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第一話 Let’s go to異世界

マグナムのイメージはS&W M19 .357コンバットマグナム(6インチ)です。(作者は銃に関して素人です。)


「うわーーーーーーーーーー!?」


 あの野郎やりやがった!!いきなりお空に放り投げるなよ!!

 流星に跨がって(ないけど)、貴方に急降下ah…

 じゃねぇ!貴方って誰だ!

 やばい混乱してる!モチツケ!餅つくんだ俺!!

 地面までの距離は!?目測・・・6m。

 あ。死んだなこれ。


「父さん。母さん。ごめん。・・・俺・・・死ぬよ!」


 ドゴッ!!!

 と、音がして俺は地面にめり込んだ。と言うか埋まった。くそっ!ガンダ○UCネタやってる暇じゃなかった!

 って、あれ?

 死んでない?へ?


 穴から這い出て、ふと空を見上げると、空から何か降ってくる。

 紙?


「どれどれ?」


『【初めの一回位は守ってやる。ま、せいぜい頑張るんだな。】』


「あのヤロ―――――!ふざけたマネを!!」


 俺は空を見上げて叫んでいた。まあ、死なずに済んだことは良しとしよう。

 するとまた何かが空から降ってくる。


「今度はなんだ?って、あぶねぇ!!」


 ガシャガシャンッ!!


 とっさに避けると、音を立てて何かが降ってきた。

 あのエセ神、当たったらどうする気だ!


「で?何が降ってきたんだ?」


 こ、これは!?

 群青色の鞘に入った日本刀と、真っ赤なマグナム!!

 俺が、頼んだときに考えてたとおりの外見だぜ!!

 あいつ、いい仕事するじゃねぇか。


「いいねぇ。痺れるねぇ。」


 俺は立ち上がると刀を腰に差し、銃を・・・


「銃どうすっか。」


 カツン


「いてっ。」


 頭に何かが当たって落ちた。拾い上げてみてみると・・・。


「おっ。ホルスターじゃねーか!」


 助かった。自称神、ナイスアシスト!気が利くじゃん。

 銃を納めて、一応服の下にホルスターを巻いた。

 そういや学ランのまんまだな。こんな格好で大丈夫かな?


「で、ここはどこで、俺はどこへ向かえばいいんだ?」


 と、周りを見渡したら、さっきは(自称)神への怒りで気が付かなかったが、少し離れたところに女性達が立っていた。

 な、何?全員美人だと!?これが異世界か。ふ。これで俺は人生勝ち組になれるな。


「どうもこんにちは。お嬢さん方。私はこの世界の神より使わされた勇者です。魔王を倒すため、この地にはせ参じました。しかし土地勘がないため迷ってしまいました。宜しければ、街まで案内して下さいませんか?」


 俺は出来るだけキメ顔で、嘘八百を並び立てた。

 (言葉、通じるよな?大丈夫だよな?ていうか、変なやつとか思われてないよな?)

 内心びくびく状態で。

 すると女性達の中の一人が、


「き」


「き?」


「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

「お、おと、男が!」

「憲兵は何をやっているの!?」


「へ?」


 どういうことだ?

 と、考えていると、ガシャガシャと、音が近づいてきた。


「そこの男!動くな!武器をこちらに渡して地に伏せろ!」


 鎧を着たお姉さん方(多分)が、こちらに槍の穂先を向けつつ俺を取り囲み、そう宣言してきた。


 へ!?何事。


「え!?な、何で、ですか!?」


「抵抗するなら実力行使させてもらうぞ。取り押さえろ!」


 そう言って周りの人に指示を出すリーダー風の人。

 って、ちょっと!?


「ちょっと待ってよ!何でいきなりこんな状態に?俺、何した?」


「しらばっくれるな!ここは、男禁制の場所である!そこに貴様がいるということは、何か企みがあってのことであろう!どうやって進入したかは知らぬが、おとなしく縄についてもらおう!」


 はぁっ!?何この、○NE PIECEの主人公みたいな状況!?

 と言うか、あのエセ神の行っていた地上で後悔しろってこのこと!?なんてことしやがる!!


「よし!抵抗しなかったのは良い心がけだ。今から貴様を男領に送る。そちらで取り調べの後、しかるべきところに出てもらおう。」


 はっ!?考え事している間に縄が!?しかも、もらったばかりの剣が~!!


★☆★☆★☆


 ガチャンッ!!


「へ!女領にはいっ手捕まったとかどんなアホだよ。ざまぁねえな。」


 俺を牢屋に蹴り込んだ男がそう言ってきた。

 チッ!こいつうぜぇ。なんか上から目線だし。今は兜取っているから見える顔はイケメンだし。チャラ男な感じだし。


「・・・・で、女領はどうだった?こう、いい香りとか、した?」


 は?


「何とか言ったらどうなんだよ。あ、あとこのことは上にはナイショにしてくれよ。クビにされちまう。」


 じゃあ聞くなよ。


「はぁ・・・少なくとも、ここよりはいい香りだったぞ?」


「で?で!?あと何があった!?」


 面倒くせぇ。よし。さっさと答えていなくなってもらおう。


「えっと、一面お花畑で、自然豊かな感じだった。」


「マジかっ!他には!?」


「つっても入って即刻捕まったから、あまり見てないんだよ。後は美人さんが多かったことくらいかな。」


「そっかぁ。俺の将来の相手はどんな人なんだろ。綺麗な人だといいなぁ。」


 ん?なんだ?今の物言い、なんか引っかかる。


「おい。それって・・・」


 どういう意味か。と、聞こうとしたところで階段の方から足音が・・・


「やべっ!今のはナイショだからな!?」


 チャラ男君は慌てて兜をかぶり、持ち場に戻った。やっと解放されたか。

 しかし、今度は上から降りてきた、眼鏡をかけたインテリ系イケメン等が、俺の牢の前に立つ。

 人数は三人。先頭のインテリ系の他に、ローブ(?)を着込んだやつと、騎士(?)が一人。騎士は多分護衛か何かだろう。ローブの方は、フードが深すぎて顔が見えない。


「こいつを出せ」


「はっ!」


 インテリ系がチャラ男に命令すると牢が開けられ、俺は引きずり出された。


「いてっ!もうちょっと丁寧に扱ってくれよ!」


 俺がチャラ男に文句を言うと、


「罪人は私語を慎め!」


 と、インテリ系に怒られてしまった。



★☆★☆★☆



 俺は連れ出されて上の階の小部屋に連れてこられた。中にいるのは俺・インテリ系・ローブの三人。騎士は外だ。席に着くと直ぐにインテリ系が話しだした


「これから取り調べをはじめる。手を出せ。」


 偉そうに!逆らうのは得策じゃないから言うとおりにするが、納得いかん!!

 そもそも、俺が捕まった理由も納得いかん。いきなり神に落とされたんだから知らなくてもしょうがないじゃないか。って痛っ!?なんか指先軽く切られてるんですけど!?血が滲んでるんですけど!!?


「調べろ。」


 インテリ系が、ローブに命令した。

 ローブが小声で何事か呟きだした。その前にこの指をどうにかして欲しい。

 と思っていると、指先に魔法陣が現れ、その上に文字の書かれたリングが何層も現れた。


「どうだ?」


 インテリが、ローブに聞くとローブは首を振って紙に何か書き、それをインテリに見せた。

 このローブしゃべれないのか?いや、でもさっきは何か呟いていたし。声を聞かせたくないこととかあるのか?まあいいか。


「何?おい。ちゃんと調べたのか?」


 うわっ!なんか急にインテリが静かにキレ始めた!?顔がめっちゃ怖い。

 あーあ。ローブもびびって慌ててるよ。可哀想に。

 するとインテリが、


「おい。貴様。隠蔽の術などは使ってないだろうな?もし使っていたら今すぐ殺してやるぞ?」


「いや。俺、魔術に詳しくないんだけど、そう言うのって解ったり解除できたりしないの?」


「チッ。どうなんだ?」


 しらねぇのかよ。どうでもいいけどこのインテリ系、すげぇ怖い。静かに切れるから滅茶苦茶怖い。あと、ローブがそれにおびえてぶるぶる震えて、小動物みたいでめっちゃくちゃ可愛い。

 そのローブ君は急いで俺の方を向き、フードの奥から俺の方を見たが、しばらくするとインテリ系の方を向いて首を振った。解らなかったようだ。


「貴様の血の情報が謎の文字で記されていて解読できないらしい。したがって、これから貴様にいくつか質問する。嘘をつかずに答えろ。おい。」


 インテリ系がそう言うと、ローブがまた何かとなえ始め、今度は床全体に魔法陣が現れた。

 今度はなんだ?


「この結界内で嘘をつくと吐き気や頭痛などの体調不良がおきる。嘘の度合いによって強さが変わる。軽い気持ちで嘘は吐かない方が賢明だ。」


 なるほど。嘘発見器魔法版的なやつか。


「わかった。」


「では最初の質問だ。貴様の名前はなんだ?」


「アヤキ・ヤグモ」


「次に、どこの出身だ?」


「日本のS県」


「は?」


「だから、日本のS県。」


「それはどこにある?」


「地球」


「ちきゅう?」


 インテリ系は俺をすごく疑わしそうな目で俺を見ているが、痛みを我慢しているようには見えないようで、次の質問に移った。ま、そもそも嘘を吐いていないから、痛みとかないんだけどね。


「では、どうやって女領に侵入した?」


「空から。ていうか、侵入したというか落とされただけなんだけどな。」


「?誰にだ?」


「神っぽいやつ。」


「は?と言うと貴様は神に遣わされたモノなのか?」


「う~ん。面倒くさいからそれでいいや。っていったぁ!?」


 エセ神に言語をたたき込まれたときよりは弱いが頭がー!


「嘘は吐くなといっただろう。実際はどうなんだ?」


「お、俺が神っぽいのに頼み込んでこの世界に入れてもらいましたぁ。」


 あ、本当のこといったから痛みが消えた。よ、良かった・・・。


「ふむ。ではなんのためにそうしたのだ?」


「え?俺からしたら異世界だから、あこがれで。」


「は?ま、まあいい。しばし待て。」


 そう言って、インテリ系とローブは部屋の外に出て行った。

 罪人一人おいてくなよ。拘束されていて何も出来ないけどさ。

 俺これからどうなんだろう?侵入くらいで殺されたりしないだろうけど・・・。


 しばらくすると、二人が室内に戻ってきた。


「今回は簡単な取り調べだが、お前には怪しい部分が多すぎる。しばらく解放してもらえるとは思うなよ。」


 インテリ系はそう言って、騎士風の方を向いた。


「また牢に戻しておけ。」


「はっ!」


 その後、俺はさっきと同じ牢に戻され、そこで夜を明かした。

 牢獄って寒いのな。毛皮とかもあるけど風がひどい。どこから入ってくるのか地下にあるのに結構吹いてくる。そして何より、床が堅くて寝心地が悪い。


 こうして俺の異世界1日目が終わった。


 捕まって終わりってなんじゃそりゃーーーー!?俺の異世界ライフって何!?

 こんなの絶対おかしいよ!!








 あ、そういえばマグナムは没収されてないな。ばれたらまずいかな?ま、黙っとけばいいか。

 ばれなきゃいいんだよばれなきゃ。


誤字・脱字などあったらご指摘下さい。

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