表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

#002「八月十三日土曜日」

――昨夜のペルセウス座流星群は、綺麗だったなぁ。

メダリストの陰に、妻の愛か。一昔前でいうところの、内助の功かな。

複数の異性から同時にアプローチされたり、ストーカーされたり、そうかと思えば、三年もしないうちに忘れられたり。芸能人も大変だなぁ。

ヘェ。芸能人の兄弟姉妹も、いろいろと個性的な活動をしてるんだ。

汗染みは、洗剤と漂白剤を入れた鍋で煮込むと落ちるんだ。制服のワイ・シャツで試してみよう。

  *

「お疲れ、土屋」

「お疲れさま、垣内くん。メンソーレおじさんは来た?」

「今日はまだ来てない。漫画の疫病神は来た」

「あの、雑誌の扱いに五月蝿いオタクだね」

「あの燐寸棒め。コミケで圧死されてしまえ」

「抑えて、抑えて。それにしても、中高年って、何であんなに態度がデカイんだろうね」

「若かりし日を美化するし、今の便利さに対する負け惜しみをばら撒くし、碌なことをしないよな」

「あぁなりたくはないものだね」

「それで、今朝のトピックは?」

「一つは五輪について。会場のカメラは、日本の二大メーカーで占められてるって知ってた?」

「知らなかった。そうなんだ。やっぱり日本製は、出来が違うんだな」

「技術力の高さは世界トップ・クラスだからね。特に、精密機器に強い」

「日本人は、几帳面で凝り性だもんな」

「時として、木を見て森を見ずに陥ることもあるけどね」

「必要以上に商品価値を高めてしまって、どこにも売れなくなるんだよな。他には?」

「ニシオンデンザメという鮫が、四百歳近く生きているという事実が、研究によって判明したよ」

「四百年前というと、十七世紀初頭か。何があった時代だっけ?」

「オランダで東インド会社が設立されたり、江戸幕府が成立したり、フランスがカナダのケベック植民地を形成したり、対馬の宗氏と李氏朝鮮とで己酉約条が結ばれたりした頃だよ」

「よくわからないが、すごく昔から生きてるんだな、その、オデン鮫は」

「ニシオンデンザメだよ。おなかが空いてるなら、売り上げに貢献してよ。店長が仕入れすぎたフルーツ系アイスが、まだケースいっぱいに売れ残ってるよ?」

「ここでバイト代を使いたくないって。土屋だって、そうだろう?」

「まぁね。話を戻すけど、理論上は鮫より長生きする生き物がいるんだ。何だと思う?」

「アメーバとか、ミドリムシとかか?」

「もっと大きな生き物だよ。答えは、ロブスター」

「ロブスターって、あの巨大化したザリガニみたいな奴か?」

「そうそう。オマール海老とも言われてる高級食材だよ」

「たしかに大きいが、それほど長生きしてるとは思わなかったな」

「外的要因が無い限り、半永久に生き続けることが出来るんだけど、成長するほど脱皮に時間が掛かるようになるから、天敵に襲われやすくなるんだ」

「おまけに、人間に食べられるもんな」

「災難だよね。あ! メンソーレおじさんだ」

「そろそろレジに入るか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ