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エマ・カルディア  作者: マシュマロポテト
第一章 砂の大地の水たまり編
12/27

不法侵入のち作戦会議

  家舟。浮舟とも呼ばれるそれは王国で最もポピュラーな乗り物であり、それゆえに種類も多い。

 中でも最低限の布と骨組みだけ造られている辺境探索者用の家舟。


「こんなもんで空飛んでるとか、頭おかしいだろ」


 だが今は、畳んで丸めれば背負えるサイズにまとまる探索用の特注品の性能に感謝だ。

 クヂャの止まる事なき説教ループのせいで茶屋を追い出された俺たちは、街の小さな公園に来ていた。

 とはいえ開発途上の原産都市であるアースガズル。まっとうな公園などあるわけがなく……


 「おいクジャ…なんだこれは……」

 

 「だから私はクヂャだって。 何って?私の家だけど?」


 「なんでお前はそんなになんともなさそうなんだ?おかしいだろ」


 湖に迫り出した部分も合わせると、この水の都は四重の構造になっている。

 湖に迫り出し、厳重警戒の第一層部。

 さっきの茶屋や俺の爆走した裏路地があり、一番などのある第二層。砂漠にも面しており高い壁と布の幕の様な物で砂を防いでいる。

 あとは作業員達の住宅のある第三層とその大元の商人の邸宅のある第四層。


 この中で公園と呼べる広さの場所が確保できるのは当然、第四層しか存在しないわけで・・・


「クジャの馬鹿! ここのどこが公園だよ。中庭だろ、どう見ても」


「だからクヂャだっての!! 」


  かなり大きな屋敷の片隅。あまり人もこなさそうな中庭が、クヂャの主張する『公園』だった。


「だいじょうだって!ばれなきゃお金は取られない」


 確かに人のこなさそうな所ではあるが……やっぱまずいだろう。


***************

 

 移動するだしないだの口論は、結局クヂャの。


「じゃあ宿代ラサが出してくれる?」


という一言で決着がついた。



「で、ラサはこのあとどうするの?この街はよそ者に厳しいよ。気鉄の利権が絡んでるからどうしてもね」


 拾ってきたヤカンと器を片手に、家船のパーツを組み合わせて物置に偽装した仮住まいの中でクヂャと今後の作戦会議をする。

 館の主が見みつかったら一発で終わりだろうが、何も無いよりましだろう。

 

「どうするってもなぁ…家船で帰れない以上、陸路で帰れる方法をこの街で探すつもり…だったんだが……」


 これはイーニェイと砂漠をウロウロしていた時から計画していたことだ。

 が、クジャの話しによると、陸路での移動も厳しいらしい。



 なんでも、街の機密保全のため、という名目で本国へ変えるには厳しい検査が必要になるらしい。

 勿論、そもそも正規の手続きで入っている訳ではない俺などもろにスパイの疑いありまくりだ。通れるわけが無い。

 

「ならラサ、写真を撮ってはどうだろう?」


「は?」


「だってあんた、写真撮ってご飯食べてる人でしょ?チャンスじゃない」


 王国でも噂になっている水の都。その地理的要因と街の排他性でライバルは居ないと推測出来る。

 その上街の中はクジャが、外はイーニェイにガイドを頼むことが出来るかもしれない。

 本来の見て楽しむ、という仕事とは違うが、なにかスクープを捕まえることが出来れば、この街での俺の信用も上がり王国に帰れるかもしれない。



 こうして、俺の砂の世界での生活が本格的に始まった。


「アイデア料は写真が売れた時の代金の半分でいいよ」


  金に目が眩んだ馬鹿な友人には、そんなことはない、と丁寧に断っておいた。


一時間ほどおそくなってしまいました。


投稿直前にデータが半分ほどぶっ飛ぶという悲劇のせいで文量少なめになっております……ちくしょう!


2013/2/15 改訂、少しの加筆をしました


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