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GUARDIAN DEITY (ガーディアン デイティ)  作者: ミカオト
ガーディアンデイティ
11/64

英雄と呼ばれる日まで

 「お前はあの時、一撃で俺を気絶させることができたはずだ。真剣勝負のはずだろ?」


 「真剣勝負って何もそこまでやる必要は無いだろ」

 そう答えると刹那は怒りの表情で横を向き黙ってしまった。


 真剣にやらなかったから怒っているのか?というか殴るまでは俺は全力でやっていた。


 どういう事だ?



気まずい雰因気のままだったので風呂場を後にしようとすると

 「はい、チェックー!」

 という声が脱衣所から聞こえた。


 間髪入れず、勢い良くドアが開いた。

 

 ふむふむ今時の少年はこんな体をしているのか。

 

 メニカが意味深なことをつぶやきながら俺らの方を見てなんかタブレットに書き込んでいる。


 「んじゃ、失礼しましたー!」

 

 


……。




 行動が理解できん。





 飯は出なかったので咲村のごうたじいさんからもらった食べ物で飢えをしのいだ。

 3日は持つ量はあったがいつでも腹が減りまくっている俺は全て食べ尽くした。



 


 「刹那。どうして怒ってるんだ?」

 飯を食ったあとのリラックスタイムに俺は聞いた。



 「怒ってなどいない、腹が立っているだけだ」

 (それ怒ってんじゃん。)



 何故と問うと

「お前が俺を舐めているからだ。あそこで手加減をするというのは真剣勝負を望んでいた俺を馬鹿にしたのだろう?自分のほうが強いって、俺をあえて倒さず伝えたかったのだろう?」


 何だこいついつもの刹那じゃない。まるで戦闘狂みたいだ。第一手加減したのにそこまで理由はないが。



 「まぁいい。次戦うときは俺を殺す気でこい。俺も殺す気でやる」


 あ、ああ。(結局何が言いたかったのだろう)



 そろそろ寝る時間だ。砂漠の夜は異様に寒い。俺らはどこで寝ればいいんだ。メニカに聞いた。


 「うーん。機械の影響でソファはなくてベット一つしかないからねぇー。私と一緒に寝れば?」


 何を言い出すこの女。下品な女だ。


 「俺は床で寝る」

刹那が言う。


 だが、そんなこと言ってられないぐらいの寒さだ。


「強がっちゃってー。本当は私と寝たいんでしょう?」


 「そんななわけ無いだろ。失せろ」

 ツンデレ刹那が、横たわりながら言った。


 「そんなこと言うなら寝さしてあげないもんねー。べー!だ。大翔くん、私と一緒に温かいベッドで寝ようねー。」


 まじか。まぁ仕方ない、こんな寒い床で寝るのはゴメンだ。


 




ーーベットでの出来事








「大翔くん。今時の少年より、というかどんなプロボクサーよりも君たち強いでしょう?その力どこで手に入れたの?」


 話していいのか分からなかったがとりあえず話した。


 「俺らの力は使い手というものらしいんだ。これはどんな人でも努力をすれば手に入れられるらしいんだ。俺はひたすら木を殴り続けてこの力を手に入れた」


 「どんな人でも。か……」


 「ところで……」

 メニカがそう切り出した瞬間、溜まっていた疲れが一気に飛び出し死んだように眠った。






 朝が来た。隣を見ると床で眠っていたはずの刹那がベットで寝ていた。(やっぱり寒かったんだ)


 俺は刹那とメニカを起こさないようにそっと起き、砂漠で朝の稽古を始めた。


 稽古内容は想像対人(そうぞうたいじん)と守護のコントロールだ。


 守護は一部のところに出現させるのはすぐできるのだが、体全体となると時間がかかる。これを一瞬でできるようにしないとな。


 しばらく稽古をしていたら刹那とメニカの言い争いが聞こえてきた。


 「やっぱり私のところへ来たじゃない!」


 「違う!朝起きたら何故かベットの上ににいたんだ!」

 刹那は苦しい、言い訳をした。

 その会話にくすっと笑っていたら、

 「大翔くん。昨日疲れすぎて寝ちゃったでしょ。だから言えなかったけど強くなりたいなら私と戦ったほうがいいわよ」

 え!?メニカって強いのか?!


 「もちろん私本体が強いんじゃなくて……」

 私本体?


 そういうとおもむろにスイッチを取り出し押した。

 すると、家の中から機械が天井を突き破りメニカの方向へ勢い良く飛んできた。


 危ないと思ったが心配は無用だった。

 次の瞬間……。


 「これがスーパーメニカちゃんよ!」


 なんだこれは?


 メニカの体を機械が取り囲み三メートルぐらいの両手ありの二足歩行ロボットみたいになった。



 「さぁ!君達どこからでもかかってきなさい!」



 刹那と俺はお互いを見て同時に頷いた。


 

 





ファイト!


 メニカロボがこっちに向かい、殴ってきた。俺らは余裕でかわした。速度は遅い。


 が、地面に当たった瞬間、地面は大きな地鳴りとともに亀裂が走った。



 とんでもない威力だ。



 その光景を見て驚いたが怯んでいても仕方がない、だから心を強く持った。



 一向に俺らは近づけない。それが一時間ぐらい続いた。


 「あらあら、もうへばっちゃったの?もう終わりにする?」

 メニカがロボのスピーカーを使い、(はっ)した。


 こいつ機械に乗ると調子に乗るな。


 

 だが、調子に乗られるような行動しか起こせない俺らが悪いな。



 そこで、刹那が口を開いた。【いい考えがある】と。


 その言葉を発した途端刹那はメニカロボに向かい猛ダッシュした。

 俺は作戦を聞いていないから何をするのかわからない。


 刹那はロボの攻撃が当たるか当たらないかの所に行くとロボを中心に周りをまわりだした。


 何をしているんだ。検討もつかない。



 刹那が回っていたところは砂なので砂をかき分け沈んでいった。

 ああ!やっとわかった!あいつ頭いいな。


 「何をしているの刹那くん。私を倒す方法が無くて血迷ったの?」

 メニカが憎たらしい声で言う。


 メニカの周りの円の深さは刹那のおかげで三メートルぐらい掘り進められている。

 


 「その逆だ!いまだ!大翔!!!!」



 俺は円の下のところへ行き、渾身の力で手に守護をまとわせ中心部を殴った。

 数秒たったあとドッゴン!と大きな音を立てその砂の山は砂の中に沈んだ。

 メニカロボも砂の中へ沈んでいった。



 そして五秒後ぐらいにロボが這い出てきた。

 だが、出てくるのに夢中になっていたロボの中心部らしき部分が無防備だったので、そこを俺は守護をまとわせた拳で刹那はスピードに乗せた拳で一撃!



 すると案の定、ロボが全壊しメニカが飛び出てきた。


 「メニカ。お前相当強かったぞ!」

 俺が言った。


 「まさかね、砂漠を利用されるなんて思ってもなかったよ。君達、力だけではなく頭もいいんだね。でもね……」



 「私は【スーパーメニカちゃん】を超えた【ウルトラメニカちゃん】になれるのよ!」


 さっきよりバージョンアップしたスイッチを取り出し押した。


 すると、さっきのよりゴツくなった機械が砂漠の下から飛び出てきた。それがメニカの方へ飛んでいくとまた……


 「これが【ウルトラメニカちゃん】よ!」



 さっきの機械よりもグレードアップしている感じがして、でかくなっている。全長五メートルは優に超えるな。(まるで鬼族(おにぞく)の長、ラスみたいだ。)




 疲れた体でこんなやつを相手しなきゃいけないのか……。

 気が参りそうな気分だったが、メニカの声が聞こえて来た。


「うそうそ。これはまだ未完成ですごく危険だわ、私も使いたくないもん」



 うわぁ…。よかった……。



 家へ戻ると帰りの準備を始めた。


 「君達、もう帰るの?楽しかったからもう一日だけいてくれない?」

 メニカが悲しそうな顔と声で言う。


 「俺も楽しかったし有りがたかった。だが、それはダメだ。俺は人を救ったり、この世に蔓延る悪をぶっ潰しに行かなきゃいけないからな。」

 俺が言う。


 「それならこれを持っていって、私はその旅。応援する!」

 メニカは俺らに活かしたデザインのナイフをくれた。

 

 

 「悪いが俺は命を殺すために旅に出ているわけじゃない。体と心という最強で最高なの武器を持っているからな。これがあればどんな事でも解決できるさ!気持ちはありがたく受け取っておくよ」

 俺はナイフを返した。


 「世話になったな、メニカ。次会う時は世界を救った英雄になっているからそん時はよろしく!」

 俺は笑顔で言った。


 「じゃあな…」

 刹那が不器用な笑顔で照れくさく言った。


 メニカは刹那の顔を見て軽く微笑んだ。

 俺らは振り返り玄関を出た。










 「二人が世界を救った英雄と言われる日を私は待ってるから!!」

 泣きながらメニカが叫んだ。









 その声に俺らは背中で答えた。


 



 

 


 


 

 






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