表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/19

10.1. ガスパール— 血に染まった静寂

「ボス、地元の管理者たちが帳簿を二つつけています。日々の収益を少なく報告している」――ロッコは電話で話していた。


ここ数日、ロッコはローマにいなかった。各都市を回り、店を確認し、月の売上を回収していた。


夕方だった。戻るなり、ロッコは状況を報告するためにルカ・バルディーニへ電話をかけた。ロッコはロザリアよりも先に、すべてをルカに報告していた。


ロッコは裏庭で電話をしていた。私は家の脇に身を潜めていたが、ロッコは私に気づいていなかった。


敵対するファミリーは、わざと自分たちの客をバルディーニ家のカジノへ送り込んでいた。従業員は買収され、送り込まれた客は次々と勝ち続けていた。バルディーニ家は損失を出し続けていた。


いくつかの店では、収益が落ちただけでなく、警察の摘発まで始まっていた。


ルカ・バルディーニが築いた仕組みでは、かつては毎週安定して入っていた利益が、今では月単位の収益にまで落ち込んでいた。


金はある。だが回っていない。かつてのように、すべてがバルディーニの金庫へ流れ込んではいなかった。


ロッコは単に事実を報告しているだけではなかった。その声には不安がにじんでいた。もしこの状況を立て直せるだけの資金があるなら、自分の懐からでも出す覚悟があるように思えた。


ロッコのような右腕を持つルカ・バルディーニは、幸運だった。


翌朝早く、ロッコは集めた金をすべてロザリアに渡した。しかし、状況については何も語らなかった。


ロッコもまた、ロザリアを本当のボスとは見ていなかった。彼女に話したところで、何も変わらないと考えていた。


午後、私はロザリアと共にカジノの向かいにいた。


「あなた、ここで働いていたことがあるのよね?」――ロザリアはハンドルを握ったまま言った。


「ええ。ここの従業員は私を知っています」――ガスパールは、ロザリアが何をするつもりなのか、興味を抱きながら待っていた。


このカジノは、古いローマ浴場を改装した建物の中にあった。


ここは単なるカジノではない。人間の弱さそのものを収益源にしている場所だった。


売られた裸の身体はない。その代わりに、長い白いバスローブ、ほの暗い照明、心を緩ませる空間が用意されていた。すべて計算の上だった。


ここに女性のサービスは存在しない。ただ、恋人と訪れた客のために、個室が用意されているだけだ。


この場所では、男たちはテーブルで金を失い、心はローブ姿の女性客へと奪われていた。


ルカ・バルディーニが作りたかった空間は、まさにこれだった。誰も売られてはいない。だが、誰もが気を逸らされている。


「私を客として中に入れて」――ロザリアはバッグを手に取り、車を降りた。


ロザリアの正体と容姿を知っているのは、「アモーレ・アンティーコ」と「ヴェッルート」の従業員だけだった。他のカジノや店では、誰も彼女を知らなかった。


ロザリアは、バルディーニ家で最も利益を生むこのカジノの実情を確かめようとしていた。


そのため、彼女は一般の客として入る必要があった。しかし、金さえあれば誰でも入れるわけではない。このカジノには特別顧客のリストがあり、名のない者は入れなかった。少なくとも、ルカ・バルディーニがボスだった頃はそうだった。


中へ入ると、すぐに支配人が私たちを迎えた。


「よう、ガスパール。ボスの奥さんを任されてるって聞いたが、本当か?」――支配人は二人の前に立ちはだかった。


「本当だ」――ガスパールは冷たい表情で答えた。


「夜勤は大変だろうな。でも、もしかしたら次のボスはお前かもしれないぞ」――支配人は薄ら笑いを浮かべた。


この場所でも、すでに規律は崩れ始めていた。ロザリアはリストに載っていなかった。それでも支配人は、金と引き換えに彼女を中へ通した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ