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とにかく努力
思いを決めた俺は使い手を習得するために頑張ったが習得方法なんてわからない。
刹那に聞いても
「俺に聞くな。自分でなんとかしろ」の一点張りだ。
刹那は木を相手に何かしていたので、俺はとりあえず木をひたすら殴り続けた。
五時間後ーーもう木が殴れなくなるまで手が腫れた。血もたっぷり出て木はべちょべちょだ。
荒い息づかいをしている時に後ろから声が聞こえた。
「大翔。一戦交えないか?」 刹那の声だ。
五時間も木を殴り続けたという自信を胸に俺は刹那の言葉に乗った。
ルールは武器を使わない以外特になし。
お互いに10m程度離れてバトルが始まった。
俺はその場でファイティングポーズを取り、ステップを刻みながら刹那の目をじっと見た。
その瞬間ーー
「スピード・ストライク……」 刹那の呟くような声が聞こえてきた。
そう言った時、刹那が一瞬で消え10m離れていた俺の目の前に現れた。
振りかざした拳が俺の目の前に来た瞬間、景色がブラックアウトした。