第一希望 姉や妹のラフな格好って見たいよね?
「なんでだよ!」
俺は世の中の不条理に思わず立ち上がった。
「・・・一応聞くけど何が?」
「なんでいらない、いらない言ってるお前には姉と妹がいてこんなにも欲しがっている俺には兄と弟がいるんだよ!」
なぁおかしいと思わないか?ひとりっ子なら、兄だけなら、弟だけならまだしも両方だぞ?兄妹でもなく姉弟でもなく兄弟。神様が二回うっかり男のところを女にしてしまえば俺は幸生のような立場にいれたっていうのに。
女ではなく男だった文にしてみればただの誤字だ、だがそこには、月とスッポン、ドラ○もんとコ○助、百円札と百円玉、兄と姉、弟と妹大きな差が生じているのだ。
「でも俺はお前がそれでよかったと思ってるよ。もしいたらギャルゲーやらエロゲーみたいに手を出してただろう?」
「それは違うぞ幸生。いいかあんな姉や妹に手を出すようなアネラーやイモラーの風上にもおけんクズに俺はならん!」
「なんだよアネラーとイモラーって・・・でもなんでだよ良くも悪くもそれは姉や妹に他にする愛情だろ?」
やれやれと俺はため息をついた。
「いいか幸生。俺はどこぞのクズのように姉や妹に手を出したりはしない!なぜなら手を出したらそれはすでに姉や妹ではなく一人の女だからだ!」
バーンとアニメなら効果音がなっていたであろう俺の名言を幸生に言ってやった。
「ちなみにこの言葉は、俺の座右の銘として携帯の待ち受けにしてある。」
自慢げに開いた俺の携帯には、(姉、妹に手を出すべからず。出した瞬間それはただの女である。)と書いてあった。さすがにそれには幸生もうわぁと顔をひくつかせていた。
「じゃあお前は姉と妹がいたとして何がしたいんだよ。」
「イチャイチャした――」
「手出してんじゃねえか!!」
チッチッチと俺は指立てる。
「俺が言ったイチャイチャとは全然お前の考えるイチャイチャとは違う。確かに恋人同士がやるようなイチャイチャが全くないと言えば嘘になるが・・・そうだなお前の家で今妹はどんな感じだ?」
「ん~そうだな今中三で難しい年頃ってのもあるかも知れんが結構言葉きついぞソファ座ってたらどいてとか目の前にあるのにリモコンとってとか。」
「うらやましい!!なんだお前は死ぬのか!?いや死ね!死んで俺と入れ替わろう!」
「こええよ。お前ならやりそうでシャレになってねえよ・・・」
幸生はぐいっと身を乗り出した俺に対しまたも苦笑いを浮かべた。
「じゃあとりあえずお前のとこに妹のふりをお前がやってくれ。」
「なんで俺が・・・まあいいけど、アニキリモコンとって。」
「そうかじゃあ俺の膝の上に来なさい。」
「なんでだよ!なんでリモコン求めてんのに膝の上に座らせようとするんだよ!」
幸生のツッコミに俺はまたしてもやれやれとため息をつく。
「いいか今リモコンは俺の膝の上にあるならばリモコンが欲しい妹は膝の上に来なければならない。そして妹はリモコンを手にする俺は妹を手にするまさにウィンウィンってやつだ。」
「ウィンウィンじゃねーよ!なんでリモコンが膝の上にあんだよ!渡せよ!膝の上に持ってくるぐらいなら渡せよ!」
「バカかお前は?そしたら妹は甘やかすし俺は妹を手にできないし誰も得をしないぞ?まさにロスロスってやつだ。」
「ねーよそんな言葉!バカはお前だよ!」