22.2. ガスパール — 銃声に断ち切られた笑い声
私たちはサッカーをするつもりだったが、チームと呼べるような状態ではまったくなかった。
エリオは白いレアル・マドリードのユニフォームを着て、まるでチャンピオンズリーグの試合に出るかのように真剣な顔をしていた。
ジョヴァンニは試合が始まる前から、紺とえんじの縞のバルセロナのTシャツを着て、あたりを走り回っていた。
ドメニコのユニフォームはとても謎だった。シャツの上にフェルトペンでたくさんのロゴを描き込み、自分だけのクラブを作っていたのだ。
ロザリアはイタリアの鼓動そのもののようだった。青いTシャツに白いジーンズ姿で、非公式のイタリア代表選手のように見えた。
私は黒いTシャツに紺のジーンズで、まるで中立の審判のような格好だった。
突然、場が一気に騒がしくなった。
何が起きたのか分からないまま、気づけば私はぶどう畑へ続く道の前に立っていた。
五人しかいないのに、なぜか奇跡のように二つのチームに分かれていた。
私たちのチームのキャプテン、ジョヴァンニは私がゴールキーパーだと言い残すと、すぐにフィールドへ走っていった。
「ゴールはどこ?」
ガスパルは戸惑った声でロザリアに尋ねた。
ロザリアとドメニコは、キャプテンのエリオのチームだった。
ロザリアはちょうど私の正面、家の前でキーパーの構えをして立っていた。
だが、そこにはゴールらしいものは何もなかった。
「あなたの後ろ、全部がゴールよ。」
ロザリアは膝を軽く曲げ、キーパーの姿勢のまま微笑んで答えた。
試合は家の前庭で続いていた。
私はぶどう畑の前に立っていた。ゴールの場所など決まっていない。
バルディーニという姓を名乗るのは簡単なことではない。
バルディーニであるということは、自分の背後にあるすべてと、そこにいるすべての人を、最後まで守り抜くという意味だった。
「ゴーーール!!」
エリオは嬉しそうに叫びながら、母親のところへ走っていった。
子どもたちが走り回って遊ぶ中、ロザリアもゴールを離れずに一緒に笑っていた。
彼女が笑っているのを見ているのは、こんなにも楽しいものだったのか。
私が相手チームのキーパーを見ている間に、エリオはゴールを決めて喜びながら走っていた。
「ママ、早く!ゴールセレブレーションするよ!」
エリオは母親とドメニコの手をつかみ、真ん中に立った。
それから三人で前に走り出し、突然ひざをついて芝生の上を滑った。
ドメニコはひざ滑りをしようとして、そのまま芝生にうつ伏せに転んだ。
「大丈夫よ。さあ、もう一回やろう。」
ロザリアは地面に座ったままドメニコを抱き寄せ、頭をなでた。
三人は芝生の上を滑るため、もう一度手をつないだ。
「僕も待って!」
ジョヴァンニが息を切らして走ってきて、ドメニコの隣に立ち、手をつかんだ。
「ジョヴァンニ……それ、うちのチームじゃないぞ。
ゴールを決められたのはこっちだ。」
ガスパルは困ったように笑いながら首を振った。
「でも、すごく楽しそうじゃない!」
ジョヴァンニは頬を赤くし、髪を乱したまま興奮して答えた。
私たちのチームのキャプテンは寝返っていた。
誰が勝ったか負けたかなど、彼にはどうでもよかった。
ジョヴァンニにとって大事なのは、楽しむことだった。
そして彼は、それがとても上手だった。
スコアは〇対一。
試合はまだ続いていた。
「ゴーーール!!」
ジョヴァンニはボールをガスパルの方へ投げながら叫んだ。
「キャプテン……それ、自分のゴールに入れてるぞ。」
ガスパルは首を横に振りながら笑った。
「ガスパル、僕チーム変えたんだ!」
ジョヴァンニは息を切らしながら、その場でぴょんぴょん跳ねて答えた。
試合は続いていた。
私は場所の決まっていないゴールの前に立ち、ほとんど毎分のように失点していた。
ゴールが決まるたびに、子どもたちは一緒に走って芝生の上を滑り、転がり回った。
チームには私しか残っていなかった。
それでも、なぜまだプレーしているのか自分でも分からなかった。
けれど、あの子たちがあんなふうに笑うのなら――
その一つ一つのゴールのために、ゴールに立っている価値はあった。
「ゴーーール!
ガスパル!また君のチームだよ!」
ジョヴァンニは嬉しそうに叫び、腕を広げてガスパルに抱きつこうと走ってきた。
ジョヴァンニはロザリアのゴールに予想外のシュートを決めていた。
キャプテンのジョヴァンニが戻ってきたのだ。
ジョヴァンニのおかげで、両チームともたくさんのゴールを決めていた。
ジョヴァンニはゴールの喜びを分かち合うため、腕を広げて私に向かって走ってきた。
私は彼を脇の下から抱え上げ、そのまま空中でくるりと回した。
「伏せて!」
ロザリアが子どもたちの上に飛び込みながら叫んだ。
ジョヴァンニを空中で回していたその瞬間、ぶどう畑の中から誰かが発砲した。
銃声を聞いた瞬間、私はジョヴァンニを抱きしめたまま地面に伏せた。
自分の体でジョヴァンニをかばいながら顔を上げ、ロザリアを見る。
ロザリアもドメニコとエリオを体で覆って守っていた。
「ロザリア!家の中へ!!」
フェリシアが二階から発砲しながら叫んだ。
私たちがサッカーをしている間、フェリシアは二階の子ども部屋にいた。
銃声を聞いた瞬間、機関銃で応戦していた。
ロザリアも私も子どもたちを抱えて家の中へ走り込んだ。
「子どもたち、ワインセラーへ!」
ロザリアは子どもたちに怪我がないか確認すると、地下の貯蔵庫へ向かわせた。
子どもたちは銃声を聞いた瞬間、地面に伏せて腕で頭を覆っていた。
みんなとても怖がっていたが、家に入ったら地下室へ行かなければならないと分かっていた。
怖くても泣かずに、全員が走って地下室へ向かった。
ロザリアと私が二階へ上がる頃には、銃声はもう止んでいた。
バルディーニ家へ続く幹線道路に入る前に、ぶどう畑の中を通って隠れながら二人の男が襲撃してきたのだ。
フェリシアが、その二人とも撃ち殺していた。




