絶体絶命
う、ぅぅ……
俺は目を覚ました。頭がズキズキする。
あたりを見回してみると誰もいない。というかなんで俺は寝ていたんだ?
しばらく考え込んでやっと思い出した。信じられない速さで刹那にぶん殴られたんだ。だから、頭がいてえのか。
刹那はどこ行った。
名前を読んでみたが辺りには人影すらない。
奥のほうで木が揺れている音がする。その音がだんだん近づいてきた。
ーーーバッサ!
刹那だ。刹那が森から飛び出してきた。
しかし刹那をよく見てみると。ゾッとした。
血だらけで体がボロボロだ。スピードも無いし使い手が使えないのか……
刹那は俺に気付き、力強い声でこう言った。
「大翔ーーー!逃げろ!」
俺は何が起きてるかよく分からずあたふたしていたら……
突然、目の前に何かが現れた!
「あ……」
恐怖で体が動かない。
その"何か"は人の形をしているが体長が5mぐらいで体の色が赤。とても恐ろしい顔をしている。
その何かが口を開いた。
「貴様を殺す前に名乗っておこう…
私の名前は【ラス】。鬼族の長だ。」
その声は低く、落ち着いていた。
ラス?鬼族?訳がわからなかったがそんなことを気にしている場合じゃない
さらばだ
そう呟くと俺の体の半分以上ある拳が飛んできた。
「今ここで死んでたまるかああああああ!」
その瞬間!俺の体を橙色の光が包んだ。
少しふっ飛ばされ尻餅をついたが、鬼の拳には当たらなかった。
鬼は戦闘態勢をやめ、俺達に向かって放った。
「今は殺さないでおく。ただ、次会う時は人生の終わりだと思え。」
そう言い残すと鬼は去っていった。
体の力が一気に抜け、その場に崩れ落ちた。
今のは一体何だったんだ……
橙色=オレンジ色
です。