光の剣
最近ろくに動いてなかったから体がなまって歩くのが辛い。刹那はなんか強そうなオーラを放っている。俺が病院にいた間ずっと修行をしてたのか。
「刹那、俺の修行を手伝ってくれないか?」
ロスと戦って気付いた。俺には遠距離攻撃(飛び道具?)がないと。
刹那が満足気が顔で承諾してくれた。(あいつ強くなったからって調子に乗ってるな)
町中じゃまずいから開けて雑草が生い茂ってるところに来た。だが所々に草が乱暴に抜けている部分があったのでおそらく刹那はここで修行をしていたのだろう。
実戦はまだ体が付いて行かないから二人別々に修行をした。
刹那はビュンビュンビュンビュン移動している。速くなったな。おっかない。
俺はまず守護を出すアップをした。少し力が弱まっている。休んでいたせいか。
忍耐強くやっていたら元の力にだいぶ近づけたので飛ばす練習をした。ただ、体ではわかっているものの体より遠くに守護を使う事ができるが思い切り飛ばすことができない。
一人でやっていたららちが明かないと思いせっかく二人いるからと刹那に組み手を申し込んだ。
やはり刹那は乗り気だ。この戦いで何かを掴めるかもしれない。
俺等はいつもと同じルールで始める。
位置につき準備をし、スタート!
「大翔。お前が病み上がりでも俺は全力で行かさてもらう。それが俺の流儀だからな、お前も全力でこい!」
当たり前だ!
「俺は手加減が出来ないからな。最初から本気で行くぞ。修行の成果を見せてやる。これが【スピード・ストライク】を超えた【スピード・ストライク】……」
「【"ハイ"スピード・ストライク】だ!!!」
そういうと刹那はいつものように消え、俺の目の前に現れた。この前より格段に速くなっていたがぎりぎり対応できるスピードだった。
「スピードが早くなったって俺には勝てねえぞ!」
俺はそう言い刹那に守護拳をおみまいした……
かったが俺の拳は空を切り刹那が消えた。
その瞬間、後頭部に大きな衝撃が走り景色がブラックアウトした。
「スピード・ストライクは高速で敵の前へ行き打撃を加える単調な技だが、この技は敵の前へ行った後、敵の背後へ回り更にスピードの乗った拳で大打撃を与える。移動すれば移動するほど俺の一撃は強くなる」
「修行をして足腰を鍛えた俺だからこそ出来た技。これが【ハイスピード・ストライク】だ」
意識を失った大翔を起こさず刹那はそのまま修行を続けた。
大翔はそれから一度も起きず雑草のうえで一夜を超えた。
うっうう、頭がズキズキして痛い。こんなこと前にもあったような……
大翔が起きる前から刹那は起きていて修行をしていた。
よっしゃ!刹那には負けてらんねぇ!今日も修行だ!
だが今の俺じゃ刹那に、かなわない。あの速さについていけない。
あーもう!考えてても仕方がない体を動かそう!
ひたすら守護を飛ばす事を意識し、行動した。
何度やっても結果は同じだった。だが、一度だけ体から離れゆっくりですぐ消えたが飛ばすことが出来た。
これが出来るってことは鍛えればもっともっと速く、持続させる事だってできる。そうと分かったらウキウキしてきて時間が許す限り延々と繰り返した。
日が落ち暗くなった時、とても疲れていたのだろうか大翔と刹那二人は同じタイミングで死んだように倒れ、死んだように眠った。
次の日の朝
「なあ刹那。まだ修行は十分じゃないけどこんなことしてられるほど世界は平和じゃない。だからここを出て困っている人を救いにいこう」
「まぁそうだな」
雑草の生い茂った開けた場所に会釈をするとその場をあとにした。
2日間動き続けだいぶ体が動くようになった。
歩き続け名前の知らない村についたそこは咲村よりは栄えている感じがする。
そこを歩いていたら誰かに話しかけられた。
「お前達、俺と同じニオイがするぞ。世界を守りたいと願う旅人だろ」
その男は白髪で顔に深いシワが刻まれていて真っ白な髭がぼうぼう生えていて特徴的なポニテールをした髪型だ。
「え?そうだけどおじさん誰?」
俺が言った。
「俺の名前は【チルカン・ダウメス】チョーっと用事があってこの村に滞在しているが俺もお前たちと同じ平和活動をしている旅人だ。お前たち泊まる場所は決まってるか?なかったら俺の家にこい」
よっしゃ!なんかよく分からんが泊まらしてくれるぜ!
「チルカンさんここはあなたの家じゃないんですよ」
「いいじゃねえか。旅人はみんな友達だろ!」
「そうですけど私が言いたいのはここは私の家で……」
家の玄関に来たがチルカンと誰かが話している
「紹介するぜコイツはこの家の住人の渡辺さんで俺は泊めさせてもらってる」
お前の家じゃないんかい!(バシッ!)
飯やら風呂やらを済ませた俺は聞いた。
「なんでこの家に滞在してるの?用事って何?」
「この村、方丘村をな強盗団が狙っているらしいんだ。だが全然来ないから来るまでここに滞在させてもらってるんだ」
でも、こんなおじさんが強盗団を倒せるのか?
ーーブォンブォンブォンブォン!!!
遠くから無数のエンジン音が聞こえてきた。
「やっと来たか強盗団の東郷団め」
(名前ださ……)
すぐさま外に出ると五十個ぐらいのバイクのライトが見えた。
近づいてきた。
するとどこからか光が夜の暗黒を支配し辺りは真っ白に輝いた。眩しすぎたので目を閉じてしまった。
そして目を開けたら……
結構近づいてきたバイクのやつ全員に白い光を放っている剣が突き刺さっていて動きが止まっていた。
この光の剣はまさか
横にいたチルカンは言った
「俺は天神の使い手。この使い手の能力は剣を出し刺さった者の動きを止める言うやつだ。俺が意識をして剣を抜けば抜かれた奴は気絶する。こんなふうにな」
刺さっていた剣がチルカンの遠隔操作により抜け、バッタバッタと強盗団は倒れていった。刺さっていたはずなのに傷跡がない。
「よし家に戻るか」
「ちょちょちょ、気絶させたままでいいの?」
「なぁに、あんな奴らの心を改心させるなんて楽勝楽勝。放って置いても良い子ちゃんになるだろう」
すげぇ何だこの能力は
家に戻り俺は興味津々でチルさんに色々聞いた。
談笑していたらチルさんが話した。
「俺にはライバルがいてなそいつが【魔神の使い手シリウス】っていうやつなんだ。目はオッドアイですっげー強いんだ」
魔神の使い手シリウスかぁ。どんだけ強いんだろ会ってみたいな。
「刹那、お前どっかで見たことあんだよな……」
そんなことをチルカンが言ったと思ったら
「いやいや何でもない。夜も遅いし寝るか!」
この一声で俺らはぐっすりと寝た。
コッケコッコー(鶏)
家を出る準備を終え俺らは渡辺さんに挨拶をして家を出た。
数秒後にチルさんも家を出た。
「大翔!刹那!お前達元気でな!」
「チルさん、じゃあね!」
行く道がお互い真逆なので振り向き手を振りながら言った。
一夜をともにしたけどチルさんが何者なのか全くわかんないな。この訳も分からないも旅の醍醐味だろ。