う、うん。(言い返したいけど言い返せない……)」


オラ!ドリャ!


「やっぱ殴んの(たの)しー!」

「これが一番のストレス発散だわ」

「てか思ったけどコイツ怪我してんのに次の日は傷全回復してピンピンしてるよなw」


やっぱり僕は……


ーードゴォォォォォォォォン!!!!

遠くの方で爆音が(とどろ)いた。


「おい!なんの音だ?見にいこうぜ!」

「そうだな!お前も来いよカス!」

ガキ大将とチンピラがフパルを連れて音の鳴った方へと歩いて行った。


その場所は煙が上がっていたが建物が邪魔で肝心な現場が見えない。


ーータッタッタッ!(足音)


その場所へ近づく程に悲鳴を上げた人たちがフパルの方へ向かってくる。

なんだなんだ?


!?


そこには青い体をし、剣を持った正体不明な謎の生命体がいた。


ひえっ!ガキ大将とチンピラはその恐ろしさに腰が抜け動けなくなった。


「フパル大丈夫か?」

聞き覚えのある声……刹那さんだ!


「大翔!こいつがシロノの目を奪った鬼……」


「神殺しの剣術を持つ鬼【ジョウカ】だな。今までの奴とは格が違う。気迫でわかる」


ジョウカが口を開いた

「守隨とシロノのことは知っているよぉ。鬼目を持ってる奴の居場所は気で簡単にわかる。強くなってほしいから野放しにしている。ただ、この街にはラス様も俺も知らない鬼目を持った奴がいる。そいつの正体を見るために俺はここまで来た!」


「へぇー!そんな奴がこの街にいるのかぁ!だが、今はそんなことは関係ない!お前を倒すだけだ。やろうぜ刹那!」


「ああ」


ーードゴォォォォォン!!!

大翔は鬼目になった。


ーーボオォォォォォォォ……

刹那は青月を発動させた。

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