★第12話:方向音痴〜龍樹*璃夢〜
「――――――…っ!」
ここ…は、どこ…だ?
前にもこんなことあったような…
「あっ!!龍樹起きたの!?大丈夫!?」
「あっ…はは…。大…丈夫だ…?」
「アホかっつーの!走るなら、ちゃんと前向いて走れっ!!」
「あ゛ぁ゛!?っと、璃夢か。」
「『璃夢か』じゃないわっ!あんた、自分に、なにおこってたかわかってんの!?」
「…走ってたら、いきなり扉が現れて…」
「現れたんじゃねぇだろ!龍樹がちゃんと前向いてないから…!」
「ごめんね!わたしが競争しようなんて言ったから…」
「いいや、佐紅羅のせいじゃない。」
「まだ、体起こさない方がいいよ!」
「あぁ。」
「あっ!!やっぱ、うちさっき鍵貸してくれた子に名前聞いてくるねじゃっ!」
「うん!!」
「…。」
――――――――――――
「2人とも、うまくいくかなっ!」
ズキッ………………。
「っ…」
はぁ、やっぱ暇だな…
名前聞いてこよ…。
ん―――――――――――
ここは―――――――――
どこ―――!?―――――
ま―――――――――――
まさか―――――――――
この――――――――――
方向音痴――――――――
でも――――――――――
なんでも――――――――
ない――――――――――
私が――――――――――
迷子――――――――!?
「ヤッヤバッ!」
…。
「どーしたんですか?璃夢さん。そんなところで。。」
「へっ!?」
迷子ってことがばれる…!!
「えっと…さ、散歩よ…!散歩!!」
「へぇー…、ほんとは迷子のくせに…?」
「はっ!?」
「普通だったら、こんな森の奥深くまでこないでしょ?」
「っく!散歩だって言ってんでショーが!!」
「ふぅん…だったらもうそろそろ帰った方がいいんじゃない?暗くなってきてるし」
「…。」
「宿までは、そこの曲がり角を曲がって、右に進んでいけばつくよ…?」
「あっ、ありがと!
名前なんて言うの?」
「僕の名前は…神だ。」
「そっか!!ありがと!神!ばいばい!」
「じゃっ…!」
へー!神って名前なんだぁ…♪
じゃなくて、♪じゃないよ!わたし!